定期的にやっておきたいコーキング(シーリング)補修作業
外壁やお風呂などでもよく見かけるコーキング(シーリング)は、サイディングボードなどの住宅の外壁材にも使われているため、経年劣化すれば早めに補修作業が必要となります。
経年劣化すると、雨水が浸入して建物内に湿気が溜まりやすくなって、木材を腐食させたりしますので注意が必要です。
そこで、コーキング(シーリング)補修の基本的な作業内容の概要だけでも知っておくと、定期的に補修が必要なことを思い出すため、点検や大規模修繕時には必ずコーキング(シーリング)補修を検討するようになり、忘れずに補修するようになるでしょう。
今回は、初心者にもわかるように、より簡単な内容にして解説しています。
コーキングやシーリングの言葉や意味の違い
コーキングやシーリングとは、外壁でいえば、外壁材の間にあるゴム状のパッキンのことで、両方とも同じような意味で使われています。
お風呂の浴槽と壁の間にもコーキングやシーリングが使われています。
ゴム状のパッキンのことをコーキングやシーリングと呼んでいますが、この2つの言葉にはそれほど大きな違いはないので、建築の関係者と話す場合はどちらか好きなほうを選んで使っても問題ありません。
それよりも、呼び方はあまり気にする必要はありませんので、その役割のほうを正確に知っていたほうが何かと役立つでしょう。
コーキングの基本的な役割としては、外壁同士がぶつかり合う際の衝撃を吸収する働きがあるという点です。
また、外壁の隙間をしっかりと埋めており、多少の振動でも隙間ができないため、水が浸入しにくくなっており、防水性を高めています。
コーキング補修の方法
コーキング補修を検討する場合は、2種類ある補修方法について押さえておきましょう。その2つとは、「打ち替え」と「増し打ち」という呼び方で分けられています。
コーキングの打ち替え工事といえば、古くなった既存のコーキング材を全て除去した後に新しいコーキング材を充填する補修方法で、コーキング材を全て交換するような作業内容です。
古いコーキング材の撤去、養生や下塗り材の塗布、施工後にへらでならす作業などが行われています。
コーキング材の増し打ち工事といえば、既存のコーキング材の上から、そのまま新しいコーキング材を補充していくような補修方法です。
しかし、古いコーキング材は下部に残されたままになっていますので、経年劣化が進んで交換が必要なコーキング材には不適切な施工方法になってしまうでしょう。
そのような理由から、コーキング材の増し打ち工事は、コーキング材があまり劣化していない場合にのみ行われます。
既存のコーキング材の除去作業が必要ないため、工期も短くなり、補修費用の総額も安くなるというメリットがあります。
コーキング材の寿命は短いものなら5年程度しかないので、早めの交換がいい、ということは頭の中に入れておきましょう。
コーキング補修はいつ行う?補修のタイミングが重要
コーキング補修はいつ行うべきなのでしょうか?
住宅の資材や消耗材についてよく知らない方なら、今まで一度もコーキング補修について考えたことがない、というケースもしばしば見かけます。
そのタイミングを知るには、まずは古くなったコーキング材をよく観察することです。素人でもコーキング材の肉痩せや微細なひび割れなどの劣化状態はすぐに発見できるからです。
外壁のコーキング材は、柔らかい素材ですが、紫外線に弱く、太陽光に毎日さらされると少しずつ硬化していき、必ず経年劣化していきます。
劣化スピードも想像以上に早く、耐久性の低いコーキング材を使っていた場合は、5年以内にメンテナンスを考える必要があります。
劣化が進んでコーキング材の弾力性がなくなると、表面に細かなひび割れが発生して目立つようになっていきます。
小さなひび割れなら見逃すことがありますが、ひび割れが大きくなっていくと「破断」状態になり、コーキング材の大きな裂け目が目立つようになっています。
こうした現象が複数箇所に見られるようになったら、コーキングを補修するタイミングが来ています。できるだけ早く対処する必要があるでしょう。
他にも、経年劣化によってコーキング材の厚みがなくなってしまう「肉痩せ」状態が見つかったら補修するタイミングになっています。
これまで、外壁材やコーキング材に関しては、10年間以上放置していて、点検や補修をしたことがない場合は、外壁専門業者に外壁点検を依頼し、必要な補修を行う必要があるでしょう。
コーキング材表面のひび割れ、剥離などの経年劣化現象が増えてきているようなら、コーキング補修を含めた外壁全体のメンテナンス工事を早めに検討してください。
メンテナンスは外壁やコーキング材にこだわらずに、補修箇所が複数あれば同時に修理を行ってください。
外壁塗装工事なども同時に実施すれば、共通費用や人件費などを節約でき、値下げ交渉などで総工事費用を抑えやすくなるからです。
AKIHIKO ICHIKAWA