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外壁塗装業者を調べると、「建設業許可あり」「1級建築塗装技能士在籍」「各種資格保有」といった表示をよく見かけます。資格や許可は、ないよりあった方がよい判断材料です。しかし、保有資格の数が多い会社を選べば、必ず高品質な工事になるわけではありません。
一般的な住宅塗装では、資格・許可は業者選びの合否条件ではなく加点材料として見ます。そのうえで、自宅と同じ建物や症状の実績、現地調査の内容、工事の仕様を決める人、現場管理・完了検査の体制まで確認することが大切です。
建設業許可:該当する許可業種について、税込500万円以上の工事を請け負えることや、一定の許可要件を満たしていることを確認できます。ただし、個々の現場の施工品質を保証するものではありません。
資格:一定の技能・知識を身につけたことや、会社が人材育成に取り組む姿勢を判断する材料になります。ただし、資格の数より、相談内容に合った資格と実務経験があるかが重要です。
資格・建設業許可を業者選びでどう評価するか
私の感覚では、資格や建設業許可は、業者選びを100点満点で考えたときの数点程度の加点材料です。許可や資格がある会社は候補に加えやすくなりますが、最後は実績、診断内容、施工体制などを総合して判断します。
資格が一つも確認できない会社と、仕事に関係する資格を継続して取得している会社を比較すれば、後者からは技術や知識の向上に取り組む姿勢を感じられます。一方、資格が10個の会社と13個の会社を、単純に個数だけで比較しても大きな意味はありません。
工事内容によって重要度は変わる
| 工事・相談内容 | 建設業許可の見方 | 資格の見方 |
|---|---|---|
| 税込500万円未満の一般住宅塗装 | 加点材料 許可がなくても法令上請け負える工事です。 |
建築塗装の技能と、住宅塗装の実績を合わせて見ます。 |
| 税込500万円以上の塗装工事 | 必要 原則として「塗装工事業」の許可が必要です。 |
資格に加えて、工事規模に合った管理体制を確認します。 |
| 工場・倉庫・マンションなど | 税込500万円以上になる工事では、許可の確認が不可欠です。 | 施工管理、安全管理、同程度の建物の実績も重要です。 |
| 雨漏り・局所的な異常・著しい劣化 | 許可の有無だけでは原因究明の力は分かりません。 | 症状に関係する資格、建築知識、診断実績を見ます。 |
外壁塗装は資格や建設業許可がなくてもできる?
外壁塗装を行う職人に必須の技能資格はない
外壁塗装を行う職人について、「1級建築塗装技能士でなければ施工できない」という制度はありません。資格を取得していなくても、長年の経験があり、技術の高い職人は数多くいます。
反対に、1級技能士だからといって、あらゆる外壁材・塗料・劣化症状に詳しく、必ず高品質な施工ができるとは限りません。資格は一定の技能・知識を示しますが、住宅ごとに異なる条件を判断するには、実務経験と継続的な学習も必要です。
税込500万円未満の塗装工事は建設業許可が必須ではない
国土交通省は、建築一式工事以外について、1件の請負代金が税込500万円未満の工事を「軽微な建設工事」としています。外壁塗装などの塗装工事はこの区分に該当するため、税込500万円未満だけを請け負う場合、建設業許可は必須ではありません。
金額の境目に注意:「500万円以下」ではなく「500万円未満」です。税込500万円ちょうどの塗装工事を請け負う場合は、原則として該当する建設業許可が必要です。
一般住宅の外壁塗装は500万円未満に収まるケースが多いため、許可を持たない一人親方や小規模店でも適法に施工できます。ただし、屋根の葺き替えやカバー工事、防水工事などを同時に行うと金額が大きくなることがあります。依頼内容と工事金額に対応した許可があるかを確認しましょう。
請負代金の計算にも注意:同じ業者が一つの工事を複数の契約に分けた場合も、正当な理由がない限り原則として合算されます。施主が材料を支給する場合は、その市場価格や運送費も請負代金に加えて判断されます。
建設業許可は何を確認できる?
建設業許可は、施工品質を認定する制度ではありません。許可を取得するには、建設業の経営を適正に行う能力、営業所技術者等の設置、誠実性、財産的基礎などの要件を満たし、欠格要件に該当しないことが必要です。
| 建設業許可から確認できること | 建設業許可だけでは分からないこと |
|---|---|
| 許可業種について税込500万円以上の工事を請け負える | 一般住宅の施工経験が豊富か |
| 経営・技術者・財産面などの許可要件を満たしている | 現地調査や劣化診断が正確か |
| 許可を受けている工事業種 | 職人一人ひとりの技術力 |
| 許可番号、事業者情報、有効期間 | 下地処理・塗料選定・施工管理の内容 |
| 比較的大きな工事にも対応できるかを考える一つの材料 | 保証や工事後の対応 |
建設業許可がある業者でも、公共工事や工場工事が中心で、一般住宅はあまり施工していない場合があります。住宅塗装を依頼するときは、許可の有無と住宅の施工実績を分けて確認してください。
「建設業許可あり」だけでなく許可業種を見る
建設業許可は、工事の種類ごとに取得する制度です。外壁塗装を依頼する場合は、まず「塗装工事業」の許可を確認します。屋根工事や防水工事も含む場合は、実際の工事内容に対応する許可業種も確認すると確実です。
知事許可と大臣許可に上下関係はない
| 区分 | 制度上の違い | 業者選びでの注意点 |
|---|---|---|
| 都道府県知事許可 | 建設業を営む営業所が1都道府県内にある | 施工地域がその都道府県内だけに制限されるわけではありません。 |
| 国土交通大臣許可 | 建設業を営む営業所が複数の都道府県にある | 知事許可より技術力や品質が上という意味ではありません。 |
| 一般建設業・特定建設業 | 元請工事で締結する下請契約の規模などによる区分 | 施工品質の等級ではありません。 |
建設業許可の確認方法
- 正式な会社名を確認する
屋号ではなく、法人名または個人事業者の正式名称を確認します。 - 許可番号を確認する
会社概要、見積書、契約書などに記載された番号を確認します。 - 国土交通省の検索システムで調べる
建設業者検索で会社名や許可番号を検索できます。 - 許可業種と有効期間を見る
塗装工事なら「塗装工事業」があり、現在も有効かを確認します。建設業許可の有効期間は5年間です。 - 会社情報が一致しているか確認する
商号、代表者、本店所在地などが依頼先の情報と一致しているかを見ます。
市川塗装の確認例:市川塗装株式会社は「静岡県知事許可(般-06)第037222号」を取得し、塗装工事業・屋根工事業・防水工事業の許可を掲示しています。詳しくは会社概要で確認できます。
外壁塗装業者で見かける資格・認定・講習の違い
外壁塗装業者の会社概要には、国家資格、国家検定、技能講習、民間資格、メーカー認定、団体加入などが一緒に並んでいることがあります。しかし、それぞれ確認できる内容は異なります。
建築塗装技能士|塗装技能を評価する国家検定
技能検定は、働くうえで必要とされる技能の習得水準を評価する国の制度です。塗装職種には複数の作業区分があり、住宅の外壁塗装と関係が深いのは「建築塗装作業」です。
一般に「1級建築塗装技能士」と呼ばれる資格は、学科試験と実技試験を通じて、建築塗装に関する技能と知識の水準を確認します。同じ「1級塗装技能士」でも、鋼橋塗装作業など別の作業区分があるため、住宅塗装では正式な作業区分まで見ると分かりやすくなります。
資格試験と実際の住宅塗装で必要な判断力には違いがあります。車の運転に例えると、免許を取った人と、その後10年間運転してきた人の違いに近いものがあります。資格はあった方がよいですが、経験や日々の学習も同じくらい大切です。
塗装以外の判断・工事に関係する資格
| 資格 | 主に関係する知識・技能 | 外装工事で役立つ場面 |
|---|---|---|
| 建築士 | 建物の構造、設計、法規など | 表面だけでなく建物内部の構成を考え、劣化や雨漏りの原因を検討するとき |
| 建築施工管理技士 | 施工計画、工程・品質・安全管理など | 複数の職種が関わる改修工事や、工事全体を管理するとき |
| 防水施工技能士 | 防水工事の施工技能 | 屋上、陸屋根、バルコニーなどの防水工事 |
| 建築板金技能士 | 金属屋根・外壁などの加工と施工技能 | 屋根や外壁の張り替え、カバー工法、板金補修 |
民間資格・メーカー認定・安全講習・団体加入の違い
| 区分 | 例 | 正しい見方 |
|---|---|---|
| 診断系の民間資格 | 雨漏り診断士、外装劣化診断士など | 特定分野を学んだ目安です。資格だけでなく、原因の説明と同様の診断実績を確認します。 |
| メーカー認定施工店 | 特定塗料・建材・工法の登録施工店など | 対象製品の研修や施工情報を得やすい場合があります。認定条件はメーカーごとに異なります。 |
| 作業主任者・安全講習 | 有機溶剤作業主任者、足場関係の講習など | 法令や安全作業に関する資格・教育です。仕上がりの上手さを直接示す資格ではありません。 |
| 業界団体への加入 | 組合・協会などの会員 | 所属している事実は確認できますが、加入だけで技術力や施工品質は判断できません。 |
資格を確認するときは「数」より5項目を見る
- 資格の正式名称
「塗装技能士」だけでなく、等級と作業区分まで確認します。 - 誰が資格を持っているか
代表者、現地調査担当者、施工管理者、職人の誰が保有しているかを見ます。 - 現在も在籍しているか
以前在籍していた人の資格が会社情報に残っていないか確認します。 - 自宅の工事にどう関わるか
現地調査、仕様決定、現場管理、完了検査のどこを担当するかを聞きます。 - 同じ症状・建物の経験があるか
資格名だけでなく、相談内容に近い施工・診断実績を確認します。
資格そのものの確認方法:建設業許可は、国土交通省の検索システムで確認できます。一方、資格には一般向けの検索システムがないものもあります。ホームページだけで確認できないときは、資格証や合格証書で、正式名称・等級・作業区分・保有者名を確認しましょう。
専門知識の価値は「正しく塗る判断」と「塗らない判断」に表れる
外壁塗装では、ローラーや刷毛を扱う技術だけでなく、「なぜ劣化したのか」「この状態に塗装してよいのか」を判断する力が重要です。判断を誤ると、適切に塗ったつもりでも膨れ・剥がれ・雨漏りの再発につながります。
特に重要なのは最初の現地調査
病院で最初の診断を間違えると、その後の治療も間違ってしまいます。外壁塗装も同じで、どこが、なぜ悪くなり、どの工事が必要なのかを判断する現地調査が出発点です。
- 現地調査
- 原因判断
- 仕様決定
- 施工管理
- 完了検査
すべての職人が1級技能士である必要はありません。経験と知識のある担当者が現地調査と仕様決定に関わり、職人へ施工内容を伝え、要所を管理・検査する体制があれば、施工上の見落としや判断違いを減らしやすくなります。
専門知識が役立つ3つの場面
既存塗膜の状態や外壁材との相性を確認し、適合する下塗り材・上塗り材を選びます。健全な下地を作れない場合は、再塗装以外の方法も検討します。
通気層、下地、防水層など、外壁表面の内側にある構成を想定すると、湿気や雨水がどこから来たのかを検討しやすくなります。
塗装だけでは再発する可能性が高い場合は、外壁張り替え、カバー工法、屋根工事、防水工事、下地修復などを選びます。
塗装だけでは解決しにくい例
- 既存塗膜の密着が著しく悪く、新しく塗っても下から剥がれるおそれがある
- 外壁の反り・浮き・基材の劣化が進み、塗膜では直せない
- 外壁内部の湿気や構造上の問題が、膨れ・剥がれの原因になっている
- 塗装に適さない一部の屋根材で、カバー工法などが適している
- 防水層が劣化し、表面のトップコートだけでは防水性を回復できない
- 雨漏りの原因が外壁表面ではなく、防水層や取り合い部分にある
市川塗装の場合:2級建築士・1級建築塗装技能士の市川明彦が、現地調査、仕様決定、施工管理、完了検査に関わっています。完工時には、塗り残し、仕上がり、不具合の見落とし、お客様が気になりそうな箇所がないかを確認します。
資格・建設業許可を含めた業者の比較方法
資格や許可は、次の情報と組み合わせて判断します。
- 建設業許可の業種と有効期間
工事金額に応じた許可があり、依頼内容に合った許可業種か。 - 自宅の問題に関係する資格・経験
雨漏り、防水、板金、建物構造など、心配事に対応できるか。 - 同じ建物・症状の施工実績
同じハウスメーカー、外壁材、屋根材、劣化症状などの経験があるか。 - 診断内容と施工方法の説明
「何を塗るか」だけでなく、「なぜその工事が必要か」を説明できるか。 - 施工管理・完了検査・保証
誰が現場を確認し、工事後に誰が対応するのかが明確か。
会社情報、施工事例、口コミ、見積書、契約、保証まで含めた詳しい確認方法は、外壁塗装業者の選び方|見積もり・契約前の10項目で解説しています。
まとめ|資格の数ではなく、自宅の問題に合っているかを見る
建設業許可は、該当する許可業種について税込500万円以上の工事を請け負えることや、一定の許可要件を満たしていることを確認する材料です。資格は、一定の技能・知識や、会社が技術向上に取り組む姿勢を見る加点材料になります。
ただし、許可や資格があるだけで、実際の施工品質が保証されるわけではありません。資格の数を比べるより、自宅の症状に合った知識・経験があり、適切な現地調査、仕様決定、施工管理、完了検査ができるかを確認しましょう。
資格・建設業許可は「ないよりあった方がよい」。ただし、それだけで決めず、実績・診断力・施工体制と合わせて判断する。
制度・検索情報は更新される場合があります。実際の工事で許可が必要か判断が難しい場合は、許可行政庁へ確認してください。
建物の状態に合った工事方法を確認したい方へ
市川塗装では、塗装だけでなく、外壁張り替え・屋根カバー・防水工事なども含めて建物の状態に合う方法をご説明します。















































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