サイディングボードを使用した外壁を使用している場合は、サイディングボード同士の隙間を埋めるための「シーリング」にも注目してください。シーリングは、10年程度で経年劣化によりひび割れが生じやすい箇所です。
シーリングは劣化する!その原因
サイディングボードは、一枚の板のようなパーツです。戸建て住宅の外壁として使用する場合は、工場で生産されたサイディングボードを現地で組み立てて、継ぎ目はシーリング(コーキング)で埋めて繋ぎ合わせます。
シーリングの耐久性は、外壁材よりも劣ります。10年以内に紫外線や雨風の影響によりひび割れが生じます。パネルの反りの原因にもなりますので、こうした劣化症状を見かけたら早めの対処が必要です。すぐに雨漏りの原因となるわけではありませんが、ひび割れから雨水が浸入しやすくなり、やがては建物内の腐食やカビの発生につながります。
シーリングには弾力性があり、温度や湿度の変化にも対応できるようになっていますが、耐久年数が短いので定期的なシーリングの「打ち直し」が必要です。
シーリングの打ち直し工事2種類
シーリングの打ち直し工事には、2種類の施工法があります。それは、「打ち替え」と「打ち増し」の2種類です。シーリングの劣化がひどい場合は、既存のシールを全て撤去し、新しいシールを充填する打ち替え施工が行われます。
充填箇所が多いほど、シーリングの打ち直し費用が上がります。外壁の場所により足場の設置が必要な場合は、さらに費用がかかります。外壁塗装工事と同時に行うことで諸経費や人件費を節約することができます。
一般的なシーリングの打ち直し工事費用の目安
打ち替え、1メートルあたり700~1200円
打ち増し、1メートルあたり500~900円
シーリングの劣化状況の判断方法
外壁シーリングの劣化の段階に応じて、目視でも劣化状況の判断ができます。初期段階では、シーリングが次第に硬化し、ヒビや亀裂が生じやすくなります。中期段階では、シーリング部分にヒビや亀裂が生じ、雨水が浸入しやすくなります。末期段階では、シーリングが剥がれていきます。隙間ができると建物内に雨水が浸入し、強い風雨により雨漏り状態になることがあります。最終的には、シーリングの機能がなくなり、取れてしまいます。防水材がなくなりますので建物内部では雨漏りが発生しています。
シーリングには、上記のような劣化症状の段階がありますので、シーリングの剥がれが見られたら、シーリングの補修を検討したほうがいいでしょう。
AKIHIKO ICHIKAWA