外壁塗装でよく比較される塗料のグレードといえば、ウレタン系とシリコン系の二種類の塗料です。グレードが違うだけではなく、価格や性能、特徴などが少し異なります。一般的には、シリコン系塗料のほうがグレードが上だとされていますが、使用用途によってはウレタン系塗料のほうがいい場合がありますので、ご紹介しておきましょう。
ウレタン塗料とシリコン塗料の主な特徴
・ウレタン塗料
ウレタン塗料は、高級感のある仕上りが期待でき、光沢のある塗膜や厚みのある塗膜に仕上げたいときに使用するものです。付着しやすく、塗った後も高い耐候性があるため、ウレタン塗料であっても、グレードの高いシリコン系塗料よりも見栄えがよく見えます。
ウレタン塗料は、屋外よりも屋内でよく使用されており、高級家具の仕上げ塗りやフローリングの仕上げ塗りでは、最もよく使用されている塗料です。
紫外線にさらされると、黄色く変色してしまうデメリットがあります。
・シリコン塗料
一般住宅の塗り替えで最もよく使用されているのがシリコン系塗料です。シーリング材や戸建て住宅の塗り替えでは、すでにメジャーな種類の塗料です。ウレタン塗料よりも耐熱性が高く、耐候性も兼ね備え、汚れにくいというメリットがあります。防カビ効果が高いので、外壁などの屋外環境での使用に適しています。
柔軟性は、ウレタン塗料のほうがよく、シリコン塗料は、時間の経過と共にひび割れしやすいというデメリットがあります。ウレタン塗料よりも付着性がよくないので、使用時は下地処理をしっかりと行い、下地材との相性をよく考えて塗料を選択すべきでしょう。価格面では、ウレタン系塗料よりもシリコン系塗料のほうが高くなっています。
ウレタン塗料とシリコン塗料の決定的な違い
・価格の違い
グレードが低いウレタン塗料は、シリコン塗料よりも低価格です。ウレタン塗料の単価が1平米あたり1700~2200円、シリコン塗料の単価が1平米あたり2300~3000円です。価格帯が被るところがありますので、ウレタン系塗料とシリコン系塗料の価格差はあまりないといってもいいでしょう。
・耐久年数の違い
単価は、シリコン塗料のほうが高い設定です。そして、注目すべき点は、耐用年数の違いです。ウレタン塗料が8~10年、シリコン塗料が10~15年です。シリコン塗料のほうが値段の割に耐久年数が長いので、長期間使えるためコストパフォーマンスに優れています。費用に差があまりないということであれば、シリコン塗料を選んだほうが、外壁塗装が長持ちすると考えていただいていいでしょう。
使用用途に注意する!
ウレタン系塗料とシリコン系塗料を比較検討する時は、値段や耐久年数を比較する前に、使用用途から考えたほうが選択しやすくなります。シリコン系塗料は、耐久性が高く、汚れにくいという特徴から、外壁塗装ではメジャーです。
紫外線がよく当たる箇所ほど、耐久性の高いハイグレードのシリコン塗料を選んでください。逆にウレタン塗料は、屋内で使用し、家具などの木部に塗装するなど、高級感のある光沢を求める方におすすめです。
AKIHIKO ICHIKAWA