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防水工事でFRPが選ばれる理由とは?
公開日:2018年12月28日 カテゴリー:沼津市東原


防水工事でFRPが選ばれる理由とは?


ベランダFRP


 建物の屋上陸屋根などには必ず防水工事が行われていますが、戸建て住宅のバルコニーやベランダでは狭い範囲の防水施工になりますので、ウレタン防水やシート防水に代わって、耐久性の高いFRP防水で施工する場合もあります。

 FRP防水を選ぶ理由とはどのようなものなのでしょうか?

 今回は、FRP防水の主な特徴や気になる選ばれる理由の他、他の防水施工との違いなどについて少し詳しくみていきたいと思います。



FRP防水の主な特徴と工事費用の目安について


 FRP防水は、ウレタンと同じような塗膜系の防水工法の一種ですが、この2つを比較するとその特徴については大きく異なっていることがわかります。

 FRPは、英語で省略せずに記載すると、Fiber-Reinforced Plasticsの略になり、日本語に訳すと「繊維強化プラスチック」といった意味になっています。

 FRPは、多くは弾性率が低いというデメリットを持つ軽量のプラスチックを元に、弾性率の高いガラス繊維や炭素繊維とを混ぜて強化して、新しく開発された優れた製品です。

 そして、FRPが持つ優れた多くの特徴を屋上やベランダ・バルコニーへの耐久性の高い防水に応用したものが、FRP防水ということになります。

 防水工事に使う場合は改良が加えられており、、プラスチックの材料として知られる「不飽和ポリエステル樹脂」に硬化剤を加え、さらにガラス繊維・炭素繊維などの強化剤と混ぜて組み合わせてできた塗膜防水が、FRP防水となっています。

 FRP防水は、丈夫でそこそこの耐久性もあるため、10~12年ごとにリフォーム工事を行うようなメンテナンス計画になるため、屋根や外壁塗装工事などと一緒に実施されることがあります。

 ちなみに、FRP防水工事の施工料金の目安としては、1平米あたり4000~8000円程度が妥当な価格です。



FRP防水で施工したほうがよいケースとは?

 FRP防水は、屋上などの広いスペースに施工することは少なく、多くのケースでは住宅内の一部となるベランダやバルコニーなどのそれほど広くない面積の床面に施工するとよい、とされています。

 マンションやビルなどの広い面積の屋上に使用すると、ガラスマット繊維が飛散しやすいのでよくない、硬い仕上がりになってしまう、耐用年数の半分を過ぎる頃にトップコートの塗り直しが必要、などといったデメリットが多く、さらに余分な手間やコストがかかることが多いからです。

 FRP防水は、マンションやビルの屋上スペースには不向きであることがわかっていますので、戸建て住宅の一部になっているベランダやバルコニーなどでの施工事例が多くなります。

 FRP防水は、他の防水施工法と比較すると軽量で建物に負担をかけませんし、日常のちょっとした歩行にも十分に耐えられるぐらいの耐久性を持つ施工法であるからです。

 実際に実施されているベランダ防水の施工法を見ても、8割近くがFRP防水を採用しています。

 ウレタン防水施工を行った床面の場合は、重いものを置いたり、引きずったり、その上を頻繁に歩いたりすることは避けてください。

 しかしながら、ベランダやバルコニーといえば、洗濯物を干したり、植物の世話をしたり、一時的にモノを保管したりする場所で、家事では必ず使用するような場所です。

 こうした理由から、ベランダ・バルコニーの防水工事では、ウレタン防水ではなく、FRP防水のほうを採用することが多くなっています。



ウレタン、シート防水(塩ビシートやゴムシート)などの他の防水工事とFRP防水工事との比較


 ベランダ・バルコニーの床面に防水施工を行う場合は、下地の上に防水層を重ねて作り、一番上になる表面には防水層を保護する目的で「トップコート」を塗布しています。

 トップコートは、防水層を保護する目的で塗布されており、ハードな使用にも耐えることができますが、劣化する前に交換が必要となりますので、多くは5年に一度塗り替えを行います。

 トップコートの塗り替えを頻繁に行うことに関しては問題なく、施工単価も高くないので、古くなったら塗り替えするのが、防水層を長持ちさせる秘訣です。

ちなみに、トップコートの塗り替え費用を掲載すると、

 ポリエステル系が1平米あたり1500~3000円、ウレタン系が1平米あたり1700~3000円です。

その下の防水層を含めたやり直しの防水工事になると、 FRP防水が1平米あたり4000~8000円、

ウレタンが1平米あたり3000~7500円、

塩ビシートが1平米あたり3500~7500円、

ゴムシートが1平米あたり2500~7000円、

といったところが施工単価の目安です。

耐用年数は、FRPが最も短くなっており、10~12年でやり直ししなければなりません。

 施工単価をみると、FRP防水が最も高くなっていることから、コストパフォーマンスだけで選ぶ防水施工法ではないのかもしれません。

 

 

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PROFILE
プロフィール写真
市川 明彦
AKIHIKO ICHIKAWA
塗装技能士・建築士|複数の職場で建築物の塗装・メンテナンスの経験を積み、先代である父の塗装店を2005年に引き継ぐ。塗装技能士・建築士に加えて、雨漏り診断士・戸建住宅劣化診断士・窯業サイディングメンテナンス診断士も保有。 情報を公開し、活動において開かれた姿勢を持つことで、信頼と誠実さを築くという理念を掲げて活動している。
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