外壁塗装工事での失敗事例や悪徳業者に騙される事例では、安すぎる塗装料金にも問題があることがわかっています。
お住まいの地域の塗装料金の相場を大きく下回るような料金が見積りで提示された場合は、内容をよく確認し、なぜ安くなっているのかを調べる癖をつけると騙されることが少なくなります。
相場価格は偶然決まっているわけではない
塗装料金の相場は偶然決まっているわけではなく、塗装業を営むには適正価格で工事を請け負い、正当な賃金を支払うことで、質の高い塗装工事が可能となるからです。
しかし、塗装工事の料金は高額ですし「一律〇〇円」と定めることができません。塗装業を営む会社も多いので、お住まいの地域や営業年数、施工実績などにより、価格設定では大きな差が生まれます。
例えば、外壁塗装工事では、約80万円前後であれば、適正な塗装価格であると考えられます。
しかし、同じ塗装料金でもその内訳に関してはバラバラです。広告費に高い費用をかけている場合は、人件費や材料費などを削って利益を出しているところもあります。
こうした理由から、安すぎる塗装料金に関しては、見積りの各項目の単価などもよく確認した上で工事を依頼するようにしましょう。悪徳業者に仕事を出すと、使う材料や仕事をする職人にも悪影響を及ぼすと考えたほうがいいでしょう。
塗装料金が安いと手抜きせざるを得ない
塗装料金が安くなると、人件費を削減せざるを得なくなります。そして、見えないところで、手抜き工事が行われるようになります。
例えば、極端に短い工期です。塗装作業は、養生作業や乾燥時間なども必要です。塗り回数は3回以上が基本ですが、1回や2回で済ませる塗装業者もいて、極端に工期を短くして人件費を浮かせようとします。
十分な時間を取って工事を行いますので、無理な工事は中断され後日実施されます。人件費を削ると、工期が短くなり、必要な作業が実施されなくなったり、未熟な職人が塗装を担当するようになったりするからです。
また、塗装は見た目以上に下地処理が重要です。古い塗膜を除去し、錆び止め処理を行うなど、塗装後の塗膜の性能をよくするためには、経験豊富なプロによる下地処理が必要です。安すぎる塗装料金により、下地処理を疎かにすることもあり注意が必要です。
激安価格は悪徳業者の手口の一つ
悪徳業者が使う手口の一つが、激安価格による塗装工事の請け負いです。広告費や宣伝費、訪問営業の人員に無理な営業を依頼し、高いコストなのに激安価格で仕事を請け負うような状態が続くと、働く人のモチベーションも下がり、塗装工事の質が低下します。
丁寧な現場調査、十分に時間をかけての説明、近隣への配慮などがないようだと、少し警戒したほうがいいでしょう。優良業者なら一方的な契約締結を焦ることはありませんし、適正な価格による見積りを行い、お互いに納得したうえで塗装工事の契約を結ぶことになるでしょう。
AKIHIKO ICHIKAWA