丈夫な素材でできている屋根も少しずつ古くなっていき、やがては修理や交換が必要になっていきます。屋根の修理や屋根・天井からする雨漏りを直す修理は常に行いますが、想定されていた耐用年数を過ぎたら、そろそろ屋根の交換が必要です。
屋根の交換工事のことを屋根の「葺き替え工事」と呼び、建物の工事の中では大規模な工事になり、費用も数百万円単位かかります。ここでは屋根の葺き替え工事の基本的な知識について解説していきます。
屋根の葺き替え工事とは?
屋根の葺き替え工事は、古い屋根を撤去し、代わりに新しい屋根材を被せて交換する工事のことです。表面に見える屋根材だけではなく、下地にある野地板や防水シート(ルーフィング)なども取り替えます。
屋根を交換すると、新築と同じような新しくてきれいな屋根になりますし、屋根材の寿命が延び、建物全体も長持ちするようになります。新しい屋根材には、軽量で耐久性の高い素材を使用すれば、耐震性を高めることができます。
葺き替え工事のタイミングの目安は、屋根材のひび割れや色あせ、カビ・苔の発生、雨漏りの発生、下地や木材の腐食などの他、目安となる耐用年数を過ぎた頃に葺き替え工事を行います。
葺き替えでよく使われる新しい屋根材
純和風の住宅には、新しい瓦を使用する場合でも、耐久性の高い瓦を使用します。重量が重いので、耐震性には十分に配慮した葺き替え工事が行われます。瓦は、工事費用は高額でも、和風住宅にはぴったりです。
軽量のスレート屋根は、低価格で耐震性の高い屋根材です。施工しやすいことから、葺き替えでも多くの一般住宅に採用されています。防水性能を維持する必要がありますので、塗装メンテナンスが必要です。
ガルバリウム鋼板は、金属屋根ですが、錆びに強く、耐久性も高いので、スレートやトタンからの葺き替えではよく選ばれる屋根材になってきています。デザイン性も高く軽量で比較的安価で施工できるため、葺き替え工事や重ね葺き(カバー工法)でも人気の屋根材です。
他にも高級感があり、デザイン性の高いジンカリウム鋼板、軽量で防水性の高いアスファルトシングルなども葺き替えに選ばれることの多い屋根材です。
葺き替え費用はどれくらい必要?
屋根の葺き替え工事費用は、どの屋根材を選んでも高額です。一般的には160万円前後の費用がかかります。足場の設置・撤去代、既存の屋根の廃材処理費なども必ずかかる費用です。既存の屋根材の種類、新しい屋根材の種類など、どのような屋根を選ぶかによって葺き替え工事費用は大きく変動します。
葺き替え工事の流れ
屋根の葺き替え工事の基本的な流れについてお知らせします。最初に古い屋根を撤去していきます。瓦なら1枚1枚丁寧に剥がしていきます。棟部にある鬼瓦やのし瓦なども同様に剥がし取り外していきます。その後、新しい野地板、新しい防水シートへの張り替えを行います。
その作業が終わったら、先に谷部や軒先などの役物を取り付けていきます。そして、屋根材本体を取り付けていきます。屋根材本体の取り付けが終わったら、棟木を取り付け、その後、棟役物を取り付けます。屋根材により、作業内容や使用する部材が異なりますので詳しいことは、屋根の葺き替え工事業者に詳細を問い合わせてください。
AKIHIKO ICHIKAWA