塗装業を営むための資格や許可は、原則として不要です。しかし、一定レベル以上の塗装作業の質を期待するなら、各種資格を保有する経験者が多数在籍する塗装業者が安心できます。ここでは、目安となる塗装に関する資格について解説していきます。
塗装業を営むのに資格は不要
塗装業として営業を始めるために、何か資格や許可が必要なのかというと、現在のところどんな方でも塗装業を始めることができます。そのため、悪徳業者や経験不足だと思われる塗装業者も多数存在します。
信頼できる優良塗装業者を見分ける方法の一つに、国家資格や都道府県知事認定の資格を有する作業員が在籍しているかどうかがポイントとなります。他に、塗装業の実績が豊富で、営業年数も長く、地域密着の仕事をしている塗装業者も選択の基準となります。
信用できる塗装に関する資格について
・塗装技能士
塗装技能士(国家資格)一級は、厚生労働大臣認定の国家資格です。受検には実務経験7年以上か、二級に合格した後2年の実務経験が必要です。
実技と学科の両方の試験に合格する必要があります。 二級は、都道府県知事認定の資格です。実務経験は、2年以上必要です。または、職業高校や専門学校歴が必要です。実務経験は不要です。
・雨漏り診断士
雨漏りの原因の特定、適切な補修工事などの提案を行うことができます。雨漏りの原因を特定する専門家のための資格です。
・有機溶剤作業主任者(国家資格)
建設業労働災害防止協会が認定する資格で、講習を受ければ誰でも簡単に取得できます。一定レベル以上の有機溶剤作業に関する知識があると認められます。
・窯業サイディング塗替診断士
窯業サイディングの種類に応じた劣化症状を的確に把握し、適切な塗装を行うために必要な資格です。塗装作業ごとにみた資格の分類・外装劣化診断士
外壁診断や最適な補修工事を提案します。民間資格です。外壁塗装や外壁リフォームで役立つ資格です。
・足場の組立て等作業主任者(国家資格)
この資格は、厚生労働省が認定する国家資格です。技能講習を受けることで資格を取得できます。労働安全衛生法で定められた作業主任者の一つで基本的な資格です。
・塗装工事業
一つの事業所なら都道府県知事許可ですが、2つ以上の都道府県区域内に営業所を持っている場合は、国土交通大臣許可となります。10年以上の塗装業の実績があり、5年ごとに更新があります。許可要件を満たしていないと許可されないので、良い業者選びの判断材料として使えます。
・塗装科・職業訓練指導員
都道府県知事が認定する資格です。一級塗装技能士を合格した後、1年の実務経験を経た後に受験資格が得られます。
・住宅紛争処理支援センター会員(リフォネット)
塗装業者なら会員になれます。認定は、公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターが行います。審査不要の会員制ですが、どちらかというと看板を掲げているほうが信頼できます。
AKIHIKO ICHIKAWA