ALC外壁にはどんなメリットあり?メンテナンスの必要性は?
さまざまな耐久性の高い外壁材が登場していますが、ALC外壁も優れた機能を持つ外壁材の一つです。今回は、ALC外壁の特徴やメリット、どのようなメンテナンスが必要なのかについて解説します。
何が優れている?ALC外壁
ALC外壁のALCは、Autoclaved Lightweight aerated Concreteの略です。主成分は、珪石、セメント、生石灰です。内部には気泡があるのがALCの特徴で、気泡のおかげで軽量のコンクリート外壁材になっています。
ALCは、主に外壁材として使われていますが、屋根や床、間仕切りなどの住宅のあらゆるところに使用可能な建材です。強度や耐久性が高いので、高層ビルや倉庫、大型のショッピングセンターの建物などにも使用されています。
ALCは、各メーカーにより名称が異なります。代表的なALCメーカーの商品名を紹介すると、旭化成建材(株)のヘーベルライト、ヘーベルパワーボード、住友金属鉱山シポレックス(株)のシポレックス、スーパーボードなどがあります。
ALCを外壁に使うメリットとは?
ALCを外壁に使う理由は、耐久性の高さが建物に適しているからです。地震にも強く、耐用年数も50年以上あり、メンテナンスを行うことで寿命を延ばすことが可能です。
ALCは、軽量気泡コンクリートですので、内部に気泡による空気の層があります。空気の層があると、熱伝導率を低く抑えることができ、断熱性が高くなります。気泡のメリットは、重量がコンクリートの4分の1程度に抑えられることです。強度も高く、遮音性も高い外壁材です。
断熱性は、通常のコンクリートよりも10倍近くあるといわれています。断熱材を併用すると、夏も冬も快適な室内の状態を維持してくれます。火災時には、燃えにくいだけではなく、燃えても無機質の原料であるため有害物質が発生しません。
ALCはメンテナンスが必要
ALC外壁は、機能性の高い外壁材であることから、他の外壁材に比べると価格が高く、施工費は倍近くかかります。ALC外壁のデメリットは、サイズの小さなパネルになっており、つなぎ目が多く、防水性が低いことです。そのため、塗装メンテナンスが必要で、防水性能が高く、弾性の高い防水塗料を選ぶことが重要です。
グレードは、シリコン系やフッ素系塗料から選ぶと問題ないでしょう。つなぎ目のシーリングの劣化は、塗装時に対応し、シーリングの打ち替えや増し打ちが必要です。
5~10年程度のサイクルで外壁の点検を行い、補修箇所が見つかったら必要な補修を行い、塗料の耐用年数が過ぎるタイミングで塗装メンテナンスを行いましょう。
AKIHIKO ICHIKAWA