外壁の通気工法がおすすめ!直貼り工法なら要リフォームの可能性大!
今お住まいの建物の外壁でサイディングボードを使用している場合、古い建物によっては通気工法ではなく、直貼り工法で施工されたものが多くなっています。
まず、外壁の通気工法と直貼り工法との違いを知りましょう。直貼り工法の場合は、将来、通気工法で施工しなおすか、塗装時のメンテナンス方法に注意すべきことがあります。
通気工法と直貼り工法
近年の戸建て住宅の外壁には、意匠性が高く、施工も容易なサイディングが選ばれることが多くなっています。しかし、その施工法についてよく理解している人は少なく、通気工法と直貼り工法とでは、将来の塗り替え時や日常生活などで問題が生じる確率が全く異なります。
特に古い建物の外壁には、直貼り工法が採用されていることが多いので、通気工法でサイディングを張り替えるか、塗装メンテナンスでも注意すべき点があります。
直貼り工法は、サイディングの裏面と防水紙を密着させている施工法です。通気工法は、サイディングの裏面と防水紙との間に12ミリ~15ミリ以上の隙間があり、浸水や結露などの発生にも強く、常に乾燥した状態を保ち、炭酸ガスなどが溜まることはありません。
こうした理由から、通気工法で施工したサイディング外壁のほうが、トラブルが少なく長寿命になることが知られています。
古いサイディングの施工では直貼りが多かった
2000年頃までは、直貼り工法で施工されていた窯業系サイディングが多く、2000年以降は、品確法の標準工法が通気工法に変わっていますので、直貼りよりも通気工法が主流となっています。
コスト低減の問題から、今でも直貼り工法で建てられた戸建て住宅もありますので、中古住宅の購入時や外壁メンテナンス時には要確認事項となります。
そして、ここで問題となることは、お住まいの外壁が通気工法ではなく、直貼り工法で建てられていた住宅であった場合には、どのようなメンテナンスを行い、どんな点に注意すればよいのか、ということです。
直貼り工法であった場合のメンテナンス時の注意点
寒冷地などでは、直貼り工法の場合ですと、凍害の恐れが高くなります。結露や凍害により、塗装の塗膜が剥がれ、再塗装できずにサイディングの交換工事になってしまい、寿命が短くなってしまう可能性が高くなります。
サイディングの全面張り替えでは通気工法を採用して施工しますが、塗装工事よりも高額な費用がかかります。既存のサイディングの寿命も短くなってしまいますので、直貼り工法は、せっかくのよい素材を無駄にしてしまう恐れがあります。
外壁や下地材を確認して、著しい劣化症状が見られない場合は、再塗装メンテナンスを行います。その際、内部結露が予防できる透湿系の塗料を使用して、今後起こりうる結露や凍害の被害を最小限に抑える必要があるでしょう。
サイディングボードの塗装では、熱による膨れ症状が出ますので弾性塗料を使用しないようにしてください。
窯業系サイディングで施工された外壁にお住まいの場合は、定期的に専門家に診断を依頼してください。また、直貼り工法であるか、通気工法であるかといった点も重要な確認事項です。
知らない場合は、点検時に確認し、外壁や下地の状態などもその都度確認してもらい、どのような補修や対処法がよいかを相談してみるといいでしょう。
AKIHIKO ICHIKAWA