お住まいの外壁や屋根は経年劣化とともに、外壁のひび割れ、シーリングの劣化、屋根のコケや藻などが発生し、外観の見た目を悪くするだけでなく、建物自体の寿命も縮めます。外壁塗装や屋根塗装に使用する塗料は建物を紫外線や雨、風から守り、建物表面に防水機能を持たせることで水の浸入を防ぐなど大切な役割があります。
ひとくちに外壁塗装と言っても使用する塗料はさまざまです。高い費用を支払って外壁塗装工事が終わったあと、何が残るかと言いますと、外壁に付着している塗膜だけが残ります。例えて言うなら、外壁塗装とは外壁に付着させる塗膜を買うようなものです。
買った塗膜によって10年で寿命が来たり、20年以上長持ちしたりと外壁塗装の耐久性が変わってきます。ですから外壁塗装を行う際には、塗料の選択がとても重要になってきます。また、外壁塗装に使用する塗料によっては仕上がりのイメージが大きく変化したりもします。
お住まいの塗り替えで使用される塗料の種類は大きく分類するとウレタン、シリコン、フッ素、無機塗料の4種類に分類されます。その4種類に機能を付加させた、断熱塗料、遮熱塗料、光触媒塗料なども人気です。
最近の傾向としては、多少高くても耐久性の高い塗料で塗装して、次回の塗り替え時期をできる限り先延ばしにするという方が増えてきています。
昔前までは、あまり耐久性の高い塗料はありませんでしたし、新築時の外装に使用する部材自体も耐久性が短いものが付帯されていました。
例えば、木製の雨戸や破風、金属の手すりや格子など。そのため10年に1回は塗装メンテナンスをするというのが一般的でした。しかし最近では使用する塗料も、建物自体も高耐久のものを使用するようになったため、良い塗料を使用すれば、15年~20年といった耐用年数も可能となってきています。
耐久性の高い塗料と言えばフッ素樹脂や無機塗料があります。フッ素樹脂塗料は、外壁塗装で使用すれば15年程度、屋根に使用すれば10年程度の耐久性が期待できます。ちなみに屋根は日照時間が長く、塗膜を劣化させる紫外線の量が外壁面と比較して多いため、外壁よりも早く劣化してしまいます。
そのことから外壁塗装で使用する塗料よりも屋根塗装で使用する塗料をワングレード上げると外壁と屋根の耐久性が同じになり、次回の塗り替え時期を屋根と外壁で合わせることができます。
現在での最高グレードの塗料は無機塗料になります。一般的なフッ素塗料と比較して1.5倍程度の耐久性があり、ガラスや鉱石など、炭素を含まない化合物で、分子の結合力が強いため紫外線によって分解されることがありません。
高耐久性塗料で塗り替えをした場合の次回のメンテナンス時期は15年~20年後となるため、10年定期で塗り替えおこなうシリコン塗料と比較すると最終的なライフサイクルコストを大幅に削減することができます。外壁塗装の際は、フッ素塗料や無機塗料などの高耐久塗料も検討してみてください。
AKIHIKO ICHIKAWA