外壁の劣化症状や破損箇所を見つけたら、すぐに対処しましょう。経年劣化以外にもお住まいの地域特有の自然環境により、通常よりも劣化症状が早まる場合があるからです。まずは、自分でできる外壁診断のチェックポイントを知り、外壁業者と相談しながら適切なメンテナンスや修理を行いましょう。
外壁診断でポイントとなるチェック項目
1、外壁の汚れや色あせ
経年劣化により外壁も防水性能が低下します。水切れが悪くなると汚れが付着し、塗膜が汚れ傷みが激しくなります。
また、色あせ症状も目視ですぐにチェックできます。色あせは、紫外線による変色です。防水性能も低下しています。
2、チョーキング現象(白亜化現象)の発生
外壁塗装の塗料の塗膜の劣化症状の一種です。
塗料が分離して、白い粉が発生し、手で触ると白い粉がつきます。塗料の外壁を保護する機能が失われ、外壁材の傷みが早まります。
3、カビ、苔・藻の発生
湿気の少ない場所なら要注意です。外壁内部に水が浸入する何等かの原因が発生しています。
建物内部の腐食が早まりますので、補修が遅くなると、建物内部の構造材の交換が必要になる場合があります。
4、目地部分のコーキングの劣化症状
サイディングなどの外壁材には、継ぎ目があり、サイディングの間は、コーキング剤で隙間を埋め、接着しています。コーキング剤は、サイディングよりも劣化が早く、亀裂が入ると建物内部に水分が浸入しやすくなります。外壁材が水を吸収すると、脆くなり腐食しますので危険です。
5、外壁の浮き、クラック
外壁材が水分を吸収し蒸発する現象は、自然に発生しますが、外壁が反り返るようになると、端の部分から外壁の浮きが始まります。
そのままにしていると、外壁が割れて落下することがありますので危険です。
外壁のクラックは、軽度のクラックなら、サッシの周辺や継ぎ目に発生します。ヒビの大きなクラックは、構造クラックと呼ばれ、雨水が浸入する原因となります。外壁内部に雨水が浸入すると雨漏りが発生しやすくなります。
6、金属部分の錆び
窯業系のサイディングにはあまり見られませんが、金属系のサイディングの場合は、錆びが発生することがあります。ガルバリウム鋼板製の外壁材は、錆びに強いと言われていますが、小さな傷や他の金属と接触すると錆びの発生や腐食が生じることがありますので、定期的に目視チェックを行いましょう。
7、エフロレッセンス現象(白筆)
外壁材にコンクリートやモルタルを使用している場合、雨水が流れ込み、内部の水酸化カルシウムが目地やクラックから流れ出すことがあります。レンガなどを使用している場合、白い粉のようなものが付着してきますが、これはコンクリートやモルタルと同じように、エフロレッセンス現象ということになります。
外壁のメンテナンスや補修はお早めに!
前項でご説明したセルフチェック項目が見つかったら、外壁の塗り替えメンテナンス時期である、補修箇所がある、などのサインです。症状や原因に応じた適切な対処を行う必要があります。ご自身でわからないことがあれば、ぜひ信頼できる外壁施工業者、外壁塗装業者などに相談するようにしましょう。
AKIHIKO ICHIKAWA