外壁塗装の保証は、長ければ長いほど安心とは限りません。大切なのは、何年という数字だけでなく、どの不具合が対象で、どのような場合が免責になり、補修時の材料費・人件費・足場代まで無償になるかを確認することです。
この記事の結論
- 保証年数は、塗料の期待耐用年数ではなく、施工不良を発見しやすい期間として考えます。
- 外壁塗装には、施工会社の工事保証、塗料メーカーの製品保証、リフォーム瑕疵保険があります。
- 保証書では「対象となる不具合」「免責事項」「部位と期間」「無償費用の範囲」「保証会社と連絡先」の5点を押さえます。
- 不具合を見つけたら手を加えず、可能なら写真を撮り、施工会社へ連絡してください。原因調査と保証判断は施工会社が行います。
外壁塗装の保証は何年あれば安心か
市川塗装では、一般的な戸建て住宅の外壁塗装なら、まず3〜5年の工事保証があるかを一つの目安にしています。耐久性の高い塗料では7〜10年、仕様によってはそれ以上になる場合もあります。ただし、年数だけで業者を選ぶのはおすすめできません。
施工不良は工事後3年以内に現れることが多い
市川塗装の現場経験では、下地処理不足や乾燥時間不足など、施工に明確な原因がある剥がれは、工事後3年以内に現れることが多くあります。工事保証は、塗膜が寿命を迎えるまでのすべての劣化を補うものではなく、施工上の不具合を一定期間カバーする制度です。
施工不良につながる主な原因には、次のようなものがあります。
- 高圧洗浄やケレンが不十分で、汚れやさびが残っていた
- 外壁材や既存塗膜に合わない下塗り材を使用した
- 塗布量が不足していた、または必要な工程を省いた
- 各工程の乾燥時間を十分に確保しなかった
- 気温・湿度・降雨など、塗装に適さない条件で施工した
3〜5年は施工上の不具合を確認しやすい期間
工事後3〜5年を問題なく経過した塗膜は、その後、紫外線や雨風による経年劣化へ移っていくのが一般的です。このため市川塗装では、標準的な塗装仕様に対して3〜5年を基本に、塗料の耐久性や塗装部位に応じて保証期間を設定しています。
年数だけでは安心を判断できません
10年保証でも、対象が外壁の剥がれだけで、付帯部・ひび割れ・色あせ・足場代が対象外なら、実際の補修で費用が発生することがあります。保証年数と一緒に、対象範囲と免責事項を確認してください。
塗料の期待耐用年数と保証年数は別に考える
塗料カタログに記載される期待耐用年数は、一定の試験条件や適切な施工を前提にした耐久性の目安です。一方、工事保証は施工会社が補修責任を負う期間であり、同じ数字ではありません。
同じ塗料でも保証年数が違う理由
同じ商品名の塗料を使っても、建物の状態や施工方法が違えば保証条件は変わります。特に、既存塗膜の傷み、外壁材の吸水、ひび割れ、塩害、日当たり、積雪などは塗膜への負担に影響します。
| 条件 | 保証への影響 |
|---|---|
| 既存塗膜・下地の状態 | 劣化が進み、健全な下地を確保しにくい場合は保証期間が短くなることがあります。 |
| 塗料と外壁材の相性 | 適合する下塗り材や塗装仕様を選べるかが重要です。 |
| 塗装部位 | 外壁、屋根、鉄部、木部、シーリングでは劣化の進み方が異なります。 |
| 周辺環境 | 海沿い、日当たりの強い面、湿気がこもる面などは劣化が早まることがあります。 |
外壁塗装で使われる3つの保証
外壁塗装の保証には、大きく分けて「施工会社の工事保証」「塗料メーカーの製品保証」「リフォーム瑕疵保険」の3つがあります。保証する主体と対象が異なるため、同じものとして考えないことが大切です。
表は左右に動かせます。
| 種類 | 保証する主体 | 主な対象 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 工事保証 | 施工会社 | 施工が原因となる塗膜の剥がれなど | 対象部位、免責事項、材料費・人件費・足場代の扱いは会社ごとに異なります。 |
| 製品保証 | 塗料メーカー | 塗料そのものに製造上の問題がある場合など | 施工不良は対象外です。補修に伴う人件費や足場代まで保証されるとは限りません。 |
| リフォーム瑕疵保険 | 国土交通大臣指定の住宅瑕疵担保責任保険法人 | 保険契約の対象となるリフォーム工事部分の瑕疵 | 登録事業者による申込みと現場検査が必要です。保険期間・支払限度額・免責金額があります。 |
施工会社の工事保証
施工会社が、自社の施工に原因がある不具合を補修する保証です。外壁塗装では、塗膜の剥がれを主な対象とすることが一般的ですが、具体的な対象部位や補修範囲は保証規定で決まります。
塗料メーカーの製品保証
塗料メーカーが塗料製品の品質を保証する制度です。適用には、メーカー指定の施工仕様、使用量、対象下地などの条件が設けられている場合があります。現場で起きた不具合が施工によるものか、製品によるものかは、施工記録や現地調査をもとに判断されます。
リフォーム瑕疵保険
リフォーム瑕疵保険は、登録事業者が加入する検査付きの保険です。工事中または工事完了後に第三者の建築士による現場検査が行われ、保険対象工事部分に瑕疵が見つかった場合は、契約条件に応じて補修費用などが保険金の対象になります。
施工会社が倒産・廃業している場合などは、保険契約の条件に応じて、発注者が保険法人へ直接保険金を請求できる場合があります。制度の概要は、 国土交通省「リフォーム瑕疵保険」 および JIO「リフォームかし保険」 で確認できます。
保険と自社保証は別制度です
リフォーム瑕疵保険を利用する場合でも、保険の対象、期間、限度額、免責金額は契約内容によって異なります。見積り時に、施工会社の工事保証と保険のどちらを利用するのか確認してください。
保証対象になる不具合と原因の見分け方
外壁塗装で保証対象になりやすいのは、施工に原因がある塗膜の剥がれです。ただし、同じ「剥がれ」に見えても、どの層から剥がれたかによって原因と責任範囲は変わります。
代表的な対象は塗膜の剥がれ
新しく塗った塗膜が短期間で浮く、膨れる、剥がれる場合は、洗浄不足、下地処理不足、下塗り材の選定不良、乾燥不足などが疑われます。一方で、旧塗膜ごと剥がれた場合や外壁材そのものが崩れた場合は、今回の塗装だけが原因とは限りません。
表は左右に動かせます。
| 剥がれた位置 | 考えられる主な原因 | 保証判断の考え方 |
|---|---|---|
| 新しい塗膜の層間 | 乾燥不足、塗り重ね間隔の不備、塗料の組合せなど | 施工条件や使用材料を確認し、施工上の原因が認められれば保証対象を検討します。 |
| 新しい塗膜と旧塗膜の間 | 洗浄不足、目荒らし不足、下塗り材の選定など | 下地処理と施工記録を確認し、施工上の原因が認められれば保証対象を検討します。 |
| 旧塗膜から | 既存塗膜の付着力低下、過去の施工不良など | 契約前に予測できたか、説明や補修を行ったかを含めて判断します。 |
| 外壁材の内部から | 吸水、凍害、漏水、外壁材の劣化など | 外壁材や建物側の問題であれば、塗膜保証の対象外となる場合があります。 |
見た目だけで原因を断定することはできません。施工会社が剥がれた層、周辺の含水状態、既存塗膜、施工記録を調べ、保証規定と照合して判断します。
ひび割れは原因によって扱いが変わる
ひび割れは、塗膜だけに生じる細かな割れと、外壁材や建物の動きによる割れで扱いが異なります。市川塗装では、下地処理や塗装仕様に原因がある場合は調査のうえ対応しますが、地震、不同沈下、構造の動きなどが原因の場合は原則として塗膜保証の対象外です。
保証対象外と判断されたときも原因説明を確認する
「経年劣化だから」「下地の問題だから」という説明だけでは、納得しにくいことがあります。どの層で不具合が起きたか、何を根拠に判断したか、補修が必要かを施工会社から説明してもらいましょう。
保証の対象外になりやすいケース
工事保証は、施工会社の施工に原因がある不具合を対象とするものです。自然災害、建物の構造、外部からの損傷、通常の経年変化などは対象外になることがあります。最終的な扱いは、契約時の保証規定と現地調査によって決まります。
自然災害・不可抗力
- 地震、台風、豪雨、洪水、落雷
- 飛来物、積雪、凍害
- 火災や近隣工事の影響
建物・下地に原因があるもの
- 構造の動きや不同沈下によるひび割れ
- 雨漏りや内部結露による塗膜不良
- 外壁材そのものの反り、欠損、凍害
使用・管理・第三者によるもの
- 物をぶつけた傷や薬品による変色
- お客様または第三者が補修・改造した箇所
- 植栽や設備が継続して接触した箇所
通常の経年変化
- 時間の経過による色あせや艶の低下
- 汚れ、藻、カビの付着
- 補修部分と周囲の色・艶の差
木部・鉄部・シーリングは外壁と条件が異なる
木部は伸縮や吸水の影響を受けやすく、鉄部はさびの進行状態によって耐久性が変わります。シーリングも、目地の動きや既存材との相性によって条件が異なります。そのため、外壁と同じ保証年数にならない場合や、保証対象外になる部位があります。
契約前からある不具合は保証の前提を確認する
外壁材の著しい傷み、旧塗膜の広範囲な浮き、雨漏りなどが工事前からある場合は、塗装だけでは解決できないことがあります。必要な補修方法と、補修後にどこまで保証できるかを見積り段階で説明してもらうことが重要です。
免責事項は「対象外の一覧」だけで判断しない
免責事項があること自体は珍しくありません。重要なのは、対象外となる理由が具体的で、工事前に説明され、保証書や契約書で確認できることです。
保証書で確認したい5項目
契約前に保証書または保証規定の見本を見せてもらい、次の5項目を確認してください。細かな条件をすべてお客様だけで読み解く必要はありません。不明な言葉や判断基準は、施工会社に説明してもらいましょう。
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 1. 保証される不具合 | 剥がれ、膨れ、著しい変退色など、どの症状が対象になるか。 |
| 2. 主な免責事項 | 自然災害、建物の動き、下地の劣化、第三者による補修など、対象外となる主な条件。 |
| 3. 対象部位と保証期間 | 外壁、屋根、軒天、破風板、雨樋、鉄部、木部、シーリングごとの期間。 |
| 4. 無償になる費用範囲 | 材料費、人件費、調査費、補修に必要な足場代が含まれるか。 |
| 5. 保証する会社と連絡先 | 保証の発行者、相談窓口、会社が事業を継続できない場合の扱い。 |
保証開始日、部分補修時の色・艶の差、所有者変更時の扱い、第三者が補修した場合の扱いなど、細かな条件もあります。これらは契約前に説明を受け、保証書と 外壁塗装の契約書 を一緒に保管しておくと安心です。
市川塗装の保証期間と補修範囲
市川塗装では、塗料のグレード、施工部位、既存下地の状態を確認し、保証できる期間を個別に設定しています。以下は標準的な塗装仕様に対する基本保証期間です。建物の状態や採用する仕様によって変わるため、最終的な内容は見積書と保証書でご案内します。
| 塗料グレード | 外壁 | 屋根 |
|---|---|---|
| シリコン塗料 | 5年 | 3年 |
| フッ素塗料 | 7年 | 5年 |
| 無機塗料 | 10年 | 7年 |
塗料の特徴と耐久年数の違いは、 外壁塗装はシリコン・フッ素・無機塗料のどれを選ぶ?耐久年数を比較 で解説しています。
高耐久仕様では最長15年保証になる場合がある
市川塗装では、最上位グレードの艶あり塗料など、メーカー仕様と下地条件を満たす場合に、外壁で最長15年の保証を設定することがあります。すべての建物・色・艶・下地に一律で適用するものではありません。
付帯部・鉄部・木部・シーリングの扱い
| 部位 | 基本的な扱い |
|---|---|
| 雨樋・破風板・軒天 | 原則5年。ただし木製下地など、材質や劣化状態によって対象外となる場合があります。 |
| 鉄部 | 塗膜の剥がれや著しい変化は原則5年。さびの発生は下地状態や環境の影響が大きいため対象外です。 |
| 木部 | 材木の伸縮や吸水の影響が大きいため、原則として保証対象外です。 |
| シーリング | 原則として対象外。高耐久シーリング材を所定の仕様で施工した場合は、条件付きで5年保証となることがあります。シーリング上の塗膜は対象外です。 |
主な付帯部の保証条件
雨樋・破風板・軒天
原則5年。ただし木製下地など、材質や劣化状態によって対象外となる場合があります。
鉄部
塗膜の剥がれや著しい変化は原則5年。さびの発生は下地状態や環境の影響が大きいため対象外です。
木部
材木の伸縮や吸水の影響が大きいため、原則として保証対象外です。
シーリング
原則として対象外。高耐久シーリング材を所定の仕様で施工した場合は、条件付きで5年保証となることがあります。シーリング上の塗膜は対象外です。
保証対象の補修は材料費・人件費・必要な足場代まで無償
市川塗装が保証対象と判断した補修では、補修材料、作業人件費、原因調査、補修に必要な足場の設置費用を当社が負担します。お客様に一部負担をお願いする場合は、保証対象外となる工事が同時に必要なときなど、理由と範囲を事前に説明します。
保証期間は工事完了日の翌日から始まる
市川塗装の保証期間は、原則として工事完了日の翌日から起算します。保証書には、工事内容、対象部位、保証期間、保証開始日を記載します。
部分補修では色や艶に差が出ることがある
保証補修は、不具合が起きた範囲を部分的に直すことがあります。同じ塗料を使っても、既存塗膜の経年変化により、補修箇所と周囲で色や艶に差が出る場合があります。補修方法と仕上がりの見込みは、作業前に説明します。
保証期間中に不具合を見つけたとき
剥がれ、膨れ、ひび割れなどに気づいたら、まず施工会社へ連絡してください。お客様が原因を判定したり、細かな調査をしたりする必要はありません。
お客様にお願いしたいことは3つです
-
不具合部分に手を加えない
剥がれた塗膜をはがしたり、市販の塗料やシーリング材で補修したりせず、そのままにしてください。 -
安全な場所から写真を撮る
可能であれば、建物のどの面か分かる写真と、不具合部分の近接写真を撮ってください。高所や危険な場所では無理をしないでください。 -
施工会社へ連絡する
発見した時期、場所、症状を伝え、現地確認を依頼してください。保証書がすぐに見つからなくても、まずはご相談ください。
先に第三者が補修すると原因確認が難しくなります
緊急の安全確保が必要な場合を除き、施工会社の確認前に別の業者へ補修を依頼すると、不具合の状態や原因を確認できず、保証判断が難しくなることがあります。まず保証を発行した施工会社へ連絡してください。
まとめ|保証は年数・範囲・免責・費用を一緒に確認する
外壁塗装の保証は、年数の長さだけでは安心を判断できません。施工会社の工事保証が何を対象とし、どのような場合が免責になり、補修費用のどこまでが無償になるかを確認することが大切です。
- 標準的な工事保証は、市川塗装では3〜5年を一つの目安にしています。
- 高耐久塗料は7〜10年、条件を満たす仕様では最長15年になる場合があります。
- 保証書では、対象不具合、免責事項、対象部位と期間、無償費用、保証会社の5点を押さえます。
- 不具合を見つけたら手を加えず、安全な範囲で写真を撮り、施工会社へ連絡します。
- 原因調査、保証判断、補修方法の説明は施工会社が行います。
保証内容は、建物の状態と塗装仕様によって変わります。市川塗装では、現地調査の結果をもとに、保証できる部位・期間・補修範囲を見積り前に説明します。
保証内容まで分かる見積りをご案内します
市川塗装では、建物を調査したうえで、塗料ごとの保証期間、対象部位、免責事項、補修費用の範囲を事前に説明します。保証書の見本だけ確認したい方もお気軽にご相談ください。















































AKIHIKO ICHIKAWA