寒冷地でよく起こる外壁サイディングの凍害とは?
窯業系の外壁サイディングを使用していると、冬の時期に外壁が凍結し、次第に症状が進み、ひび割れ、剥離・剥落、欠けた塊が崩落するようになり危険です。サイディングの凍害についての知識や修理方法、予防対策について学んでみましょう。
凍害が起こるとどうなる?
気温が0℃以下になるような寒冷地では、コンクリートに含まれている水分が凍結・融解を繰り返しています。水分が膨張すると、表面のセメントペーストがひび割れや剥離症状を起こし、剥離・剥落していきます。
こうして、外から外壁を見ると、ボロボロになっているように見えるので、外壁の補修が必要となり、凍害による劣化症状がひどい場合や耐久年数を過ぎている場合は、サイディングを全て張り替える工事を行うことになります。
凍害の原因や起こりやすい環境・地域
凍害が起こりやすい地域は、北海道や東北地方などの極寒地だけではなく、同じような環境なら全国的に発生する可能性があります。平均温度がマイナス3~0℃の地域は、凍害発生率が高くなっています。
窯業系サイディングが経年劣化すると、凍害が起こりやすくなります。水分の凍結や融解が繰り返し起こると、どのようなサイディングでも凍害が起こり、スケーリングやひび割れ、ポップアウト現象と呼ばれる、凍害特有の症状を引き起こし、外壁の表面がボロボロに剥がれ落ちてしまいます。
凍害の修理方法と費用
10年程度で外壁塗装を定期的に行う必要がありますが、同時にサイディングの点検を行いますので、凍害の発生被害の状況を確認することができます。経年劣化が凍害の原因となっていますので、サイディングが古くなると寒冷地や極寒地では、凍害が起こります。パテなどで部分補修を行う場合がありますが、外壁材の耐用年数を考慮して、そろそろ張り替えが必要なら、新しい外壁材に張り替える必要があるでしょう。
微細なひび割れ、ポップアウト、スケーリングなどの劣化症状が発生している場合は、外壁の塗り替えも行われます。塗り替え前には、必ず破損箇所をパテで補修します。
部分補修工事は、20~40万円、外壁の塗り替えは、80~150万円です。外壁の張り替えは、60万円~ですが、カバー工法は~200万円、通常の張り替えは~300万円までとなり、コストを抑える努力をしないと、費用が上がってしまうので注意を要します。
凍害は予防できるか?
凍害が発生しやすい地域にお住まいの場合は、お住まい全体の定期点検は欠かせません。凍害を防ぐには、塗膜が劣化し、外壁の保護効果が薄れていく前に塗り替え工事を行うことです。新築から10年、塗り替えから10年たっている場合は、定期点検を必ず行い、必要な補修や外壁材の状態に合わせたメンテナンスを行う必要があります。
AKIHIKO ICHIKAWA