ベージュの外壁塗装は汚れが目立ちにくく、和風・洋風どちらの住宅にも合います。また、バリエーションが豊富で、周辺の色に溶け込みやすいという特徴があります。
ただし、ベージュと一口にいってもたくさんのバリエーションがあり、実際に外壁に塗ったときのイメージもそれぞれ異なります。ベージュに分類される色の中で、人気のカラーは以下のとおりです。

ノーマルなベージュは薄くて明るい茶色で、明るさと落ち着きのバランスがとれたカラーです。ベージュとはフランス語で、本来は漂白も染色もしていない羊毛の毛織物のことをいいます。
ベージュの外観は、「ナチュラル」「温かい」などのイメージを持っています。あまり目立たない色ですが、見る人に安心感をもたらす効果があります。

ライトベージュは、基本のベージュよりも白に近く、明るめの色です。外壁塗装で使われている色は、実はベージュよりもライトベージュが使われることが多く、定番のカラーとなっています。
外壁塗装に白を使って明るくしたいけれど、汚れが目立つことも避けたいという方にライトベージュがおすすめです。ベージュが与える印象を残しつつ、明るい印象と汚れの目立ちにくさを両立できる優秀なカラーです。

ピンクベージュは可愛らしいイメージのあるピンクに、ベージュの柔らかさが加わった色で、女性らしさを感じられます。鮮やかなピンクだと悪目立ちする可能性がありますが、ベージュが混ざっていることで周囲の環境にも馴染みやすくなっています。
ベージュの雰囲気に、明るさや愛らしさをプラスしたい場合におすすめのカラーです。洋風の外観ともよく似合います。

グレージュは、グレーとベージュを混ぜ合わせた色で、ベージュの「ナチュラル」「温かさ」と、グレーの「落ち着き」を併せ持っています。洗練された都会的な印象と、建物に高級感をプラスする効果があります。
グレージュは白や黒との相性がよく、アクセントカラーに使うことでよりスタイリッシュな印象を演出できます。周辺にビルが建ち並んだ街並みにも溶け込みやすいため、都市部でも人気のある色です。

サンドベージュとは、砂のような色みが加わったベージュのことで、基本のベージュよりも褐色（黒み）がかった色をしています。
ベージュよりも落ち着いた雰囲気があり、どのような環境にも馴染みやすい色です。とくにモダンな雰囲気や和風テイスト、シンプルな住宅によくマッチします。
サンドベージュは黒やダークブラウンとの相性がよく、配色に取り入れることでメリハリのある洗練された印象を作り出せます。また経年による色あせも目立ちにくく、メンテナンス性に優れている利点もあります。

モカベージュとは、ベージュに少しだけブラック〜ブラウンが混ざったベージュカラーです。
基本のベージュやライトベージュが持つ「ナチュラル」「温かい」という印象に対して、「大人っぽさ」や「シック」な印象を演出できます。またベージュカラーの中でも、やや個性を出して印象に残せる色でもあります。
女性的・可愛らしいデザインよりも、クールで落ち着きをプラスしたい方や、ベージュのなかでもほかの外壁の色と差別化したいときにおすすめのカラーです。

イエローベージュは、ベージュに少し黄色みをプラスした明るい色です。原色のイエローだと派手すぎる印象も、ベージュが加わることで柔らかくなり温かな印象を与えます。またイエローベージュは日の光を反射させるため、外観を明るく見せる効果があります。周囲に高い建物が並んでいたり、北向きだったりして日当たりが悪い場合にもおすすめです。
また自然の色に近いため、木材や植栽などの自然素材との相性もよく、環境にも馴染みやすい色です。

ベージュは、以下のような理由から外壁塗装に選ばれています。

ベージュは、温かさや落ち着いた印象を与える色です。温かさや落ち着きを感じられることは家にとってとても大切なことであり、多くの方から選ばれる理由となっています。
またベージュは印象を強めたり主張しすぎたりすることはないため、「無難な色にしたい」「飽きのこない色にしたい」と考える方にとっても最適です。

ベージュの外壁の魅力は、あまり汚れが目立たないことです。白や黒などの明暗がはっきりしている色は、反対の色をした汚れとのコントラストが強くなるため、汚れが目立ちやすくなります。たとえば白い外壁はコケ、カビ、黒ずみなどの汚れが目立ち、反対に黒い外壁は砂埃やハトのフンなどの汚れが目立ってしまいます。
一方、ベージュであれば中間色であるため、汚れの色をカバーしやすく目立ちにくいとされています。長期的に安定して外壁の色合いを保つため、家の外観を維持しやすいという理由からよく選ばれているのです。汚れがまったく付かないというわけではありませんが、「メンテナンスを減らしたい」「汚れが目立つと気になる」という方におすすめです。

ベージュは周辺の住宅や環境に馴染みやすいことが、人気の理由として挙げられます。
ベージュは汚れが目立ちにくく、ほかの色味ともあわせやすいため、とても使い勝手がよいカラーです。多くの家に使われており、周辺にもたくさんのベージュ系の外壁塗装が並んでいるということがよくあります。そのため自宅だけが、目立ったり浮いたりしてしまうことを避けられるのです。
またベージュはグリーンの色味ともマッチしやすく、自然環境と外観を調和させやすいことも魅力です。「周辺環境にあわせやすい色にしたい」「ご近所から悪目立ちしたくない」という方は、ベージュの外壁が適しています。

ベージュは色味や明暗を変えることで、バリエーションを豊富に作り出せます。人気の色でもあることから、各メーカーからもベージュ系の塗料がたくさん展開されています。
上記でも紹介したように一口にベージュといっても、少し変化するだけで大きく印象は変わります。たとえば黄みがかったベージュは暖かみのある印象になり、トーンを落としたベージュは落ち着きのある印象を与えます。
ベージュは自分の好みや、外壁の理想のイメージにあわせて選べるのが嬉しいポイントです。

ベージュは「どのような外観デザインにも馴染みやすい」といった使い勝手のよさもあります。ベージュは華美すぎることがなく、地味すぎることのない、程よい中間色だからです。
たとえばブラックやホワイトなどの明暗がはっきりしている色や、ピンクやブルーなど原色に近い色だと、それぞれの色の印象が強いため、家のテイストとの調和をとることが難しい場合があります。
しかしベージュは中間色であるため、どのようなテイストにも馴染みやすいのが魅力です。「カジュアル・クラシック」「モダン・レトロ」「和風・洋風」などの対照的なテイストであっても、ベージュはどちらにも馴染みやすいです。多くの方にとって選びやすく、外観デザインで失敗しにくい色といえるでしょう。

ベージュは色あせしにくい色で、外壁塗装に適しています。外壁塗装の色あせは、紫外線や経年劣化が主な原因です。原色に近い色は色あせしやすい傾向にありますが、薄めの色は、光に対する耐性が強いため色あせしにくいといった特性があります。ベージュは薄いカラーであるため色あせしにくく、色あせがあまり目立たないといった点も嬉しいポイントです。
また外壁塗装は、10〜15年ほどの耐用年数であることが一般的です。日当たりや立地などの条件によって色あせの差はありますが、ベージュの外壁塗装の場合、適切なメンテナンスを行っていれば耐用年数よりも長く保てるケースもあります。

外壁塗装を行う場合、以下のポイントを押さえてから色選びを進めるとスムーズです。

屋根やドア、窓のサッシ、雨樋（あまどい）といった付帯部の色選びは、外壁のイメージに影響する部分です。外壁塗装をするときに、これらの付帯部まで塗り替えるのであれば、配色のバランスを意識する方が多いでしょう。しかし付帯部まで一緒に塗り替えないケースでは、外壁の色ばかりに意識が向いて、完成したあとに「窓サッシが浮いている…」「全体が暗いイメージになった」と感じる場合があります。
同じベージュでも暗めのサンドベージュやモカベージュ、黄み・赤みがかったピンクベージュやイエローベージュなどがあるため、付帯部との色の相性を意識して選ぶのがポイントです。

外壁塗装を行うことで外観のデザイン性を高められるだけでなく、家の耐久性を高めたり機能性を加えたりできます。そのため外壁塗装を行う際には、以下のように重視するポイントを決めておくことが大切です。

外壁塗装の色のバリエーションは豊富にあるため、悩んでしまう方も多いです。さらに防水や耐熱、防汚などの機能も多数あり、機能性などによって外壁材や塗料の価格もそれぞれです。重視するポイントを決めておくと、多数あるベージュカラーの中でも絞りやすくなります。

外壁塗装でのベージュは、使い勝手がよくとても人気の色です。しかし「ベージュを選べば安心で、みんなが満足している」というわけではありません。ベージュの外壁で失敗に感じやすいのが、外観にメリハリがなくなってしまう点です。家全体をベージュ一色にすると、「なんだかボヤけて見える…」「ちょっと物足りないな」と感じる可能性があります。
ここでは、ベージュの外壁塗装をさらにおしゃれに仕上げるポイントについて紹介します。

すでに紹介したとおり、外壁塗装は屋根や付帯部との相性がとても大切です。これらの付帯部の色をうまく使うことで、イメージと違ったということをなくせるだけでなく、ベージュの外壁をよりおしゃれな印象に仕上げられます。
たとえば付帯部がダークトーンのグレーやブラックの場合は、外壁に明るめのベージュを使い、反対に付帯部が明るい色味の場合は、濃いめのベージュを選んで差を付けるのがおすすめです。付帯部とのコントラストを強調することで外観にメリハリが生まれ、ぐっと引き締まった印象になります。

ベージュの外壁をおしゃれに仕上げるポイントとして、1階と2階でトーンを変える方法も有効です。
ベージュの外壁は多くの方から選ばれているため、周囲にベージュの家ばかりが並んで、自宅の印象が地味に感じてしまうこともあります。1階と2階でトーンを変えることで、周囲と雰囲気をあわせつつも、ほかの家とは差をつけて個性のあるデザインに仕上げられます。
またベージュはほかの色味とも馴染みやすい色のため、トーンを変える方法だけでなくグレーやホワイト、ブラウンなどとあわせてもよいでしょう。

1階・2階の上下のコントラストも素敵ですが、縦のラインにアクセントを入れてみるのもおしゃれに仕上げる方法です。また縦のラインは建物を高く見せる効果があり、家の外観をスラっとスタイリッシュなイメージに仕上げられます。ベージュの柔らかい雰囲気に、シャープさを出したいときにおすすめの方法です。
とくにダークトーンの色を合わせると、ベージュの印象をぐっと引き締めて、おしゃれにまとめられるでしょう。

ベージュの外壁塗装は、失敗が少ない色で人気もありますが、選ぶ際には以下の3つに注意が必要です。

外壁の色の見え方は、日当たりや天候によって大きく変わります。たとえば曇りや雨の日には、色が暗く見えがちです。
そのためカラー見本は、太陽光のもとで確認することが大切です。晴天・曇天、朝方・夕方、日陰と日なたなど、それぞれのパターンで確認してイメージを膨らませるとよいでしょう。

カラーサンプルは、小さいサイズがたくさんまとめられて、冊子になっていることが一般的です。しかし小さいサンプルのまま色を決めてしまうと、外壁を塗ったときとのイメージのギャップが生まれやすくなります。
色は面積の大きさで、見える印象が異なります。面積の大きい場所に塗ると、明るめのカラーはより鮮やかで明るく見え、暗めのカラーはより暗く見える特性があります。
そのためカラーサンプルのカタログだけで判断するのではなく、なるべく大きいサイズで確認する必要があります。ある程度候補をしぼったら業者に依頼し、A4サイズのカラーサンプルや塗り板サンプルを見せてもらいましょう。
色の見え方のポイントとしては、明るいトーンはサンプルより抑え気味の色、暗いトーンはサンプルより明るい色を選ぶことで、理想の色に近づけやすくなります。

外壁塗装は多くのカラーサンプルの中から選べ、迷ったときにはオンライン上でカラーシミュレーションでの確認も行えます。ただし、これらのツールはあくまで検討材料で、実際の外壁との印象が異なる点には注意が必要です。
カラーサンプルは小さいサイズだとイメージが湧きにくいですし、カラーシミュレーターはモニターやプリントによって、色味が左右されることもあります。カラーサンプルやシミュレーターだけに頼らず、実際の色を確かめたり大きいサンプルを比べたりすることで、理想に近い色を選べるでしょう。

ベージュの外壁にすることでさまざまなメリットがあるため、多くの方から選ばれています。外壁の色に対してとくにこだわりがなく、飽きがこない色にしておきたいという方にもおすすめです。
しかしベージュにもさまざまな種類があるため、失敗がなく理想の外観に仕上げられるように、今回紹介したポイントを意識して選んでみてください。