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下塗りで使うバインダーとは?他の下塗り材との比較やまとめ
公開日:2019年09月05日 カテゴリー:御殿場市東山


下塗りで使うバインダーとは?他の下塗り材との比較やまとめ

外壁塗装 下塗り

 屋根や外壁の塗装工程には、3つの工程があり、基本は3回塗りだとされています。最初の塗装工程といえば、他の工程とは少し目的が異なる「下塗り」工程です。

 下塗り工程で使われているバインダーなどの下塗り材は、通常の汎用塗料とは異なるため、選択を誤ると塗装品質に大きな影響を及ぼすことがあります。

 下塗り工程は、中塗りや上塗り工程とは異なる性質を持ち、安定した塗膜を作るためには下塗り材選びから真剣に行うべきでしょう。

 下塗りで使用されている塗料は、種類が多く見わけがつきにくいものですが、他の下塗り剤との違いを比較しながら、今回は「バインダー」について解説しています。



下塗り材「バインダー」って何?


 バインダーは、シーラーやプライマーと同じような役割を果たす下塗り材です。しかし、シーラーやプライマーに比べるとマイナーで、あまり聞きなれない下塗り材です。

 塗装工程では、バインダー以外にも、用途に応じた数種類のタイプの塗料がありますので、よく使われている下塗り材については下記にまとめています。

 どの下塗り材であっても、多くは中・上塗りに使う塗料との密着性を高める働きがあります。

 塗装面は、金属、プラスチック、皮革などのように、さまざまな種類があるため、いつも同じ下塗り材を使用するのではなく、塗装面との相性をよく考えた下塗り材を使用しなければなりません。

 プライマーの基本的な役割といえば、主に密着剤としての性質を持ち、塗装面に塗料がしっかりと密着するような働きをしています。

 そして、バインダーのほうは、「つなぎ」とも呼ばれており、染料や顔料をしっかりと結合する役目を果たし、簡単には塗料が剥がれないようになっています。

 塗料に含まれる染料や顔料は塗料の主成分ではありませんが、しっかりと塗装面に密着していないとすぐに剥がれてしまいます。

 バインダーを使うと塗膜や塗装面としっかりと密着し、剥がれにくくなりますし、塗装面を保護する働きも強化されます。

 下塗り材として使用しているバインダーとプライマーの2者は、その役割はよく似ていますが、厳密に解説すると少し異なることに注意しておきましょう。



主な下塗り用塗料の種類についてのまとめ


 下塗り用塗料、下塗り材については、バインダーやシーラー、プライマー以外にもいろいろな種類がありますので、よく使われているものに限りご紹介します。


・シーラー

 下塗り塗料として下地に塗るシーラーは、英語の「シール」の意味と同じように、密閉や密封するという目的で使用しています。

 主に上塗り塗料を塗装した時に、塗料が下地に吸い込まれるのを防ぐ重要な役目があります。

 下塗りとしてシーラーを使って塗ると、壁面がしっかりし、次の工程で使う上塗り塗料が塗りやすくなります。

 シーラーは、主にコンクリート、モルタル、石膏ボードなどの外壁材に使用されています。シーラーにも汎用塗料と同じように水性タイプや油性タイプがあります。

 また、塗料の吸い込みが強い時は、2回以上塗布する場合もありますが、「浸透性シーラー」と呼ばれる下地強化塗料を使うと、スムーズに塗装作業が完了します。


・プライマー

 プライマーは、シーラーと同じ役割を持っていますが、プライマーの場合は、鉄、ステンレス、アルミなどの鉄部用に塗装すると付着性が高まり、剥がれにくくなります。

 プライマーを塗布する前に、錆びをしっかりと落とすことが中・上塗り塗料の付着性を高めるポイントです。


・フィラー

 外壁に細かい傷やヘアークラックなどがある場合には、フィラーを使うと微細な傷を埋めて表面を平らにできます。

 例えば、モルタルのようなひび割れしやすい外壁では、下塗りでフィラーを使うと下地が平らで滑らかになって、中・上塗り塗装の質が向上します。

 フィラーには微弾性タイプの「微弾性フィラー」があり、こちらはシーラーとフィラーの役目を兼ね備えた下塗り材です。

 フィラーは対応している外壁の種類が多いので、いろいろなケースに対応でき、外壁の動きに追従して外壁面塗膜のひび割れの発生を防いでくれます。


・サーフェイサー

 サーフェイサーは、下塗り工程ではなく、下塗り後の中塗りに使用されている塗料です。先に塗布していた下塗り塗料を微調整する働きを持っています。

 なぜサーフェイサーを使うのかといえば、下塗り塗料で多少の凹凸が出てしまった後でも、次の中塗り工程でサーフェイサーを塗ると、凹凸がなくし平らにできるからです。 

  下塗り材を塗布した後からでもサーフェイサーなら、多少の不具合はカバーできますし、微調整して塗装品質も向上します。



まとめ:どんなときにバインダーを使う?


 バインダーは、名称は異なりますが、シーラーやプライマーなどのよく使われている下塗り材と働きとほぼ同じです。

 シーラーは、吸い込みが激しい状態の下地に使用されることが多く、吸い込み防止目的になっています。

 バインダーの場合は、塗装面が比較的安定していて吸い込みが起きない下地に塗布することが多く、下地と上塗り塗料をしっかりとつないで定着させています。

 塗装前には、塗装面の状態をよく見て、上塗り塗料の種類に合わせた下塗り材を選ぶと塗装の品質を向上でき、塗装工事を成功させる大きなポイントです。

 

 

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PROFILE
プロフィール写真
市川 明彦
AKIHIKO ICHIKAWA
塗装技能士・建築士|複数の職場で建築物の塗装・メンテナンスの経験を積み、先代である父の塗装店を2005年に引き継ぐ。塗装技能士・建築士に加えて、雨漏り診断士・戸建住宅劣化診断士・窯業サイディングメンテナンス診断士も保有。 情報を公開し、活動において開かれた姿勢を持つことで、信頼と誠実さを築くという理念を掲げて活動している。
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