気になる塗料の紹介、ラジカル塗料
出典:https://twitter.com/i/web/status/820201021066518528
屋根や外壁の塗装で、今現在一般的に使われていて、主流となっている塗料といえば、シリコン塗料です。
しかし、塗料の世界も日々改善や改革が進み、新しい性能を持つ塗料も登場しています。そのような新種の塗料の中でも最も注目されているのが、「ラジカル塗料」です。
ラジカル塗料がが登場したことで、シリコン塗料と同じように積極的におすすめしている塗装業者も増えています。
シリコン塗料ではなく、ラジカル塗料を選ぶメリットはあるのでしょうか?
今回は、初めてラジカル塗料を知ったという方に、ラジカル塗料のメリットやシリコン塗料との違いについて解説していきます。
ラジカル塗料の人気が急上昇しているのはなぜ?
屋根や外壁に使用されている塗料のグレードや性質について、最初から知っているような方はほとんどおらず、ましてや業界以外の人が詳しいはずがありません。
近年登場するようになり、塗装業者などからも積極的におすすめされることも多くなったラジカル塗料。
「まだよくわからない」、という方も当然です。
信頼できる塗装業者からおすすめされたからといって、すぐに決めるようなことはしないで、少し慎重になって、ラジカル塗料のメリットやデメリットについての知識を整理してみましょう。
ラジカル塗料は、塗料の耐候性を向上させる「ラジカル制御」技術を応用した塗料のことです。
ラジカルとは、樹脂や顔料の有機物を劣化させるエネルギーのことですが、ラジカル塗料というとラジカルが配合されている、と誤解する方も多いので使い方には少し注意したほうがいいでしょう。劣化因子であるラジカルを発生させるには、塗料を調色するときに使う酸化チタンに、紫外線を当てる必要があります。
- このラジカルの発生が問題となっており、塗料の塗膜に含まれる樹脂や顔料などを劣化させる主原因であることがわかっています。
そこで、新しく開発された「ラジカル制御型」の酸化チタンを配合したラジカル塗料を使用すると、塗膜が劣化しにくくなり、チョーキング現象などの発生も防ぎます。
ラジカル塗料は、このようなラジカル制御型の酸化チタンを使って、耐候性を大幅に向上させることに成功した新しい塗料です。
シリコン塗料との大きな違いとは?
シリコン塗料には従来の酸化チタンが使用されていますが、ラジカルを制御するタイプではありません。
主原料はシリコン樹脂になっています。もちろん、シリコン塗料の種類の中にもラジカル制御型のタイプの塗料が存在します。
これは、シリコン塗料や無機フッ素塗料であっても、従来の酸化チタンではなくラジカル制御型の酸化チタンを使用すれば、「ラジカル制御型のシリコン塗料」、「ラジカル制御型の無機フッ素塗料」として耐候性を高めた優れた性能を持つ塗料にできるという意味です。
ラジカル塗料は、通常のシリコン塗料と比べた場合、耐候性が高さに大きな違いがあり、高い耐候性を持っています。
そして、ラジカル制御型酸化チタンを使用しているので、通常のシリコン塗料よりも単価がアップする要因になっています。
ラジカル制御型の酸化チタンは、間違いなく高い性能を持つ高品質の顔料だからです。
ラジカル制御型の塗料の製品数はまだ少ないようですが、コストパフォーマンスの観点からみた場合でも、ラジカル塗料のほうが優れているといえます。
ラジカル塗料を選ぶなら信頼と実績で選ぶ
まだ、施工実績が少なく、知名度もそれほどないラジカル塗料を検討する場合は、信頼や実績を元に選ぶようにしてください。
保証や実績面で安心できる大手メーカーからも屋根用と外壁用のラジカル塗料(ラジカル制御型塗料)が販売されています。
屋根用のラジカル塗料では、日本ペイントのファインパーフェクトベスト、パーフェクトクーラーベスト、 アステックペイントジャパンの超低汚染リファイン500Si-IR、スーパーシャネツサーモSiが検討対象になるでしょう。
外壁用のラジカル塗料なら、日本ペイントのパーフェクトトップ、エスケー化研のプレミアムシリコン、関西ペイントのアレスダイナミックTOP、アステックペイントジャパンの超低汚染リファイン1000Si-IRなどをピックアップしてよく比較検討してください。
ラジカル塗料は、優れた耐候性だけで選ぶものではなく、水性・油性(溶剤)、遮熱性、低汚染性、防カビ性、色や艶などの種類や効果、グレードなどもありますので、他の塗料と同じように一つ一つ必要なものなのかどうかをよく検討したうえで選ぶ必要があるでしょう。
AKIHIKO ICHIKAWA