モルタルってコンクリート?外壁で選ばれる理由とは?
建築材料でもよく見かける灰色の粘土のような物質は、「モルタル」と呼ばれています。外壁以外にも内装や外構工事にも使用されており、用途の広い資材です。コンクリートとは異なるモルタルですが、その特徴や外壁で選ばれる理由について解説します。
モルタルを使おう
モルタルに使用されている原材料は、セメント、砂、水です。これらを混ぜると、粘土のようになります。セメントや砂の色がつきますので、灰色のモルタルが多くなります。
水を混ぜると柔らかくなりますので、コテを使って外壁表面に塗っていきます。モルタルは、セメントが1、砂が2~3の割合で混合されています。モルタルは、他にはない独自のデザインやいろいろなデザインを楽しむことができ、外壁の表面仕上げ材として使用されています。
コンクリートとの違いとは?
モルタルは、原料がセメントであることから、コンクリートとよく似ています。セメントは、石灰石や粘土が原料となっています。コンクリートは、セメント1に対し、砂3、砂利6の割合で配合した資材です。
モルタルとの違いは、砂利を使っており、砂よりも砂利を使う割合が多いのが特徴です。コンクリートは、強度が必要な箇所で使用され、道路や玄関、土間、トンネルなどで使用されています。
鉄筋を入れて弱点となる張力を向上させて使っています。コンクリートで、砂と砂利をたくさん使用する理由は、砂利のほうが目が粗く、強度を高めることができるからです。
モルタル外壁の種類
モルタル外壁では、いろいろな種類の模様や仕上げが可能です。外壁材でよく見かける代表的なモルタルの種類についてご紹介します。
・吹き付けタイル
外壁にタイル材を吹き付けて陶磁器のようなデザインをつけたモルタルです。凹凸のパターンは自然で、ツルツルとした表面になります。ひび割れしにくく、耐久性の高いモルタル外壁です。
・リシン仕上げ
表面にツヤがなく、細かい砂が一面についたようなモルタル外壁です。ひび割れがしやすく、汚れもつきやすいので、低コストであってもあまり選ばれなくなりました。
・スタッコ仕上げ
スタッコ材と呼ばれる塗材を吹き付け、石材のようなデザインが特徴的です。高級で重厚感があります。リシン仕上げよりもデザインがより際立ちます。
スタッコ材は、合成樹脂エマルション系・セメント系の塗材のことです。表面の凹凸が大きいので汚れがつきやすく、吸い込みが多いのでたくさんの塗料が必要となります。
こんなところにも使われているモルタル
モルタルは外壁だけに使われているわけではありません。内装にも取り入れられており、多様なデザインが表現できるので、繊細なデザインを好まれる方によく依頼されています。
キッチンやフローリングのあるお部屋の壁、玄関土間、テーブルなどのインテリア、天井など、モルタルは低コストで建物のいろいろな箇所に使用されています。色合いなども自由に変えられますので、人気のある建築材料となっています。
AKIHIKO ICHIKAWA