屋根や外壁に使う塗料のうち、機能性の高い塗料の中でよく使われているのは、断熱塗料や遮熱塗料です。言葉はよく似ていますが、その性質は全く異なります。簡単に比較し、どのような優れた特長があって、どんなときに使えばいいのかをお伝えします。
断熱塗料と遮熱塗料の性質
断熱塗料は、熱伝導を抑える働きがあります。熱伝導とは、物体の中で高温から低温へと熱が伝わっていく現象のことです。表面に熱が当たると次第に内部に熱が伝わっていくようなイメージです。
断熱塗料はこの熱伝導を抑える働きを持つ塗料です。 断熱塗料を使うと、太陽熱が屋内に伝わりにくく、室温の上昇を抑えます。冬場なら室内の熱を外に逃がすことがありません。夏も冬も快適に暮らせます。耐用年数は、15~20年程度になっています。塗料のグレードの中でも最も高く値段も高額です。
遮熱塗料は、熱を反射する働きを持つ塗料です。夏場の室内は体感温度でもかなり涼しく感じられます。遮熱塗料の耐用年数は10~20年と断熱塗料よりも短くなっています。遮熱塗料は、断熱塗料よりも塗り替え時期が早まりますが、価格は断熱塗料よりも安くなっています。
断熱塗料と遮熱塗料の大きな違い
断熱塗料は高価格です。それに比較して遮熱塗料は、通常のシリコン塗料よりも少し高い程度で施工できるという点で価格は遮熱塗料のほうが安くなっています。
通常の塗料は太陽光の熱がそのまま屋内に伝わります。遮熱塗料は太陽光の熱を反射させ、断熱塗料は太陽光の熱を遮断し、室内の温度上昇を抑えてくれます。断熱塗料は同時に室内の熱を外に逃さない機能も併せ持っています。 一年中快適に暮らしたいのであれば、断熱塗料がおすすめです。
夏場の暑さ対策に限定するなら遮熱塗料でも構いません。耐用年数は断熱塗料のほうが比較的長いようですが、5~10年程度の違いにしかなりません。
予算に余裕があるなら断熱塗料がいい
グレードが高くて価格も高いのは、断熱塗料です。予算に余裕があるなら、遮熱塗料よりも断熱塗料を選んだほうがいいでしょう。断熱塗料を使えば、一年を通じて空調の節電効果が高まります。そのため、日中お住まいにいる時間帯の長い方は、光熱費の大幅な節約が可能です。
そして、定期的に塗り替えを行うことで、屋根や外壁の塗装面の寿命も延びます。塗り替えのメンテナンス費用はかかりますが、結果的に光熱費を含めたトータルコストでみた場合に、かかるコストを大幅に抑えることができるはずです。
AKIHIKO ICHIKAWA