外壁材の種類は下記のように様々なものがあります。
・窯業系サイディング
・モルタル
・金属サイディング
・ALC
・タイル張り
・木製サイディング
・土塗り
・羽目板
最近の新築住宅では、窯業系サイディングの割合が約8割と圧倒的なシェアを占めています。その他、1980年代もまで主流だったモルタル壁や旭化成のへーベルハウスが採用しているALCなども一定のシェアがあります。この3種類の外壁材のシェアの合計は9割を超え、ご近所を見渡して10件中9件は、3種類のどれかになります。
今回は、窯業系サイディング、モルタル、ALCについて、ご紹介していきます。
窯業系サイディング
窯業系サイディングの主な原料は、セメント質と繊維質です。釜に入れた原料を圧力をかけながら高温で成形します。型をつけて成形することでタイル調や石目調など豊富なデザインを作ることができます。成形したときは、色が付いていないため、工場や現場で塗装を行います。
窯業系サイディングの特徴は、デザインが豊富であること、耐震性、防火性に優れていることが挙げられます。
反面、セメント系素材のため吸水しやすいという欠点があります。劣化したシーリングの隙間から水が入ると、防水処理が施されていない側面や裏側から吸水し、サイディングの変形や反りを発生させます。
塗り替えのサイン
シーリングのひび割れ、チョーキング、色あせ、藻やコケ、ボードの反り
ALC
ALCは、軽量気泡コンクリートのことです。珪石、セメント、生石灰が主な原料です。「重い」、「断熱性能が見込めない」というコンクリートの欠点が改善された外壁材です。重さは、コンクリートの4分の1まで軽量化され、熱伝導率はコンクリートの10分の1と断熱性も優れています。
ALCも水に弱いという欠点があります。目地シーリングの劣化や塗膜の剥がれによって素材が露出してしまうと吸水し、劣化が進行してしまいます。早めに外壁の再塗装する必要があります。
塗り替えのサイン
チョーキング、色あせ、シーリングの劣化、剥がれ、藻やコケ
モルタル
モルタル壁は、砂と水、セメントを混ぜて練り上げたモルタルを、左官コテで塗りつけた外壁材です。窯業系サイディングが増え始めた1990年以前までは、モルタル壁が主流でした。塗り方によっていろいろな表情を作ることができます。シックで落ち着いた重厚感などで個性と雰囲気が醸し出されます。
欠点は、ひび割れや剥離が起きやすく、雨漏れによる構造躯体の腐朽が懸念されています。
塗り替えのサイン
ひび割れ、色あせ、藻やコケ、チョーキング、剥離
すべての外壁材はメンテナンスが必要です。
一見、メンテナンスがいらなそうなタイル壁でも目地処理や美観維持のために、修理、リフォームが必ず必要になります。1年に1度は点検し、異常を見つけたら早めに外壁塗装やリフォームをおこなうことが重要です。
AKIHIKO ICHIKAWA