外壁塗装工事は、現地調査や打ち合わせ、見積書の作成などを通じて「契約書(工事請負契約書)」にサインして塗装工事契約を結び、その後工事が実施されます。契約書を結ぶ前に注意すべき点がたくさんありますが、今回は5つに絞って紹介していきます。
工事内容や完了時期
工事内容は、屋根塗装工事や外壁塗装工事がメインです。部分補修やリフォーム工事なども同時に行われることがありますが、メインとなる工事を主体として「工事請負契約書」が作成されます。
工事内容や工事代金、工事の開始時期・完了時期なども契約書には記載されます。しかし、細かい内容に関しては、別途「請負契約約款」や「請負代金内訳書」などに記載されることになり、工事請負契約書を補完する役割があります。
支払い方法や時期
一般的に塗装工事代金は高額です。一回で支払いが済む場合もありますが、全額前払い、完成後全額支払い、半額前払い・完成後支払いなどのいろいろな支払い方法があります。ローンを組む場合は、金融機関の審査や手続きも増えます。
工事の中止、価格が大幅に変更される場合、損害が出た場合などについても記載されていることがありますので、気になる箇所があれば、専門家にも確認してください。
第三者が損害を受けた場合の賠償
塗装工事は大掛かりな工事です。足場を組んで安全には十分な配慮を行って作業を実施していますが、工事の職人だけではなく、ご近所の方などの第三者に損害を与えた場合は、どのような処理が行われ、費用負担は誰が行うのかを確認しておきましょう。
工事業者側で加入している損害賠償責任保険での支払いで対応する場合は、どのようなケースで賠償金が出るのかを確認しておいてください。
工事完了後の保証内容や保証書
工事完了後も、塗装工事なら短期間で塗膜が剥がれるケースもあり、保証の範囲内で無償修理を受けられるケースもあります。
しかし、保証期間や保証内容などについては、保証書に記載されていても細かい事例を見ると、対象外となっていることも多いので後になって慌てないようにしてください。
保証書が発行されない場合でも、業者の過失であった場合は、工事後1年以内であれば塗装業者が修繕しなければならない、ということが民法で定められています。
クーリングオフ制度
訪問販売で契約した塗装工事請負契約では、クーリングオフに関する説明書きが必要です。8日以内であれば無条件で請負契約を破棄できますが、契約時に事実に反することを言われた時は、期限に関係なく、いつでも契約を破棄できます。
クーリングオフの制度が使えないといった説明があったとしても、一方的に契約の破棄が可能です。内容証明郵便を送れば契約の破棄ができます。すでに支払った代金も返してもらうことができますが、お金がなければ、そう簡単に返してもらえない可能性もあります。
クーリングオフ制度の利用に関しては、利用前に専門家や消費者センターに必ず相談するようにしましょう。
AKIHIKO ICHIKAWA