外壁塗装で好きな色を選んでしまうと、思わぬ落とし穴にはまってしまうことがあります。それは、きれいな色の外観にしたのに、次第に汚れが目立つようになることです。そこで、外壁の汚れが目立ちにくい色をベースに好きな色選びをする方法があります。
外壁塗装の汚れの原因
まずは、外壁塗装の汚れの原因についてみていきましょう。雨や風による砂埃・土埃は、外壁の汚れの主原因です。汚れが堆積し、少しずつ色が濃くなっていきます。さらに大気汚染の影響も見逃せません。お住まいの環境が幹線道路に近く排気ガスが多かったり、工場からの煤煙が風で流れてきたりするようなら、灰色がかった煤色の汚れが外壁についてしまいます。
油をよく使うご家庭なら、換気扇や通風口周辺に油汚れが付着します。油による汚れは、べたべたして頑固な真っ黒な汚れです。さらに湿気が多い場所なら、外壁に藻、カビ、コケが繁殖します。経年劣化により、水切れが悪くなるとこうした汚れが発生しやすくなります。
また、サイディングの目地、窓枠のシーリング周辺にも油に似た可塑剤の溶け出した汚れが煤色と似た汚れを生じさせます。可塑剤の汚れは、油汚れよりも頑固ですので、注意が必要です。
汚れが目立ちにくい外壁塗装色
汚れが目立ちにくい外壁塗装色をご紹介します。
・最も汚れが目立ちにくいグレー
グレー系統の色は、暗い色に見られる場合がありますが、明るめのグレー色もあります。色の種類では、無彩色・中間色として分類され、最も汚れが目立たない色です。「ウォームグレー」という暖かみのある明るめのグレー色がよく使用されています。
・ベージュ系(アイボリー、クリームなど)
他にも薄い茶色など、白に近い色ですが、暖かみのある色です。汚れが目立たない理由も、砂埃・土埃の色とよく似ているからです。真っ白よりも少しベージュ系統の色を使ったほうが、汚れの心配が不要です。
汚れが目立つ外壁塗装色
できれば避けておきたい汚れが目立つ外壁塗装色をご紹介します。
・ホワイト
真っ白の外壁は、憧れの色かもしれません。しかし、建物の場所によっては、外壁汚れがとてもよく目立ってしまいます。どうしてもホワイトの外壁塗装色にしたい場合は、セルフクリーニング機能の高い防汚塗料が販売されています。汚れがつきにくいフッ素塗料や無機塗料なども使用する場合がありますが、ホワイトを選択することで、塗料の単価も上がってしまうというデメリットがあります。
・黒
黒も汚れが目立ちやすい色です。夏場は、室内が高温になりますし、周囲に威圧感を与えます。景観条例に反する場合もありますので、黒系統の色を塗る前に必ず事前調査が必要です。黒を選ぶ場合は、汚れが目立たないように細心の注意を払う必要があります。
・原色
原色も黒と同様に、汚れが目立ちやすい色です。一般住宅ではあまり使用されていません。店舗や商業施設の外壁で目立つ原色が選ばれることがありますが、汚れが目立つ前に塗り替えを行うことが前提です。リフレッシュ目的や美観に配慮した再塗装が行われています。
AKIHIKO ICHIKAWA