どんな屋根にも寿命がありますが、建物の中でも屋根の部分は、その耐久性に特に注意する必要があります。劣化する前や雨漏りなどの屋根トラブルが発生する前に必ずメンテナンスを行います。ここではスレート屋根について解説します。
スレート屋根の寿命は20~25年!
スレート屋根は、セメントなどで固めた屋根材です。2004年以前に製造されたスレートには、石綿(アスベスト)を含んでいることがあり、特殊な処理方法により撤去する必要があります。スレート屋根は商品名では、カラーベストやコロニアルといった呼び名で普及しており、現在でも人気の高い屋根材です。
スレート屋根の寿命は20~25年です。瓦よりも短い上に、表面は塗装し防水性や耐久性を高めていなければ、20年以内で使い物にならなくなってしまうことがあります。
塗装の塗膜が劣化したスレートは、寒暖差や水分を含み、乾燥を繰り返すことで、反りが出たり、割れやすくなったりします。
そうなる前にスレート屋根の塗装が必要となります。
スレート屋根を長持ちさせるには塗装が一番
スレート屋根には、防水性がないので、塗料の塗膜により防水性を保ち、耐久性を上げることが必要です。塗装を定期的に行うと、スレート屋根の寿命もさらに延びます。塗装費用は、30~40万円程度ですが、足場架設や塗装しにくい屋根形状や場所であれば、費用が上がります。 また、塗料の性能により価格も異なります。
一般的には耐久性が高いほど、費用も高額です。一般的なシリコン系塗料では、7~10年が耐久年数です。 フッ素系塗料では、15年程度、耐候性の高い無機塗料では、15年以上の耐久年数が期待できます。
劣化が激しく塗装が無理なら葺き替えを推奨します
スレート屋根の劣化が著しく進んでいた場合は、全面葺き替え工事やカバー工法などの屋根のメンテナンス方法が考えられます。屋根の塗装工事は、最低価格が30万円ですが最大で140万円程度の費用がかかります。 葺き替え工事は、既存スレート屋根材の廃棄費用がかかりますので、価格は70~140万円と高額です。
新しい屋根材になりますので、耐久年数は最も長くなります。次のメンテナンス時期も長くなり、長期的にみるとお得です。カバー工法は、重ね葺きとも呼ばれます。既存屋根材の廃棄費用が不要です。その代わり、建物の上に屋根が2つ重なるような状態ですので、新しい屋根材は軽い素材でなければ、耐震性が低下してしまいます。
古い建物ですと、耐震性に問題がありますので、金属屋根に葺き替える、あるいは、カバー工法で設置するといった工事方法が採用されます。
カバー工法の費用は、50~120万円です。葺き替え費用よりも少しだけ安くなります。
費用やお住まいの建て替え時期などを見極めながら、屋根の専門業者と共に塗装すべきが、葺き替えすべきかどうかを判断しましょう。
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AKIHIKO ICHIKAWA