断熱塗料が気になっていると、比較する対象として必ず出てくるのが、遮熱塗料です。断熱と遮熱はよく似ていますが、それぞれの熱に対する働きが全く異なります。今回は、間違いやすい断熱塗料と遮熱塗料の2つの違いや選び方などについて解説していきましょう。
断熱塗料と遮熱塗料はどう違う?
断熱とは、熱が伝わりにくい、ということで、遮熱は、熱を反射して遮断する働きをもっている、ということです。遮熱塗料は、夏場の太陽の直射日光の熱を遮る働きがありますが、冬場になると遮熱効果が期待できません。断熱塗料は、熱を伝わりにくくする塗料ですので、屋内と屋外の熱が伝わりにくく、夏場や冬場であっても断熱効果が期待できます。冬場の断熱では、冷気も室内の温度も移動することなくしっかりと遮断でき、伝わりにくくなりますので、一年中室内で快適に過ごすことができます。
断熱塗料と遮熱塗料の比較
断熱塗料と遮熱塗料は、その働きや効果が異なります。また、耐用年数や費用などにも違いが生じますので、比較しながら簡単に解説してみましょう。
・断熱効果と遮熱効果
断熱塗料は、熱や冷気の両方の行き来を遮断できるので、室内の温度を一定に保ちます。遮熱塗料は、屋根や外壁の表面で熱を反射して、室内に伝わるのを防ぎながら表面の温度を下げる働きがあります。
・耐用年数
断熱塗料は、15~20年です。
遮熱塗料は、10~20年です。
・(外壁塗装)1平米あたりの施工費用
断熱塗料は、2400~3800円です。
遮熱塗料は、2300~2800円です。
断熱塗料のほうが耐久年数が長いので、グレードが高く施工費用もアップします。
遮熱塗料や断熱塗料は、外壁だけではなく屋根にも塗装でき、屋根のほうが単価が高くなります。屋根と外壁の両方に塗装すると、遮熱・断熱効果が一層高まります。
断熱塗料と遮熱塗料の選び方のポイント
冬場の寒さが厳しい場合は、断熱塗料がおすすめです。一年中快適な室内の中で住んでみたい場合は、寒さにも対応した断熱塗料を選んだほうがいいでしょう。夏場の暑さ対策を優先し、コスト面から費用をかけられない場合は、遮熱塗料でもいいでしょう。
熱が伝わりやすい金属屋根、室温が上昇しやすい吹き抜けのあるお住まいなどでも遮熱塗料が効果的です。遮熱塗料は、選択できる色が限られており、表面が汚れたら遮熱効果が下がってしまうので注意が必要でしょう。一方の断熱塗料は、濃い色や艶のある仕上げができず、施工できる職人が限られているというデメリットがあります。
AKIHIKO ICHIKAWA