一般的に使用されている屋根材にスレート瓦というものがあります。カラーベストやコロニアルなど商品名で呼ばれることもあります。このスレートですが、新築から10年、又は、前回のリフォームから10年もすると、メンテナンスの時期になります。
屋根のメンテナンスと言えば、はじめに屋根塗装を考えるかと思います。しかし、屋根塗装以外にも葺き替え、カバー工法(重ね張り)などのメンテナンス方法もあります。屋根塗装を含めた3種類のメリット・デメリットなどを解説していきます。
※比較のため一般的な2階住宅で屋根面積を90平方メートルと想定します。
屋根塗装
屋根塗装で使用される塗料の種類は、シリコン塗料、フッ素塗料、無機塗料の3種類が一般的に使用されています。
塗料別耐久性
シリコン塗料 5年 フッ素塗料 10年 無機塗料 15年
塗料別費用
シリコン塗料 20万円 フッ素塗料 28万円 無機塗料 32万円
※税込み足場費用別途で計算しています。
屋根塗装のメリット
なんといっても手軽な作業で他の工事(葺き替え・カバー工法)と比較して安価で工事ができます。塗料の耐久年数分、屋根材の寿命を延ばすことが可能です。
屋根塗装のデメリット
屋根塗装を繰り返すと、屋根材の重ね部に塗料が詰まってしまうことがあります。水の抜け道がなくなり、雨漏りする可能性あります。また湿気もこもってしまうため、下地を腐らせてしまうこともあります。特に2度目の屋根塗装を行う際には、そういった知識や対処法のわかる経験豊富な業者に施工してもらわないと、屋根塗装をおこなったことで、かえって屋根の寿命を短くしてしまうケースもあります。
葺き替え
葺き替え葺き替えは既存の屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材に葺き替えることです。葺き替えで使用される屋根材で人気が高いのは、ガルバリウム鋼板、ジンカリウム鋼板です。
屋根材別費用
ガルバリウム鋼板 費用 140万円
ジンカリウム鋼板 費用 155万円
※税込み、足場費用、下地(野地板)、雪止めなどの費用は含まれていません。
葺き替えのメリット
葺き替えのメリットは、屋根材下の防水シートや、桟木、下地材など、一通り一新することができます。建物自体の耐久性が向上し、さらに、換気扇や天窓なども新しく設置することが可能です。カバー工法(重ね張り)と違い重量に重くならず、耐震性にも有利です。
葺き替えのデメリット
施工期間が長く、屋根塗装などと比較すると高額工事になってしまいます。
カバー工法(重ね張り)
カバー工法は既存の屋根材を撤去せず、その上から軽量な屋根材をかぶせる工法です。
ガルバリウム鋼板 費用 100万円
ジンカリウム鋼板 費用 115万円
※税込み、足場費用、下地(野地板)、雪止めなどの費用は含まれていません。
カバー工法のメリット
既存屋根材を解体しないので、処分費や、撤去の手間がかからず費用を抑えることができます。また工期も葺き替えに比べて短期間での工事が可能です。屋根材が二重になるので、断熱性、遮音性も向上します。
カバー工法のデメリット
屋根が二重になるため屋根の重量が重くなってしまいます。そのため、日本瓦やセメント瓦などもともと重い屋根材に住宅には採用できません。また下地(野地板)が劣化している場合はカバー工法よりも葺き替え工事の方が適しています。 カバー工法後に雨漏りなどが発生すると、屋根が二重になっているので、メンテナンス費用が高額になってしまうことがあります。
AKIHIKO ICHIKAWA