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冬の外壁塗装は問題ない?気温・湿度・乾燥時間の判断基準

公開日:2026年08月30日 カテゴリー:塗装時期・劣化診断

冬でも、使用する塗料の施工条件を守り、結露や霜がない状態で必要な乾燥時間を確保すれば、外壁塗装は可能です。冬という季節だけを理由に、仕上がりや耐久性が低下するわけではありません。ただし、同じ静岡県東部でも、沼津市・三島市・富士市などの平地と、御殿場市や裾野市の標高が高い地域では、塗装できる時間帯が異なります。

この記事では、冬の外壁塗装で確認する気温・湿度・結露・霜・乾燥時間と、市川塗装が現場で作業を始める条件、止める条件を解説します。春・梅雨・夏・秋を含めて工事時期を比較したい方は、「外壁塗装に最適な季節はいつ?春・梅雨・夏・秋・冬を比較」をご覧ください。

この記事の要点

  • 気温5℃以上・湿度85%未満は、冬に塗装できるか判断する代表的な目安です。
  • 数値が基準内でも、外壁に結露・霜・水分が残っているときは塗装しません。
  • 冬は乾燥時間が長くなりやすく、1日1工程にして次の塗装を翌日へ回すことがあります。
  • 沼津・三島・富士などの平地では、冬も外壁塗装に適した日が多くあります。
  • 御殿場・裾野の標高が高い地域では、結露・霜と短い作業時間を考慮して工程を組みます。

冬でも4つの条件を守れば外壁塗装はできる

冬の外壁塗装では、気温、湿度・天候、塗装面の乾燥状態、塗装後の乾燥時間をすべて確認します。「12月だから塗れない」「気温が5℃を超えたから塗れる」と、季節や一つの数値だけで決めるものではありません。

※表は横にスクロールできます。

冬の外壁塗装で確認する4つの条件
確認項目 施工を検討できる状態 作業を見送る状態
気温 使用塗料の施工可能温度を満たしている 規定温度を下回る、または必要な乾燥時間中に下回る可能性が高い
湿度・天候 使用塗料の湿度条件を満たし、雨・雪・霧雨がない 規定湿度以上、降雨・降雪中、または乾燥中の天候悪化が予想される
塗装面 結露・霜・水分がなく乾いている 濡れている、霜が残っている、内部に水分を含んでいる可能性がある
乾燥時間 決めた終了時刻までに必要時間を確保できる 夕方の気温低下や結露までに必要時間を確保できない

5℃・85%は代表的な目安です

日本ペイントは、気温5℃以上・湿度85%未満の条件で塗装可能と案内しています。一方で、実際の施工条件は塗料によって異なります。使用する下塗り材・上塗り材などに別の指定がある場合は、各製品の施工仕様を優先します。日本ペイント「冬場の外壁・屋根塗装」

気温5℃以上でも朝すぐに塗り始めるとは限らない

気温5℃以上は「塗装開始の合図」ではありません。朝の気温、その後に気温が上がるか、塗装後に何時間乾かせるかをまとめて判断します。

天気予報と現場の温度計で確認する

市川塗装では、天気予報で5℃以下になる可能性があるときは、現場で温度計を使って気温を確認します。朝の気温が低く、その後も上昇が見込めなければ、その日の塗装は中止します。

現場では気温と天候を確認したうえで、外壁に直接触れて結露・霜・水分がないかを確認します。

冬の外壁塗装現場で温度計を使い外気温を確認しているイメージ
気温が低い日は、天気予報だけでなく、現場の温度計でも外気温を確認します。※画像は施工条件を説明するためのイメージです。

塗り始めより「何時までに塗り終えるか」が重要

冬は夕方になると気温が下がり、夜露や結露が生じやすくなります。そのため、先に塗装の終了時刻を決め、そこから逆算して施工範囲を決めます。

例えば、決めた終了時刻までに一面を塗り終えられないと判断した場合は、途中まで新たに塗り始めません。施工面積を増やすことより、塗装後の乾燥時間を確保することを優先します。

湿度85%未満でも結露・霜・水分があれば塗装しない

空気の湿度が基準内でも、外壁が濡れていれば塗装できません。冬は空気が乾燥していても、夜間に冷えた外壁へ結露や霜が付くことがあります。

湿度の数値と塗装面の水分は別に確認する

湿度85%未満という基準は、塗料が乾燥しやすい気象条件かを見る目安です。ただし、天気予報に表示される地域の湿度だけでは、実際の外壁が乾いているか分かりません。

市川塗装では、湿度の数字だけでなく、雨や霧雨の予報、現場の結露・霜、外壁表面の水分を確認します。霧雨が降っている、これから雨になる可能性が高いといった場合は、塗装を始めないか、途中でも作業を止めます。

冬の朝に外壁へ残った結露を素手で確認しているイメージ
湿度が基準内でも、塗装面に結露・霜・水分が残っていれば塗装しません。※画像は施工条件を説明するためのイメージです。

素材によって乾燥の確認方法を変える

塗装面が乾いたかは、目視と手触りによる確認が基本です。ただし、素材が水を吸うかどうかで判断方法が変わります。

  • 既存塗膜のあるサイディング:目視と手触りで、水滴や湿り気がないか確認します。
  • 鉄板など水を吸いにくい素材:目視と手触りで、結露による薄い水分まで確認します。
  • セメント系など吸水性のある素材:表面が乾いて見えても内部に水分が残る場合があるため、必要に応じて含水計を使います。
  • 塗膜がなく水を吸いやすい部分:触って乾いていても、すぐ塗らずに追加の時間を置く場合があります。

結露や霜は場所によって乾く時間が違う

北面や日陰、庇が短い場所は、日が当たる面より結露や霜の影響を受けやすくなります。また、風が弱い夜の翌朝は水分が残ることがあります。反対に、前夜に風が吹いた日は、夜露が付きにくい場合もあります。

一面が乾いたからといって、建物全体が塗装可能とは限りません。塗装する面ごとに触れて確認します。

冬の乾燥時間は何時間?1日1工程になる場合もある

冬は低温によって塗料の乾燥が遅くなり、春や夏なら同日に進められる工程を翌日へ回すことがあります。ただし、必要な時間は塗料、気温、湿度、通風、塗装する素材によって異なります。

「触って乾いた」と「塗り重ね可能」は違う

  • 指触乾燥:塗装面へ軽く触れても、塗料が指に付かない状態
  • 塗り重ね乾燥:次の塗料を重ねられる状態になるまでの時間

表面が乾いたように見えても、規定の塗り重ね時間が経過するまでは次の工程へ進みません。

低温時は塗り重ね時間が長くなる

温度による違いを確認できる一例として、日本ペイント「ファインパーフェクトトップSi」のメーカー公表値を示します。この塗料の数値を、ほかの塗料へそのまま当てはめることはできません。

※表は横にスクロールできます。

気温による乾燥時間の違い(ファインパーフェクトトップSiの例)
乾燥段階 5~10℃ 23℃ 30℃
指触乾燥 1時間 20分 10分
塗り重ね乾燥 8時間以上 3時間以上 2時間以上

この例では、塗り重ね乾燥が23℃で3時間以上なのに対し、5~10℃では8時間以上です。メーカーも、実際の乾燥時間は使用量、通風、湿度、下地の状態によって異なると案内しています。日本ペイント「ファインパーフェクトトップSi」製品情報

市川塗装で使用する塗料も製品ごとの時間を守る

市川塗装では、外壁の上塗りに「KFワールドセラグランツW」「KFワールドフロングランツW」「KFシェアルドSi」などを使用しています。

例えば、KFケミカルの公式カタログでは、KFワールドセラグランツWの塗装間隔は20℃で4時間以上7日以内、最終養生は24時間以上とされています。低温時の乾燥時間を同カタログが一律の倍率で示しているわけではないため、単純に「冬は2倍」とは決めません。普段から使用している製品は、あらかじめ把握している施工仕様を基準に、当日の気温・湿度・通風・下地の状態と施工経験を合わせて判断します。初めて使用する製品や使用頻度の低い製品、仕様変更の可能性がある製品については、施工前に最新版の仕様書を確認します。KFケミカル「KFワールドセラシリーズ」カタログ(PDF)

冬は1日1工程にすることが多い

気温が20℃前後なら、朝に下塗りを終え、規定時間を確保して午後に次工程へ進める場合があります。しかし、冬は日没までに必要な時間を確保しにくいため、次の塗装を翌日に回すことが多くなります。

一方で、冬でも気温が高く、使用塗料の乾燥が早ければ、同じ日に次工程へ進むこともあります。「冬は必ず1日1工程」ではなく、その日の条件で判断します。

乾燥不足のまま塗り重ねると起こり得ること

  • 塗膜内に水分が残り、細かな膨れが生じる
  • 塗膜にシワが寄る
  • 乾燥していない水性塗料が、上塗りの溶剤によって侵される
  • 密着不良や剥がれにつながる

冬の外壁塗装は朝・日中・夕方にどう判断する?

冬の施工は、一日単位で「できる・できない」と決めるだけではありません。朝の塗装面、建物の面ごとの日当たり、夕方までに残された乾燥時間を確認しながら進めます。

朝は最初に塗装面を触る

晴れていても、現場へ到着すると外壁が結露や霜で濡れていることがあります。その場合は、養生や下地処理など、先にできる作業を進めます。ほかに作業がなければ、塗装面が乾くまで待機します。

実際に、朝は外壁が濡れていたため、9時30分~10時頃まで別の作業を行う、または待機してから塗装を始めることがあります。時刻は一例であり、毎日同じではありません。

乾燥確認後、乾きにくい面を早めに進める

すべての面が乾いたことを確認したうえで、北面や日陰など、塗装後の乾燥に時間がかかる面を早めに進めます。日が当たりやすい南面・西面や、庇に守られて夜露の影響を受けにくい面を後に回す場合もあります。

ただし、北面がまだ濡れている場合は塗りません。実際の施工順序は、建物の向き、日当たり、庇の長さ、風通しによって変えます。

決めた終了時刻になったら塗装を止める

現場ごとに「遅くとも何時までに塗り終えるか」を決め、その時刻から施工範囲を逆算します。天候が悪化する予報なら終了を早めますが、予定より遅くまで塗り続けることはほとんどありません。

寒冷地の外壁塗装では、通常の天候なら15時30分~16時頃までに塗装を終えることがあります。これは市川塗装の現場例であり、全国共通の終了時刻ではありません。

  1. 天気予報と気温を確認気温が上がる見込みと、夕方までの天候を確認します。
  2. 外壁を目視し、手で触れる結露・霜・水分が残っていれば、塗装を始めません。
  3. 養生・下地処理・待機へ切り替える乾くまでの時間を使い、先にできる作業を進めます。
  4. 乾燥後、面ごとの施工順序を決める乾きにくい面と、夕方までの乾燥時間を考慮します。
  5. 終了時刻から施工範囲を逆算する必要な乾燥時間を確保できる範囲だけを塗ります。
  6. 決めた時刻で塗装を終了する雨・雪・低温など条件が悪化した場合は、予定より早く中止します。
冬の外壁塗装における、市川塗装の基本的な判断手順。実際の開始・終了時刻は現場条件によって変わります。

静岡県東部は平地と標高の高い地域で判断が変わる

静岡県東部では、市町村名や「冬」という季節だけで施工可否を決められません。標高、日当たり、外壁材、屋根塗装の有無によって、同じ市内でも条件が変わります。

静岡県東部の平地と標高の高い地域における冬の外壁塗装条件の違い
静岡県東部でも、標高・日当たり・風通しによって冬の施工条件は異なります。※説明図

沼津・三島・富士などの平地は冬も施工しやすい

沼津市・三島市・富士市などの平地では、冬も外壁塗装の施工条件を満たしやすく、一年を通して工事を計画できます。冬は雨が少なく乾燥した日が多いため、市川塗装では外壁塗装に適した時期の一つと考えています。

気象庁の1991~2020年の平年値でも、三島の降水量は12月が65.1mm、1月が73.2mmで、6月の212.7mm、9月の241.8mmより少なくなっています。一方、冬でも雨、結露、霜がなくなるわけではないため、施工当日の確認は必要です。気象庁「三島の平年値」

御殿場・裾野の標高が高い地域は作業時間が短くなる

気象庁は、静岡県東部・富士山麓は標高によって気温が変わり、御殿場は標高約500mで年平均気温が13℃程度と説明しています。1月の平年値では、日最高気温の月平均が三島11.5℃に対して御殿場7.8℃、日最低気温の月平均が三島0.8℃に対して御殿場-1.9℃です。静岡地方気象台「静岡県の気象特性」気象庁「御殿場の平年値」

そのため、御殿場市や裾野市の標高が高い地域では、朝の結露や霜が乾くまで待つ時間が長くなり、塗装後に必要な乾燥時間も確保しにくくなります。外壁塗装自体は可能でも、1日に塗れる時間が短くなり、工期が延びる場合があります。

ただし、御殿場市や裾野市の全域を同じ条件とは考えません。裾野市でも須山・十里木などの標高が高い地域と、三島市・長泉町に近い平地では条件が異なります。小山町も場所によって標高や日当たりが違うため、現地で判断します。

標高の高い地域で冬の朝に屋根へ残った霜のイメージ
標高の高い地域では、晴れた朝でも屋根に霜や水分が残り、塗装開始を遅らせることがあります。※画像は施工条件を説明するためのイメージです。

暖かくなってから施工することがあるケース

  • 標高の高い地域で、外壁と屋根を一緒に塗装する
  • 塗膜がなく、水を吸いやすい素材が多い
  • 結露や霜が長時間残る
  • 必要な乾燥時間を確保できる日が少ない
  • お客様の希望工期が厳しく、十分な予備日を設けられない

市川塗装では、寒冷地で屋根塗装も伴う場合、12~2月をできるだけ避け、3月中旬頃から予定を組むことがあります。これは冬の外壁塗装が一律にできないからではなく、屋根を含む工事全体で無理のない作業時間を確保するためです。

数か月待てるかは、現地確認後に判断する

一般的な経年劣化は、一つの季節を越えただけで急激に状態が変わるとは限りません。現地確認の結果、緊急性が低ければ、無理に冬へ工事を入れず、暖かくなるまで待つ選択もできます。

一方、雨漏りや進行中の浸水、外壁材・付帯部の脱落のおそれなど、安全性や建物内部への被害に関わる症状は別です。このような場合は季節を問わず点検し、応急対応を含めて必要な補修を検討します。ひび割れやシーリングの劣化などを含めた判断は、「外壁塗装は必要?劣化サイン10選」も参考にしてください。

寒冷地で冬施工を依頼する前に確認したいこと

  • 低温時の乾燥時間をどのように確保するか
  • 結露や霜が残った場合に作業を中止するか
  • 1日1工程や休工日を含めても、工期に余裕があるか
  • 外壁と屋根を同時に塗装するか
  • 施工後に剥がれなどが生じた場合の保証内容

まとめ|冬は地域と施工条件を確認すれば外壁塗装できる

冬でも、使用塗料の施工条件を守り、塗装面が乾いた状態で必要な乾燥時間を確保すれば、外壁塗装は可能です。気温5℃以上・湿度85%未満だけを見るのではなく、結露・霜、素材の吸水性、夕方までの乾燥時間まで確認します。

沼津市・三島市・富士市などの平地では、冬も施工しやすい日が多くあります。一方、御殿場市や裾野市の標高が高い地域では、作業時間が短くなりやすいため、屋根塗装の有無や工期の余裕も含めて判断します。

冬に施工するか、暖かくなるまで待つか迷う場合は、市町村名だけで決めず、実際の建物と立地条件を確認してもらいましょう。

冬に外壁塗装できる条件か確認します

同じ市内でも、標高、日当たり、外壁材、屋根塗装の有無によって条件が変わります。市川塗装では現地の状態を確認し、冬に進めるか、暖かくなるまで待つかをご案内します。

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プロフィール写真
市川 明彦
AKIHIKO ICHIKAWA
1級建築塗装技能士・2級建築士|複数の職場で建築塗装・建物メンテナンスの経験を積む。雨漏り診断士・戸建住宅劣化診断士・窯業サイディングメンテナンス診断士の資格も保有。現場で得た知識や判断基準を分かりやすく公開し、誠実な情報発信に取り組んでいる。
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