色が与える心理的影響を理解すると、屋根や外壁の塗装色選びにも活用できます。今回は、寒色系と暖色系の色の心理的な影響についてみていきましょう。
寒色系と暖色系
寒色系の色とは、寒い、冷たい、といったイメージを与える色のことです。例えば、青や青緑、青紫などが寒色系の色に分類できます。一方の暖色系は、暖かさを感じさせる色のことです。こちらは、赤の他、橙や黄色などの対照的な色が思い浮かびます。
そして、寒色系と暖色系のどちらにも分類できない色もあります。こうした色のことを中性色といって、緑、黄緑、紫などが中性色に該当します。
外壁塗装でも、寒色系と暖色系の色をうまく使うと、屋根や外壁の塗装色を思い通りのイメージで見せることができるでしょう。寒色系と暖色系の色は、体感温度では、色を変えるだけで2~3℃以上も変わってしまいます。
色は視覚で感じるものですが、皮膚などの体の感覚器官にも同じように伝わっており、個人差はありますが、いろいろな色を使うことで、体で感じる冷たさや暖かさをコントロールすることができます。
同系色の色を使用した場合でも、明るさに差をつけると、統一性と落ち着きが生まれ、見た目の違和感が解消されます。
屋根や外壁の塗装色は、ご近所の方なら毎日見かける色です。派手過ぎる色や正反対の色を同じ場所で使用すると目立ちすぎる場合がありますので注意が必要でしょう。
穏やかな色を使用しながら、各所にアクセントカラーとして暖色系の目立つ色を使用したり、ツートンカラーでは、陽気な色と落ち着いた色を上手く配色すると、いつ見ても楽しめる建物の外観に仕上がるでしょう。
寒色系が色に与える影響
寒色系の色は、副交感神経に作用して、落ち着いたリラックスしたイメージを与えることができます。青は、落ち着きや誠実さ、信頼感を与える色です。また、爽快感を与える色としても知られています。
青緑は、青みのある緑が調和や安定感をもたらし、癒しの色、健康的で優しい色です。緑が入ると、冷たい感じを和らげる効果があります。青紫は、落ち着いた上品さと優雅さ、高貴なイメージを与えます。
暖色系が与える影響
暖色系の色は、交感神経に作用します。元気で楽しいイメージを演出したいときには、暖色系の色を使うといいでしょう。
赤は、情熱や活力のある色で、気分を高めたり、元気づけてくれます。橙は、陽気で明るく、暖かい感じがします。黄色は、元気で楽しく、希望のある色です。無邪気なイメージを与えてくれます。
AKIHIKO ICHIKAWA