意外と選べる種類豊富な外壁材について
外壁材は、種類も増えてきていますので、素材だけではなく、たくさんのデザインや色の中からお好きな外壁材を選ぶことができます。ここでは、よく見かける外壁材でおすすめできる外壁材について簡単に解説してきます。
サイディング
サイディングにもいくつかの種類がありますが、よく見かけるのが、窯業系と金属系の2種類のサイディングです。最近の新築木造住宅では、7割以上が窯業系サイディングを選んでいますので、外壁材といえば、窯業系サイディングだといってもいいような状態になっています。
数千種類のデザインや色のパターンがあり、タイルや石積み風デザイン、和風、モダン、ナチュラルなどの幅広いデザインの中から自分にぴったりの外壁材を選ぶことができます。
窯業系サイディングの素材は、セメントに無機物や繊維を混ぜ板状に成型したものが原型です。価格は1平米あたり3千~1万円です。目地部分のコーキング劣化などの補修が必要で、5~7年程度で塗り替えメンテナンスを行います。スタイリッシュな金属系サイディングにも人気があります。
素材は鉄やアルミニウム、ガルバリウム鋼板などで、通常の金属よりも錆びに強く耐久性の高い素材です。金属系サイディングは、軽量で加工も容易でリフォームに最適です。価格は1平米あたり4千円~5千円です。
錆び止めや塗装を行うと長持ちし、10~15年の耐久年数があります。変色や傷、切断部分などから錆びが発生し、いつの間にか広がっていくことがありますので、定期的な点検は欠かせないでしょう。
ALC
ALCとは、「軽量気泡コンクリート外壁」のことです。コンクリート内部に無数の気泡があります。この気泡により断熱に優れた効果が発揮され、夏や冬の時期の室内温度を適切な温度に保つことができます。また、衝撃にも強いコンクリート外壁材です。
気泡がありますので、吸水性が高い点に注意しなければなりません。塗装時も防水性の高い塗料による塗装が推奨されています。価格は1平米あたり5千~1万円です。防水性の高い塗料になると1平米あたり7千~1万5千円にまで価格が上がります。耐久性が最も高く、定期的なメンテナンスによりさらに寿命を延ばすことができます。
塗り壁(モルタル)
左官職人の腕が独特の風合いやオリジナル性の高い外壁を生み出します。オンリーワンの外壁をご希望なら、モルタルや土などの塗り壁がおすすめです。意匠性が高く、複雑なデザインでも職人の腕次第で仕上げることができます。
モルタル壁の他、土壁や漆喰壁などの天然の素材を使った温かみのある外壁材が人気です。モルタル壁の場合は、定期的な塗り替えメンテナンスが必要です。サイディングに比べると耐久性に劣り、経年劣化によりヒビが入ったり、汚れがついたりします。
素材そのものの劣化は少なくなっていますが、塗り替えコストは高額になることがあり、将来のメンテナンスコストなども考慮して慎重に外壁材を選んだほうがいいでしょう。
タイル
高級感のある見た目や重厚なクラシックスタイル、欧風スタイルなどをご希望なら、タイルの外壁がおすすめです。タイルは、粘土や石材を細かく砕いて焼き固めて作った外壁材です。陶器製であることから、耐候性や耐久性に優れています。
サイディングよりも高価で、価格は1平米あたり1万円~です。塗り替えメンテナンスは不要ですが、コーキング補修やタイル接着部分の剥離などの補修などは随時行う必要があります。
板張り(羽目板)
板張りの住宅といえば、カナダやアメリカなどの田舎でもよく見られる木造の建物です。別荘のような佇まい、温もりのある木の質感なども人気です。同じ木造住宅でも和風ではなく、カリフォルニアスタイルのようなアメリカンな住宅がお好きな方に人気です。
板張りは、乾燥による反りが少なく、水に強いスギやヒノキが素材として使われています。経年劣化すると味のある木の風合いが出ますが、火災に弱いというデメリットがあります。木材は腐食しやすいので、保護剤を塗布します。湿気の多い場所は、反りが出やすく、日陰や風通しの悪い場所は、定期的に点検して補修を行います。板張りは、30年程度で張り替え工事が行われます。
AKIHIKO ICHIKAWA