外壁塗装は、見た目だけが重要なのではありません。塗装表面の仕上りのよさだけではなく、高い耐久性能を維持するためには、「下地処理」が最も重要だと考えられています。ここでは、外壁塗装で最も重要な工程である「下地処理」について解説しています。
下地処理が重要な理由
塗装は、下塗り、中塗り、上塗りの三工程が基本となっていますが、その前の高圧洗浄やケレンなどの「下地処理」も重要であるとされています。
下地処理は、塗装ではありませんが、細かなクラックの補修を行い、古い塗装の塗膜はしっかりと取り除かなければ、塗料の付きが悪くなり、見た目も凸凹しますし、均等に塗料が乗らないという状態になってしまいます。
下地処理には、主に高圧洗浄、ケレン作業、クラック補修などの作業工程があります。高圧洗浄では、強力な水圧で汚れを全て洗い落とします。次に、高圧洗浄で落とせなかった汚れや古い塗料の塗膜をケレン作業で落とします。
ケレン作業は、手作業で行う地道な作業です。ケレンには、1種~4種の種類があり、ひどい汚れは、化学薬品や電動工具、ワイヤーブラシなどの専用道具を使って丁寧に汚れを取り除きます。通常は、ほうきやペーパーを使った4種ケレンが行われています。
外壁のひび割れを補修するクラック補修も重要な下地処理です。外壁塗装では、下地処理でクラック補修を丁寧に行うことで、塗膜の浮きや剥がれを予防します。クラック補修をしなければ、ひび割れから水分が浸入し、その後、蒸発するときに塗膜を膨らませてしまうからです。
時間がたつほど外壁塗装の経年劣化に差が生じます下地処理により、塗料の密着性も高まります。さらに細かい部分の補修を行うことになりますので、外壁の耐久性能が向上します。コーキング(シーリング)の交換も行われることが多いので、時間がたつほどに外壁の状態に差が出るようになります。
下地処理は省略せずに必ず行います
通常の外壁塗装や屋根塗装において、塗装前の下地処理の工程を省くことはありません。悪徳業者は、見積書では下地処理を省き、塗装にかけるコストを大幅に下げる手口で契約を取ろうとすることがあります。
塗装工事は、プロでなければ、下地処理をやったかどうかを見極めることができません。数か月~数年で、外壁表面の膨れや剥がれなどのひどい劣化症状が見られたら、下地処理を省いた可能性もあります。
また、工事内容には、下地処理工程が記載されていたとしても、ケレンやクラック補修が丁寧に行われていない場合もあります。こうした塗装業者にひっかからないように、塗装業者のこれまでの工事実績や口コミでの評判などもしっかりと確認するべきでしょう。
AKIHIKO ICHIKAWA