雨漏り修理に屋根や外壁の塗装を提案する業者がいます。しかし、塗装工事で雨漏りの予防はできますが、塗装が雨漏り修理になるわけではありません。塗装と雨漏り修理は必ずわけて考えるようにしましょう。
雨漏り対策に塗装が実施されるケース
実際には雨漏り対策や雨漏り修理でも塗装が実施されています。こちらも塗装業者の判断により行われるもので、全ての塗装工事が雨漏り対策に有効となるわけではありません。経年劣化以外で考えられる雨漏りの原因としては、技術力が不足している職人による施工時のミスが多いようです。
モルタル外壁などは、意匠性の高い美しい外壁が仕上がりますが、職人の技術力の違いにより仕上がり具合が異なります。外壁材のひび割れは、溝が深くなるほど雨漏りになりやすく、塗膜のひび割れで済んでいる場合は、早めに再塗装すればそれ以上の雨漏り被害を防ぐことができます。
しかし、クラックの溝が深く、雨水の浸入で外壁材内部が腐食していた場合は、木材や防水シートなどを交換した後に再塗装する必要があります。
コンクリートは塗り替えが有効
近年では、木造住宅以外にもコンクリート造りの建物が増えています。コンクリート内部には、鉄骨や鉄筋が入っており、耐震性を向上させていますが、防水対策として防水性の高い塗料で塗装し、雨漏りを予防します。しかし、雨漏り被害がひどくなる前に防水塗装を行う必要があり、塗り替えのタイミングを逃さないように注意しましょう。
塗装ではなく各種修理が実施される場合
塗装する箇所は屋根や外壁の一番外側に出ている表面のみです。外壁材の内側にある断熱材や木材などは、経年劣化により傷んでいたり、腐食していたりします。こうした場合は、塗装ではなく、各種箇所に応じた適切な修理が行われます。
また、複数箇所での雨漏り被害が発生している場合は、塗装で直るケースは少なく、窓枠やベランダなどの他の雨水の浸入経路を疑い、原因を特定したうえで適切な補修を行う必要があるでしょう。
さらに、塗り替え時の施工不良にも注意しなければなりません。スレート屋根の場合、塗装時の縁切り作業ができていないと、隙間に塗料がくっつき、雨水の排水機能が正常に機能しなくなります。こうしたトラブルが雨漏りの原因につながることが多く、再塗装が失敗に終わることがありますので注意しておきましょう。
雨漏りの原因を特定する調査
雨漏りの原因がわからない場合は、必ずその原因を特定する調査を行いましょう。これは、目視調査ではなく、専門家による有料の調査です。具体的には、散水調査、サーモグラフィー調査などです。専用の機材を使用し、専門家によるチェックが行われます。少しの手間と料金がかかりますが、一回の補修で雨漏り被害がストップし、おすすめできます。
AKIHIKO ICHIKAWA