ガルバリウム鋼板は、金属製の屋根材としてもすでに使用事例が増えており、安定していることから外壁材としても使用される例が増えています。他の外壁材とは異なるメリットやデメリットをよく理解したうえでガルバリウム鋼板を選ぶようにしましょう。
耐久性や耐食性に優れたガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%で構成されています。耐久性や優れた熱反射率による耐熱性、耐食性などに優れた特徴を持っています。見た目は、モダンな感じがしすっきりしたデザインとなり、若い人やデザインを重視する人に好まれています。
カラーバリエーションや意匠性のあるデザインの外壁も豊富に用意されています。しかし、金属製の屋根であることから、トタン屋根や倉庫のようなイメージを持つ方も多く、選ぶ人の好き嫌いがはっきりと分かれてしまう屋根材です。
ガルバリウム鋼板の外壁材は、写真などのイメージだけで決めるのではなく、実際に使用されているガルバリウム鋼板の外壁の住宅をいろいろと見てから決定するといいでしょう。
保証期間が10~15年もあるガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板の外壁は、メーカーの標準保証でも10~15年の保証がついているのが普通です。赤錆び、穴あき、塗膜なども含めて10年以上の保証期間が設けられているので、施工後の錆びの発生やトラブル時にも、保証範囲内なら施工業者に全て対応してもらうことが可能です。保証期間が長いと、塗り替えメンテナンスの費用のみが必要となり、年間15~20万円程度の費用で外壁を維持することができます。
金属製の外壁材としてのデメリット
次は、外壁材としてのデメリットも知っておきましょう。ガルバリウム鋼板の外壁は、メンテナンスフリーではありません。初期費用も他の外壁材と比べると高めです。錆止めや塗装などのメンテナンスコストもかかります。また、別途、断熱材や断熱構造が必要となり、コストアップになることも多いようです。
ガルバリウム鋼板の錆びは、傷ついた箇所から発生する赤錆、高温多湿・海の近くで発生しやすい白錆、他の金属錆からのもらい錆び、接触錆び(電食)などがあります。木材とも接触腐食を起こすことがあります。このように、ガルバリウム鋼板は、想像以上にデリケートな金属製の外壁材であることがわかります。
サイディングとの違い
一般的に外壁材に使われているのは、窯業系サイディングが主流です。窯業系サイディングは、セメントを主原料としています。一枚一枚を壁面に張り付けて施工するため、継ぎ目は、コーキングで繋ぎます。継ぎ目のコーキングは、サイディングよりも劣化しやすく、劣化する前に必ずメンテナンスが必要です。
ガルバリウム鋼板の外壁は、コーキングが不要です。さらに、サイディングよりも軽量で、耐震性が高いということが大きな違いとなります。
AKIHIKO ICHIKAWA