外壁塗装の近隣トラブルと事前対策
外壁塗装工事は、大掛かりな工事です。戸建て住宅にお住まいの方なら、どんな方でも将来予定されている工事です。あらかじめ起こりやすい近隣トラブルと事前対策を知っておきましょう。
騒音トラブル
塗装工事で最も起こりやすいトラブルが、騒音問題です。塗装時だけではなく、足場を設置するときや解体するときも大きな音がします。足場の種類(クサビ足場)によっては、ハンマーを使いますので、ものすごく大きな音がして周囲に響きます。
足場の音が気になる、うるさいと感じる神経質な人が近隣に住んでいる場合は、スパナで絞めるタイプの「単管ブラケット足場」がおすすめです。ハンマーを叩く音のような騒音がしないからです。騒音問題は必ず起こりますので、ご近所への事前のご挨拶を忘れないようにしましょう。
塗料の汚れのトラブル
液体の塗料は、どんなに完璧な準備をしていたとしても、飛散する可能性があり、神経質になったほうがいいでしょう。騒音や臭いと異なり、塗料の飛散は、お隣の建物や車、植栽、エクステリアなどを台無しにしてしまいます。
塗料の汚れを防止するために、「飛散防止シート」があります。飛散防止シートがきちんと設置されていなかったり、隙間や穴があったりすると、塗料が飛び散りやすくなります。
高圧洗浄作業や吹き付けスプレーによる作業以外にも、ローラー塗りによる塗装がありますが、どんな塗装作業でも塗料の飛散の可能性がありますので、しっかりと飛散防止シートを設置してもらいましょう。
塗装後の不具合や色のイメージの違い
正しい塗装工程による塗装作業を行っていると、塗装後のトラブルも皆無です。しかし、見た目にはきれいに塗装されているのに、短期間で塗装が剥げたり、浮いたりします。また、金属製の外壁なら、錆びが発生していることがあります。
こうした塗装トラブルは、下地調整(ケレン)などの地味で面倒な作業を疎かにしていることが原因です。古い塗装や金属の錆びをしっかり落としていないと、塗料が素地に密着せずに浮いてしまい、数か月で塗膜が剥がれやすくなってしまいます。こうしたトラブルは、塗装業者選びを慎重に行う必要があるでしょう。
また、色のイメージの違いは、塗装後であれば追加料金を払っての塗り直しになってしまいます。事前に打ち合わせをしっかりと行い、色見本帳は大きなサイズで確認し、現地や太陽光の元でさまざまな自然環境を考慮して確認し、選ぶ必要があります。
正しい色を選んでいても、面積効果や光源の違いにより、見え方は全く異なります。ご自身が満足しないのであれば、サンプル塗装の段階で色を変えるなどの素早い対応が必要です。どうしていいかわからない外壁塗装トラブルは、独立行政法人国民生活センターに相談しましょう。
AKIHIKO ICHIKAWA