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セキスイハイムの外壁塗装
最初に
日本人であれば、ほぼ全員が「セキスイハイム」という名前を聞いたことがあると思います。そのセキスイハイムの住宅の外壁部材は、防風性・防雨性・防カビ性などに優れています。その上で、カビや水に強い耐久力に優れた塗料を使っています。
ですが、いくら耐久性に秀でた外壁であっても経年劣化は避けられません。そこでここでは、セキスイハイムの住宅で発生する可能性がある外壁トラブルと、それに際して行うべきメンテナンスに関してお伝えしていきます。
セキスイハイムに関して
セキスイハイムの母体は「積水化学工業」ですが、セキスイハイムと積水ハウスは違う企業です。「積水ハウス」は最初積水化学工業の住宅部門だったのですが、採算性などの問題で一度見切りをつけることとなります。
ですが、積水ハウスがそこから業績を伸ばしたため、積水ハウスはもう一度住宅事業を作り直しました。それこそがセキスイハイムです。
セキスイハイムの木質住宅工法として有名なのは、「グランツーユー」「ツーユーホーム」など。鉄骨住宅工法としては、傾斜屋根の「ドーマニ」、陸屋根の「デシオ」「パルフェ」などがメジャーです。
セキスイハイムの外壁には、基本的に普通のレリーフウォール(サイディング板)が用いられています。
外壁材の種類とメンテナンス事情
セキスイハイムの場合、大別してSFCボード(レリーフウォール)と磁器タイルの2種類の外壁材を使っています。
磁器タイル
磁器タイルなら原則として塗装メンテナンスはしなくて大丈夫です。「定型ガスケット」を目地に使っており、ガスケットを引っ張って除去するだけで簡単に交換・メンテナンスをすることが可能です。耐用年数は約30年です。
レリーフウォール(SFCボード)
木造住宅のサイディング板としてはSFCボード(レリーフウォール)が用いられています。
「熱硬化系セメント」と「木の繊維」を合成して作るため、木の粘り強さやしなやかさ、コンクリートの高度や強度の「いいところどり」をした外壁材であると言えます。
過熱圧縮(2000t)によって密度を上げているため、水が非常に入りにくいため、凍害が心配な北海道などでも安心して使うことが叶います。
また、300センチの距離から重さ1000グラムの鉄の塊を落として衝突させても、SFCボードには破損は見られませんでした。やはり耐久性もとても高いと言えます。
(参考:モルタルボードであれば100センチくらい、ALCコンクリートであれば200センチくらいで破損が見られます)
UVAコーティング(UV吸収剤含有のアクリルシリコンクリア塗装)が外壁に成されており、表面の色のある部分にUV(紫外線)が届きにくくなっています。
(クリア塗装は車に対しても行われていますが、それと似た原理でUVAコーティングが成り立っています)
10年間~20年間に1回ほど塗装メンテナンスをしましょう。
屋根材に関して
セキスイハイムの屋根のバリエーションはかなり多いです。塩化ビニールシート防水の陸屋根、陶器瓦、セメント瓦、スレート屋根、金属屋根などなど。
ステンレス折板屋根
防錆性の高いステンレスが、セキスイハイムの陸屋根(フラット屋根)には採用されています。そのためメンテナンスをしなくても大丈夫と言えば大丈夫です。
ですが、性能や美しさをキープするためにも、やはりそれなりのサイクルで塗装メンテナンスをすることを推奨します。
「30年サイクルでいい」などの声が多いですが、外壁塗装の際に遮熱塗料を使っておくと暑さ対策ができるので、お住まいの地域によっては検討の余地があると思います。
セメント瓦
「表面の塗装によって防水力を出している」という側面が強いセメント瓦ですから、定期的に塗装をしなければなりません。塗装が劣化すれば、防水力が低くなっていってしまうからです。
塗装のコンディションが悪くなって防水力が下がると、コケや藻が発生して見た目が悪くなります。また、素材が露出しているところの耐久性は低くなるのでクラックが発生しやすくなります。10年くらいのサイクルで塗装をして、このようなトラブルを防ぎましょう。
カラーベスト(スレート屋根)
カラーベスト(スレート屋根)に関しては、10年くらいのサイクルで塗装メンテナンスをして屋根材を守ることが大事です(これにより美しさも守られます)。
塗装メンテナンスをしないのであればカラーベスト(スレート屋根)の耐久年数は25年間~30年間くらいとなります。
これくらいの時期に屋根材自体の交換をすることになりますが、これは再塗装料金5回分くらいの値段になってしまうので、トータルで見れば定期的に塗装メンテナンスをするほうが安くなります。
塩化ビニール陸屋根(塩化ビニールシート防水)
ハウスメーカーの住宅の屋上・ベランダの防水作業としては塩化ビニールシートが採用される場合が多いです。
塩化ビニールシートを何枚か使って防水層を構築します。
塩化ビニールシート防水は熱に強くないので、遮熱塗料を使っておくのがポイントです。
メンテナンスをしないでいると、塩化ビニールシートが劣化して「張替え作業」などが必要となるので、結局のところ「再塗装料金」よりもかなり高くついてしまいます。
塩化ビニールシートは20年以上持ちます。
ですから、20年程度で塗装、張り替え、重ね張りを検討するべきです。
塩化ビニール皮膜鋼板
「防錆性の高い亜鉛メッキ鋼板に、塩ビをくっつけて仕上げる」セキスイハイムの屋根です。紫外線によりコンディションが徐々に悪くなっていき、塩化ビニール皮膜が退色して剥離してきます。
まずは、塩化ビニール皮膜を高圧洗浄機やスクレーパーによってできるだけ取り除きます。塩化ビニール皮膜が残存したまま塗装を行ってしまうと、剥離が早いタイミングで起こる可能性が高いからです。
しかし、しっかりと密着した塩化ビニール被膜をすべて取り除くのは、費用的にもかなりむずかしく、その場合は、浮いている部分のみ取り除き、2種類の下塗りプライマーを使い分けて塗装していきます。
サビも取り除いて、エポキシプライマーを亜鉛メッキ鋼板に塗ります。そして塩化ビニール鋼板用プライマーを残存している塩化ビニール皮膜に対し使います。
それから、上塗り塗料を使って全域を塗装します。
メンテナンスサイクルは10年間~15年間くらいです。
陶器瓦
原則としてメンテナンスはしません。ですが、金属箇所もあるので、そこのクギを交換したり、クギの頭にシーリングを施したり塗装したりしなければなりません。サビができてしまうと陶器瓦を交換しなければならなくなるかもしれないので、外壁塗装と一緒にメンテナンスを済ませることを推奨します。
外壁塗装と屋根塗装の寿命
同じ塗料を使っても、外壁塗装の寿命は屋根塗装の2倍程度となります。
「日光を浴びる量が大きく違う」などが主な理由です。
ですから、外壁塗装と屋根塗装を同タイミングで行うのであれば、寿命が違う塗料を使わなければなりません。
「具体的にどの塗料とどの塗料を使うのか」は外壁塗装業者に相談すれば、判断してくれます。「外壁塗装と屋根塗装のサイクルを合わせたい」というリクエストを出せば、それに沿った対応をしてくれることでしょう。
外壁塗装と屋根塗装はセットで済ませたほうが、足場作業代など1回分カットできて安くなるのでおすすめです。
別々に行うとなると、その都度足場作業をすることになるので「合計2回」になりますが、一緒に済ませてしまえば「合計1回」になりますよね。
屋根の棟板金のメンテナンスについて
陶器瓦屋根は原則としてメンテナンスを行わなくても大丈夫です。
ですが、「差し棟・換金棟の塗装」や「クギ関係のメンテナンス(打ち直し、交換など)」は行ったほうがいいケースがあります。
近年の大手住宅メーカーに関しては、差し棟によって瓦屋根を仕上げるところが多いです。
差し棟は経年劣化していきます。日光の影響でパッキンも劣化していきます。
クギの浮きや緩みの診断をして、状態次第ではシーリングによってクギの頭を保護しなければなりません。また、クギ自体を交換するケースもあります。
サビができているのであれば、サビを取り、サビ予防塗装をして、仕上げ塗装を行います。
先ほどもお伝えしましたが、屋根の経年劣化は比較的早く進むので寿命の長い塗料をチョイスしたほうがいいでしょう。
ドアやベランダ笠木のメンテナンスについて
エントランスドア、ベランダ笠木、換気口などの金属部位は、紫外線によって徐々に劣化していきます。ベランダやエントランスドアは太陽が当たりやすい方向にある場合が多いので、比較的早くコンディションが悪くなってしまう事もあります。
しかし、鉄金属製でないアルミ製の玄関ドアやベランダについては、塗装はしなくてもOKです。塗装すれば美しくなるかもしれませんが、リスクもあります。
~リスク~
・塗装の影響でむしろ見た目が悪くなる場合もある
・新築であれば焼付塗装であって寿命が長いが、再塗装だと薄塗りの可能性が高く寿命が短い
・「雨の筋」などのシミが分かりやすくなる恐れも
・アルミに塗装すると剥がれやすい
ただ、「外壁塗装や屋根塗装をしっかりやっているのに、手すりは塗装しない」となると、「手すりだけ妙に汚い」という状態になって、みすぼらしくなってしまうかもしれません。ですが、ベース処理が終わってから塗装をすればこの問題は解決するので、検討してみてください。
また、塗装ができても、それが剥がれてしまえば余計みすぼらしくなります。
それから、剥がれた塗装が干したふとん等に付着する可能性も否定できません。
これらのリスクがあるので、「やはり塗装しない」というのも悪くありません。
判断に困るのであれば、信頼性の高い塗装業者と相談してみましょう。
また、アルミについてはサンドペーパーで細かい傷を作り、そこに専用のプライマーを使って塗装します。
塩ビが玄関ドア施されているのであれば、塩ビ皮膜のための下塗りをやってから仕上げ塗装を実行します。そうでないと塗装完了後にべた付きが発生する恐れがあります。
塩化ビニールシートの剥がれに関して
基本的に塩ビシートが諸々の金属箇所に貼ってあるものですが、これが剥離すると錆ができやすくなります。錆ができてしまったら、剥離したところの塩ビシートを取って錆のケアを行うことになります。
錆はどんどん拡がっていく場合が多いので、甘く見ないようにしましょう。
また、塩ビシートがある箇所については、不適切な下塗り剤を使うとべた付きが発生するかもしれません。
ですから、ベストな下塗り剤をチョイスしつつ、塩ビシートの皮膜を丁寧にチェックする必要があります。
太陽の光が当たりやすい場所ほど塩ビシートが剥離しやすくなります。
剥離しているところにスクレーパーなどを用いて、塩ビシートを除去することになります。
きちんと除去せずに塗装をしてしまうと、特に夏場に表面が熱くなって、塩ビシートが剥離するリスクが高くなります。
ガスケットについて
通常、サイディングの目地に対してはコーキング補修が施されます。
ですが、セキスイハイムに関しては、乾式の縦目地が採用されています。
これを「ガスケット」と言います。車のワイパーのゴムのような性質を、ガスケットは有しています。
ガスケットは、現場で外壁と外壁の間に押し込むことができます。
押し込むだけでいいので、「作業者によるばらつき」が少ないという利点があります。
(ただ、もちろん一般の方がこの作業をするのはやめたほうがいいかと思います)
これにより、外壁と外壁の間のわずかなスキマをなくして、水気やほこりを遮断することができます。また、見た目もキレイになります。
ガスケットの寿命は30年程度です。しかし、再塗装することで寿命が延びる場合もあります。ガスケットを引くだけで外すことができるので、交換にも手間がかかりません。
「非常に施工しやすい」と評価できます。
また、ガスケットは硬化を防止するための可塑剤を含有しています。
可塑剤の上に普通に塗装をすると、塗膜が凝固しにくくなり、表面にべた付きが発生するかもしれません。べた付くくらいなら問題ないと感じるかもしれませんが、汚れが付着して黒くなってしまう可能性が高いのでよくありません。
ですから、べた付きを防ぐために「可塑剤移行防止プライマー」を施してから塗装をするのが普通です。
外壁材のクラック(ヒビ)の扱い
レリーフウォール(サイディング)の外壁に関しては、塗膜が劣化するとクラック(ヒビ)ができる可能性が高いです。
特にベランダ(日光が当たりやすいため)、ジョイント目地の端、基礎上部、開口部の隅などにはクラックができやすいです。
開口部には柱がありませんから、地震などの際に外壁材に衝撃が及びやすく、そのせいでヒビが発生する可能性が高いのです。
ただ、表面の薄いヒビ、いわゆる「ヘアクラック」に関してはそこまで心配する必要はありません。ヘアクラックの場合、サイディングの裏までクラックが到達しているわけではないからです。とはいえ、ずっと放置していていいわけではありません。「外壁塗装を検討すべき時期に来ている」とは言えます。
ですが、クラックの幅が目安として「名刺以上」になったらケアがほぼ必須です。
ヒビがサイディングの裏にまで到達している可能性が高いからです。
重度のクラックについては、そのまま直そうとしても上手くいかない場合が多いです。
意外かもしれませんが、まずは一度そのヒビを拡げてしまいます。その上で、シーリングやパテでカバーしてから外壁塗装を行うことになります。そうすることで、水気を遮断することができますし、クラックの跡も分からなくなります。
バルコニーについて
塩ビシートの上には保護パネル(サーキュレーションブロック)を置くのですが、それにより傷ができないようにしたり、遮熱したりすることが可能です。
ですが、保護パネルは取り外しにくいです。
では、ホコリなどが入ってしまった場合に、どのように除去するのでしょうか。
これについてですが、「新築から10~15年くらいの住宅メーカー製住宅」のベランダ防水なのであれば、局所的なケアで事足りる可能性が高いです。保護パネルによって「防水層の状態」が維持されている場合が多いですから、局所的なケア、クリーニング、漏水などをチェックすればそれで済むケースがほとんどです。
塩ビシートの交換・重ね張りは20年くらいの周期でやることになる可能性が高いです。
ですが、20年以内に何らかのトラブルが発生した場合は、局所的なケアでカバーするのが基本です。「心配だから、交換・重ね張りをしたい」という気持ちになるかもしれませんが、お金もかかるのでやめておいたほうが良いでしょう。
ただし、漏水が発生しているケースではその限りではありません。
セキスイハイムの値段に関して
では、セキスイハイム(セキスイファミエス)の外壁塗装の値段例を複数挙げていきます。
木造2階建て(水性シリコン塗料2回塗装):230万円(見積段階では300万円でしたが、最終的に値下げされました)
木造の家(床面積120㎡):150万円/200万円(塗料のグレードにより、違う見積り価格が提示されました。再塗装時期10年後の塗料/再塗装時期20年後の塗料)
※インターネット投稿情報
ハウスメーカーの外壁塗装の値段が高い理由は?
ハウスメーカーの外壁・屋根塗装の値段は、普通の外壁塗装業者の値段よりも50万円以上高くなる場合が大半です。
なぜそうなるのでしょうか。
その理由の一つが「中抜き」です。
ハウスメーカーの場合は、下請けの外壁塗装業者の作業員を使うので、このタイミングで「中抜き」が生じることになります。そのせいで値段が高くなるのです。
中抜きを避けたいのであれば、ダイレクトに外壁塗装業者を使いましょう。
それからハウスメーカーに関しては、「各種運営費」「宣伝コスト」「広告コスト」「職員への報酬」などがあるので、それをカバーするためにも値段を高くしている場合が多いです。
(一方、普通の外壁塗装業者の場合は、『客が多くなり過ぎたらむしろ困る』という理由で、宣伝・広告活動をあまり行っていないところが少なくありません)
特に宣伝・広告コストは高いですし、職員も日本中にたくさんいるでしょうから「報酬費」も高くなります。
ハウスメーカー以外に工事を任せても大丈夫?
よく「ハウスメーカー以外に任せると、保証が消えてしまうからよくない」という話を聞きます。ハウスメーカー側もそのように主張してくるかもしれません。
ですが、本当のところは、「骨組み・屋根・外壁に関する保証が消えて、残りの保証は残る」という場合が多いです。
(詳しくは該当する住宅メーカーに聞いてみてください)
「屋根・外壁の保証が消えるんじゃ、困るじゃないか」と思うかもしれませんが、良質な外壁塗装企業に依頼すれば、「ハウスメーカーの保証」が消えても問題ありません。また、塗装工事をするだけですから「骨組み」のことを考慮する必要はありません。
「60年保証」とセキスイハイムは言っていますが、これは「ちょうどいいタイミングでメンテナンスをし続けていれば、60年暮らせる」というニュアンスです。言ってみれば「60年補助システム」ですね。定期診断は0円ですが、外壁塗装等の料金は無料とはならないので覚えておきましょう。
住宅メーカーは「(無料ではないメンテナンスが付随する)住宅保証の延長」を推してくる可能性が高いです。住宅メーカーも商売でやっているわけですから当然です。
ですが、ハウスメーカーは「骨組み(住宅の強度に関わる歪みや損傷のみ)」「雨漏り」しか保証してくれません。これは、適用される可能性が非常に低い保証内容ですから筆者としてはおすすめしません。
「避けにくい&確率がそれほど低くない」のは、台風・地震・雷等の「自然災害」を原因とする住宅のトラブルですが、これは住宅メーカーの保証対象とはなりません。
(火災保険・地震保険で対処することになる可能性が高いです)
当然メンテナンスをすることは大事です。
ですが、住宅メーカーのメンテナンスは値段が高い傾向にあるので推奨しません。
こんな状態になったら外壁塗装を!
・外壁材にクラックができた
・外壁材の接続部のパッキンが浮いた
・外壁材の接続部のコーキングに隙間が見える
・屋根材にクラックができた
・屋根材の色が褪せた
・ボードが浮いている、クラックがある、腐食がある、コケができた
などのケースでは外壁塗装を検討しましょう。
それから、
・玄関ドアの色褪せ
・シャッターボックスの色褪せ
・塩ビシートの劣化(屋上、ベランダなど)
・コケや藻が発生している
などの場合も外壁塗装をしたほうがいいかもしれません。
セキスイハイムの外壁塗装の要点
・陸屋根やバルコニーは定期的に塗り替え、20年以上経過したら、防水シートの張り替えや重ね張りも検討する
・瓦屋根の場合も「板金部分の塗装」や「釘の頭部分のコーキング」は必要
・外壁材のヒビの規模によっては、一度あえてヒビを広げてから直す
・アルミの塗装はコンディションがそれなりに悪くなってから行うべき
・アルミの塗装に関しては、まず細かな傷を作り、非鉄金属専用プライマーを使う
・白化が進んでいる場合は、目粗し、プライマーによってベースを整える
・塩ビ皮膜鋼板の剥離箇所は、できるだけ取る
・亜鉛メッキ鋼板にはエポキシプライマーを使ってから仕上げ塗装をする
・塩ビ皮膜には、塩ビ鋼板用プライマーを使ってから仕上げ塗装をする
・塩ビ皮膜鋼板やガスケットのベース処理には可塑剤移行プライマーを使う
・モニエル瓦の塗装をする前にスラリー層を全部除去する
その他の要点
・サイディング板の塗装を行う前にヒビをシーリングで直す
・屋根塗装をする前に、高圧洗浄でキレイにして、下塗り塗料を使っておく
・カラーベスト屋根の塗装を行う前にヒビをシーリングで直す
・塗膜の剥離が起きやすいので、セメント瓦の下地処理には特に力を入れる
・「塩ビシートの重ね張り」でベランダ防水ができる(漏水時以外)
・ジメジメした場所なので、軒天塗装や基礎巾木塗装には、透湿性が高い塗料を用いる
最後に
セキスイハイムの外壁塗装について解説しました。
セキスイハイムの家に限りませんが、ノウハウがある信頼できる塗装業者を使いましょう。
そのような外壁塗装業者であれば、
・セキスイハイムそのものに頼むよりもかなり安い
・セキスイハイムと同レベルかそれを超えるレベルの仕上がり
という二つの条件を両方とも満たしつつ、外壁塗装を行ってくれますよ。
セキスイハイムの外壁塗装についての質問・回答
質問1:自宅はもう15年くらい外壁塗装をしていませんが、外壁はキレイなままだと思います。普通は10年に1回くらい外壁塗装をするそうですが、ウチもそろそろやったほうがいいのでしょうか。
回答1:一般的には「10~15年に1回ほど外壁塗装をすべき」と言われています。ですが、もっと寿命が長い塗料もあるので、あらゆる外壁に当てはまるわけではありません。
逆に、紫外線、台風、潮風などの影響でもっと早く劣化するケースもあります。
そのため、「○年で行う」と決めつけるのではなく、
「再塗装メンテナンスを行うべきか否か」をご自身で診断することをおすすめします。
まずは、外壁を手指で軽く触ってみましょう。
チョーキング(手に白色の粉がつく)が発生している場合は再塗装メンテナンスの実行をおすすめします。
※夏場は外壁が熱いので注意!
ただ、セキスイハイムに関して言えば、チョーキングが10年程度で発生することはまずありません。
ですが、外壁ではない部分(基礎、パッキン、シャッターボックス、雨樋など)も確認してみてください。これらでチョーキングが起きているケースでも、外壁塗装を考えるべきです。
加えて、外壁・目地のクラック、コケ・藻等が発生している場合も同様です。
もちろん、詳しい事は専門業者と話してから決めるべきです。
質問2:セキスイハイムに外壁塗装も依頼したほうがいいと聞きました。なぜでしょうか。
回答2:セキスイハイム以外に外壁塗装をしてもらうと、「セキスイハイムの保証」が消えます。そのため、「保証を残すべき!」という発想から、そういった話が出ているのでしょう。
ですが、ハウスメーカーが保証してくれるのは「躯体」や「屋根や外壁等の雨水を遮断する場所」だけです。
そのため、「保証体制がきちんとしているところ」であれば、セキスイハイムでない外壁塗装業者に依頼しても問題ありません。
ちなみに、家を建てると、ハウスメーカーが「10年保証」を付与してくれます。
新築から10年経つと無料でハウスメーカーが診断をしてくれます。
その際に「メンテナンスをしませんか?」と見積もりと共に提案される可能性が高いですが、そのメンテナンスは有料です。
有料メンテナンスをするとほとんどの場合は保証が10年延長されます。
ハウスメーカーとしてはこのメンテナンスをさせたいのでしょうが、
「躯体」「雨漏り」しか対象になりません。これらの問題が発生する可能性は、(10年間)では非常に低いです。
一番問題の原因になりやすいのは、天災(地震・台風・雷等)ですが、これはハウスメーカーは保証してくれません。
基本的に火災保険や地震保険で対応する事になるでしょう。
話が長くなりました。
まとめると、
・ハウスメーカーの保証は弱く、高額なので、メンテナンスは信頼できる外壁塗装業者に任せたほうがいい
ということですね。
質問3:バルコニーの修繕の時期が分かりません。15年くらいやってませんけど、そろそろでしょうか。
回答3:最終的に塩ビシート自体が破れてしまうので、その前にメンテナンスしなければなりません。まずは、シートの切れ目の有無や、水が浸入していないかどうかを見てみましょう。
と言いたいところですが、セキスイハイムの場合は構造上、専門家以外がその診断をするのは困難です。バルコニーマットなどが置いてあり、それが邪魔になるからです。
ですが、バルコニーマットには「歩行などを原因とする摩擦」「UV」「湿度による収縮」などのダメージを軽減する役割があるため、バルコニーマットがない場合よりも耐久年数が長くなります。
塩ビ防水シートのお手入れとしては、
・塗装
・全交換
・交換せずに上から新しいシートを乗せる
の三択です。
20年程度の時期に、このどちらかのメンテナンスをしましょう。
20年以内でちょっとしたトラブルが起きた場合は、局所的なケアでも事足りるかもしれません。
そして、防水作業については「値段」で決めないほうがいいです。
20年に1回程度しか行わないわけですから、そこでお金を節約する意味があまりありませんし、長い目で見れば「高品質に仕上げてもらって、次回のメンテナンス時期を遅らせる」ほうが安くつく可能性が高いです。
また、「どの工法を採用するか」は素地を確認して決めることになりますが、ハウスメーカーであればこの辺りの見極めを間違うことはまずありません。
ただ、ハウスメーカーの作業料金は基本的に高額ですから、ハウスメーカー以外の普通の専門企業に任せることをおすすめします。
もちろん、信頼できる企業に依頼しないと「ハウスメーカーに任せたほうがマシだった……」という事になりかねないので気を付けましょう。
※この記事は2018年の11月の情報をもとに個人的見解として投稿したものです。記事の内容は参考程度としてください。