塗装で雨漏りを直す話は嘘が多い?
雨漏り修理でよくあるトラブルといえば、何度修理しても雨漏りが直らないケースです。フットワークの軽い何でも修理業者に点検や補修を依頼すると、雨漏りが直らずに失敗し、後悔することがあります。
これはよくある間違った修理方法です。例えば、「塗装だけで雨漏りを直す」方法は、嘘が多いことが多いので、すぐに補修をお願いするのではなく、じっくりと他社とも比較検討してから補修業者を決定するようにしましょう。
ここでは、塗装だけでは雨漏りが直らない理由と正しい対処法について解説しています。
雨漏りを塗装で直せる場合とは?
雨漏りを塗装で直すという表現は、少し言い過ぎかもしれません。塗装すれば、どんな雨漏りでも修理できるわけではないからです。
もっともらしい説明や解説をする訪問業者も存在しますので、極端な話をされてもすぐに信じないようにしてください。
雨漏り補修は単純な補修工事ではなく、雨漏りの原因や補修箇所が複雑に絡み合っていて、さまざまな解決策が考えられますが、必ず今困っている雨漏りをストップできることがポイントです。
塗装で雨漏りが直るケースとは、施工時のミスや技術力が不足していた不具合による雨漏りに限ります。
モルタル外壁などの職人の技術力が大きく影響する施工法では、塗装後にひび割れや色ムラなどが早期に発生することがあり、明らかに施工ミスです。塗膜にひび割れが発生していても、外壁材や防水シートにまで直接影響が及ばず、比較的症状が軽い場合は、再塗装で雨漏りを直せることがあります。
しかし、軽微な塗膜のひび割れの場合は、よくある経年劣化症状であり、雨漏りとは直接関係ないことがありますので注意が必要です。
鉄筋コンクリート外壁の場合は、一次防水なら、外壁塗装の塗り替えで雨漏りがストップすることがあります。
こちらも防水層にまで浸水しておらず、軽微な雨漏り被害で留まっていることが塗装修理できる条件です。
塗装で直せないケースとは?
多くの雨漏り被害は、前項でご説明したような施工ミスや技術力不足による軽度の症状ではありません。
たいていは修理を依頼する段階になっていますので、雨漏り被害の症状が進行し、被害が拡大していることがほとんどです。
例えば、塗装の塗膜の下部や建物の内側部分にまで雨漏り被害が及んでいると、調査や補修が複雑になってしまいます。
こうした雨漏り被害は、建物の内側にまで被害が及んでいるので、塗装だけで補修することができません。
そのため、外壁の部分補修やコーキング補修では済まずに、本格的な張り替え工事が行われることになります。
雨漏りの発生箇所や発生原因は、外壁面以外の周辺箇所も考えられ、雨漏りの原因究明をより難しくしています。
例えば、横風で雨水が入り込みやすい窓サッシやベランダ部分からも雨漏りがよく発生しています。
目に見える部分の他にも、複数の箇所、複数の原因が重なって雨漏りが発生していると、塗装では直せなくなります。
このような場合は、専門家による有料・無料の雨漏り調査を行う必要があるでしょう。経験豊富な専門家でも目視調査だけでは原因が特定できないことがあります。
有料の調査では、散水調査、サーモグラフィー調査など、専用機材を使った詳細な調査により、専門家が雨漏りの原因を突き止め、適切な内容の補修工事を提案します。
雨漏り調査や雨漏り補修に強い業者でも、何度も修理が必要な場合は、雨漏りの原因が特定できていないとか複数箇所の雨漏り修理ができていないなどの原因が考えられます。
これは、一回で雨漏り修理を直すことは難しいという意味です。また、屋根部分の雨漏り被害では、スレート屋根の塗装時の縁切り作業に何らかの問題があることがあります。
正しく縁切りができていないと、雨水の排水ができなくなっていることがあります。屋根の塗装後にきちんと縁切りができていない場合は、雨漏りや結露の原因となります。
手抜きや施工不良が原因ですが、縁切り作業をやっていたとしても雨漏りなどのトラブルが起こることがあります。
結論は「塗装では雨漏り修理ができない!」
屋根や外壁の雨漏り補修では、修理の仕上げに塗装を行うことがありますが、修理した箇所を隠し見た目を元に戻して表面を保護するためです。
塗装しただけで雨漏りが直るケースはほとんどありません。屋根塗装でも同様で、塗装しても雨漏りが止まらないので逆効果です。
原因が特定できないのにすぐに修理を始める雨漏り修理業者や雨漏り修理なのに塗装しか考えていない業者には、仕事を依頼しないようにしましょう
AKIHIKO ICHIKAWA