新築から10年以上たつと、丈夫な屋根であっても劣化症状が見られるようになります。屋根のトラブルがなくても、破損箇所が見つかれば、その都度補修しなければなりません。
また、定期的なメンテナンスも必要ですので、トラブルが何もない場合でも5年や10年を区切りとして専門業者による屋根の診断を依頼することをおすすめします。ここでは、屋根材別の診断チェック項目についてお伝えします。
スレート屋根
劣化したスレートは、思った以上に脆いので、点検作業時にスレート瓦の上に乗って割ってしまうトラブルがよく発生します。スレート屋根の点検や修理が得意な屋根業者にメンテナンスの相談をしましょう。点検項目は、棟板金の釘抜けや釘の緩み、スレートの割れや抜け落ちなどです。
粘土瓦・セメント瓦(モニエル瓦)
瓦は、部分的に抜け落ちていたり、瓦一枚だけが割れたり、ズレたりしていることがあります。瓦の部分交換が必要な場合もありますし、下地補修や防水シートの交換も必要になることがあります。
瓦を接着している漆喰やセメントの剥がれなども要チェック項目です。セメント瓦やモニエル瓦には塗装が必要です。点検時に塗膜の剥がれ、チョーキング現象、色あせ・変色などの劣化症状が見つかる場合があります。こうした劣化症状が見つかれば、再塗装を行います。
アスファルトシングル
防水性が高く、表面に砂粒や天然石をアクリル樹脂で固定させています。アメリカやカナダで普及している屋根材です。耐久性は、20~30年程度ですが、経年劣化すると、接着材の圧着力がなくなってきます。
また、固定していた釘が抜けてしまい、屋根の表面が剥がれていきます。台風などの強風でも屋根の表面が剥がれてしまうことがあります。目視によるチェックで、屋根材の剥がれを確認します。表面の石粒が剥がれると、表面がボロボロになります。下地まで見えていたら葺き替え工事を行う必要があるでしょう。
ガルバリウム鋼板・トタン屋根
いずれも金属屋根ですが、ガルバリウム鋼板のほうが高い耐久性があり、寿命も長くなっています。金属屋根特有の錆び・変色、塗装の剥がれ・チョーキング現象、屋根材の浮き、釘の抜けなどがポイントとなるチェック項目です。
特に錆びが進行していると、金属屋根の穴開きにより雨漏りがひどくなるため、葺き替え工事をしなければならなくなります。耐用年数の短いトタンなら2~3年に一度、ガルバリウム鋼板でも5~10年に一度は、専門業者による点検作業が必要でしょう。
AKIHIKO ICHIKAWA