大切な塗装前の下地処理といえばもちろん「クラックの補修」!
塗装前の下地処理はとても重要ですが、その内容といえば、高圧洗浄や養生などの他にも「クラック補修」というものがあります。
古くなった住宅ほど傷みがひどくなっていることが多いので、クラック補修を行って、丁寧に補修しなければなりません。
ちなみに、クラックとは、外壁のヒビ割れや損傷した部分のことです。
塗装や補修、メンテナンスをしないで、クラックを放置しているとひび割れがひどくなっていきます。
塗装前時にこのようなヒビ割れが残っていると、塗装してもヒビ割れが消えずに塗膜が剥がれてしまったり、劣化の進行が早くなったり、水の浸入口になったりすることも多く、雨漏りの直接的な原因にもなってしまうことから、必ず補修が必要とされています。
モルタルやコンクリートの外壁材はヒビ割れが発生しやすいというデメリットがあります。また、時間の経過と共にクラックが発生することが避けられません。
そのため、どのような素材や塗装面であっても、塗装前にしっかりとしたクラック補修を行って、塗装後に起こりうるトラブルや不具合をできる限り少なくする努力をしています。
主なクラック補修の方法
クラックは、その深さや傷の状態によって分類されており、修繕方法も異なっています。
クラックの状態に応じた適切な補修方法を行う必要があり、補修の出来具合が塗装品質を向上させるポイントになっています。
「ヘアークラック」と呼ばれている細くて小さなヒビ割れは、0.2~0.3mm以下の傷が浅くて細いクラックのことです。
遠くから見るとまるで髪の毛のようにみえるようなクラックです。
ヘアークラックは、経年劣化により発生しやすいクラックですが、すぐに補修する必要がない場合が多く、その代わりにクラックの経過を見守る必要があります。
ヘアークラックを補修する場合は、弾性フィラーなどの弾力がある下塗材をクラックの中に刷り込んでおり、下地補修の際に何か特別な処理を施すことがあまり必要ありません。
一方、0.3mm以上の傷が深くて大きなクラックといえば、「構造クラック」となり、早期に補修が必要な注意すべきヒビ割れとして分類することができます。
構造クラックをそのまま放置すると、次第に傷や溝が深くなっていくことが多いので、すでに建物の強度が下がった状態になっていることが多くなっています。
構造クラックを補修する場合は、シーリングを奥にまで充填させて密着させる必要があるために、V字(U字)カットを行っています。
その後、プライマーで下塗りした後にシーリング材を隙間なく充填していきます。
最後は、モルタルなどで仕上げの補修を行います。
大きなクラックである「構造クラック」が起こっている場合は、塗装品質だけではなく、建物の強度などにも大きな影響を及ぼしますので、安易なDIY補修は避け、専門家に点検を依頼したうえで適切な補修を実施した安全です。
AKIHIKO ICHIKAWA