屋上やベランダ・バルコニーには、防水工事が必要です。数種類ある防水工事の中でもアスファルト防水は、最も耐久性や信頼性の高い防水施工として知られています。また、他の防水工事と比較しながら、アスファルト防水が選ばれるケースについてもお伝えします。
アスファルト防水について
アスファルト防水は歴史があり、施工実績も多数あることから、防水工事の中でも最も信頼性があります。
アスファルトを溶解し液状にしたアスファルトを使ってシート状のアスファルトを接合し、水密性の高い防水層を作ることができます。溶融窯で溶かした高温のアスファルトを溶融するので、煙や臭いが発生しますが、耐久性や水密性の高い施工が可能で、丈夫な防水層を幾層も重ねる積層工法で施工することができます。
主な特徴やメリット
アスファルト防水の耐用年数は、15年以上となっており、他の防水工事よりも長い耐用年数です。高い防水機能と高い耐久性を求めるなら、アスファルト防水がおすすめです。
防水工事としても古くから実施されているので、信頼性が高く、熱工法やトーチ工法など、熱を利用した防水工事は、水密性が高いので水漏れなどのリスクを大幅に軽減できることがわかっています。
また、シート状のアスファルトも使っていますので、施工期間が短く1週間~10日間で施工が完了します。
アスファルト防水が選ばれるケースとは?
アスファルト防水は、耐久性の高い防水層を形成できることから、大規模な建物の屋上防水工事などでよく採用されています。溶融窯などの大掛かりな設備を必要とし、臭いなども出るので、施工面積が狭い場所ではあまり採用されることはありません。
例えば、ビルの屋上や屋上陸屋根など、一般の住宅よりもよく屋上を使用するような建物での施工が最適です。他にもシート防水、ウレタン防水、FRP防水などがありますが、防水性能や耐久年数ではいずれもアスファルト防水の方が上です。
施工面積が狭い場所、熱や臭いがNGな場合、低価格で防水工事を行う必要がある場合など、何らかの理由でアスファルト防水以外の防水工事も選ばれることがあります。
施工費用やメンテナンス
アスファルト防水は、熱を使うのが基本です。そのため、3種類の工法が存在します。
・熱工法 施工単価1平米あたり7500円~
溶解窯を使用するため、大掛かりな設備の設置が必要です。熱を使用し、必ず臭いが出ます。耐久性の高い防水層ができます。アスファルトシートを使用し、施工面積が広いところでよく採用されています。工期は1~2週間程度。
・常温粘着工法 施工単価1平米あたり9000円~
工期は、10日以内です。熱を使わない防水工法のため、作業者が作業しやすいというメリットがあります。建物の密集したエリアや施工面積の狭い場所で採用されています。
・トーチ工法 施工単価1平米あた8000円~
大型バーナー(トーチバーナーのこと)を使用した防水工法です。工期は10日間以内です。大掛かりな設備は不要です。
AKIHIKO ICHIKAWA