プロでも難しくデザイン力にも差が出る「吹き付け塗装」
外壁塗装の工法にはローラー塗装や吹き付け塗装などがありますが、サイディング外壁材にはローラー塗装がよいと言われています。
しかし、モルタル外壁への塗装は、吹き付け塗装が選ばれています。
吹き付け塗装で意匠性の高いデザインを希望する場合は、職人の高い技術力が必要となります。
デザインを重視するとスプレーガンによる塗装作業であっても、高い技術力が必要となり、吹き付け塗装でも難易度が上がります。
ここでは、デザインを重視した吹き付け塗装を検討する際の注意点について簡単にまとめました。
一般的な吹き付け塗装の方法
吹き付け塗装では、デザインや外壁材に対応した専用のスプレーガンを使って塗装作業を行っています。
塗装専用のスプレーガンを使うと、コンプレッサーで圧縮した空気を使って霧状になった塗料を吹き付けることができ、短時間で塗装作業ができ、技術力が高ければいろいろな色を用いてデザインや模様を描くことができます。
スプレーガンは、外壁塗装専用の道具ですので、取り扱いを得意とする職人が多いのも事実です。
しかし、使う人によってスキルに差が出てしまうので、何種類もある塗装方法に使い分ける必要があり、対応できないなら、塗装面に色ムラが生じ、均一な塗膜が作れないこともあります。
吹き付け塗装では、吸い上げ方式、重力式、圧送方式などのさまざまな塗装方式があります。
特殊な塗料を使う場合には、その効果が最大限に発揮できるように、片角ガン、長首ガン、乱糸ガンなどの専用ガンを器用に使い分けて作業を行っています。
組み合わせは自由自在ですが、経験が少ないと、塗装面や使用箇所により使用できる方式や専用ガンをうまく使えないこともあります。
道具をうまく使える腕のある塗装職人なら、必ずといっていいほど繊細なデザインや美しい模様を描くことができ、外壁塗装でも見事な外観に仕上げることが可能です。
吹き付け塗装はここが難しい
吹き付け塗装を行うメリットといえば、スプレーガンを使うので霧状の塗料を広範囲に吹き付けることができる点で、ローラー塗装と比較すると圧倒的に仕上がりが早くなります。
広い面積に塗装作業を行うことが多い屋根面や外壁面への塗装は、時間短縮の吹き付け塗装のメリットを最大限に活かすことができます。
また、作業の効率化や時短だけが主なメリットなのではなく、他にも吹き付け塗装の上手な職人がスプレーガンを使うと、吹き付けの圧力を微妙に加減すれば、多種多様な模様を描くことができる点も見逃せないでしょう。
特定の職人が持つ技術力やデザイン力があれば、よりオリジナリティがあって、ダイナミックな模様の塗装面に仕上がっていきます。
しかし、大量に塗料を使用することから塗料の無駄な消費や周囲に飛散しやすく養生は特に念入りに行う必要がある、といったデメリットもあります。
油性塗料であれば強い臭いがしますし、スプレーガン特有の機械の大きな騒音などは、作業を行う前から事前対策をしっかりと行うことが大切です。
平日が多いとはいえ、日中の塗装工事になりますので、ご近所の方には確実にご迷惑をおかけすることになるからです。
シチュエーションにより塗装方式を使い分ける塗装業者がよい
外壁塗装では、ローラー塗装や吹き付け塗装などの他、多種多様な塗装方法があり、ここで全ての塗装方式をご紹介しているわけではありません。
全ての塗装面を同じ塗装方法で塗るということはありえませんが、塗装面以外にも建物の形状や近隣の環境なども総合的に考慮することが重要です。
塗装箇所によって選択できる塗装方法もいろいろあることから、塗装方式を器用に使い分ける塗装業者がおすすめです。
細かな部分の塗装には、繊細な色付けができる刷毛を使う場合もありますし、塗装部位ごとに適切な道具を使って丁寧に塗装作業を進めています。
また、モルタル外壁に対しては、基本的には吹き付け塗装を行っており、基本的な塗装方式を外すことはありません。
微妙な濃淡、凹凸、模様など、吹き付け塗装にしか出せない味わい深さや偶然性も楽しめますし、完成後の塗装の仕上がり具合を見た時に感動される方もいらっしゃいます。
お客様のご要望や心配ごとなどにも配慮しており、住宅密集地では大きな音の出ないローラー塗装が選ばれていますし、短時間で作業を行う必要のあるビルやマンションの外壁塗装では、吹き付け塗装が選ばれることが多いでしょう。
AKIHIKO ICHIKAWA