現在、新築の外壁材は窯業系サイディングが主流になっています。1990年頃から住宅の洋風・高級志向がブームとなり、レンガやタイル柄など高級感のある質感が人気を呼んで大衆化されていきました。1990年以前では、セメントと砂と水を練り混ぜて作るモルタル壁が主流でした。モルタル壁は質感がよく味わい深い仕上がりを表現できます。
今回は、モルタルの外壁塗装でよくあるご質問と回答をご紹介していきます。
モルタルの外壁は何年おきに外壁塗装が必要ですか?
回答
新築から10年くらいで1度、塗装を検討された方がいいと思います。新築時の外壁塗装で使用する塗料は、費用を抑えるために高耐久塗料を採用しない業者が多いです。一般的な塗料の耐久性が10年程度ですので、その頃には外壁の塗り替えが必要になると思います。
10年目の外壁塗装で使用した塗料のグレードや、お住いの状態によって2回目以降の外壁塗装の時期が決まってきます。
外壁のひび割れが少ないようなら、耐久性のより塗料を使用してそれ以降の塗り替え時期を15年以上先延ばしにすることもできます。
塗り替え時期は築年数だけではなく、下記のような症状でも判断できます。
・チョーキング(触ると手に白っぽい粉がつく)
・ひび割れ
・コケ・藻の発生
・塗膜のふくれ・はがれ
これらの症状が出始めたら塗り替えの時期です。早めに専門家に見てもらい必要があれば外壁塗装をおこないましょう。
モルタル外壁に適した塗料は?
業者さんによっておススメ塗料が異なり悩んでおります。提案されている塗料は「ウレタン塗料」や「シリコン塗料」です。モルタル壁に適した塗料とかあるのでしょうか?
回答
モルタルはひび割れしやすいので、ひび割れに追従できる弾性塗料が一般的に使用されています。下塗りには軽微なひび割れの補修ができる微弾性フィラーがおススメです。
上塗りは微弾性塗料であれば、水性塗料でも弱溶剤塗料でもどちらでも可能です。施工中の臭いを気にされるようなら水性塗料を選択してください。あとは予算と塗料の耐久性を考慮して選択してください。参考までに塗料の耐久性と1?あたりの単価をお知らせします。
ウレタン塗料 耐久性7年 1,700円/m2
シリコン塗料 耐久性10年 2,000円/m2
ラジカル塗料 耐久性15年 2,400円/m2
フッ素塗料 耐久性15年 2,600円/m2
無機塗料 耐久性20年 3,000円/m2
モルタル壁の模様は変わってしまいますか?
回答
通常の外壁塗装では既存の模様はそのまま活かした仕上がりになります。一定の塗膜の厚みがコーティングされるので、尖ったリシン仕上げなどの場合は多少丸みを帯びてしまいますが、気になる程ではないと思います。その方が汚れが流れ付着しにくくなります。
まとめ
モルタルの外壁は意匠性に優れている一方で、防水性が低く、ひび割れしやすいという欠点もあります。1年に1度はご自身で点検を行い、ひび割れなどの異常を見つけたら早めに専門家に見てもらいましょう。
AKIHIKO ICHIKAWA