屋根の色やデザインよりも、外壁の色やデザインのほうが印象に残ることが多く、こうした外観を無視して建物を建てることはできません。そこで、外観を意識した外壁選びのポイントについてお伝えします。基本を押さえたら、ご家族みんなで意見を出し合って外壁材を決めていってください。
4種類の外壁材から選ぶ
よく選ばれている外壁材は、4つのタイプに分かれます。その4つとは、窯業系、金属系、タイル、塗り壁です。
窯業系のサイディングは最も使用されており、デザインや色が豊富です。石目調、木目調、タイル調などの豊富なデザインの中から外壁材を選ぶことができ、他のお住まいと同じようなデザインになることが少なくなります。窯業系のサイディングは、セメントや木質系の成分、無機物を混合し、板状に成型プレスした外壁材です。コストパフォーマンスに優れています。
金属系のサイディングは、断熱性能が高く、軽量で耐震性能に優れています。錆びには弱い素材ですが、傷がつかない限りは、防水性能もしっかりとキープできます。金属系のサイディングは、ステンレスやアルミニウムの板を使用しており、見た目はすっきりとシャープでモダンな印象を与えます。断熱材が裏打ちされています。
タイルは、施工価格が高額になりますが、それだけに高級感があります。タイル外壁は、経年劣化が少なく、メンテナンスがほぼ不要です。タイル表面や目地の汚れ、カビなどをしっかりと落としていれば、長期間使用できます。
塗り壁は、職人が手作業で仕上げる外壁です。左官屋の職人が減っているので、腕のある職人に施工を依頼するとどうしても価格が上がります。外壁のデザインは、職人の感性にお任せになってしまいますが、自然素材をたくさん使用し、デザインも自然の風合いを活用した優れた芸術作品のようなものが多く、同じような塗り壁を作ることは難しいでしょう。メンテナンスの頻度も高くなる特徴があります。
人気は窯業系のサイディング
新築住宅で最も選ばれている外壁材といえば、窯業系のサイディングです。8割近くは、窯業系のサイディングです。窯業系の場合は、デザインや多彩な色を簡単に再現できます。タイル調、木目調、レンガ調、コンクリート調など、実際にその素材を使っていないのに、同じような風合いのサイディングが簡単に再現できてしまいます。
意匠性の高いデザインになると、窯業系のサイディングも施工価格が上がります。窯業系サイディングの価格の目安は、1平米あたり3000円~1万円です。窯業系のサイディングは、定期的なメンテナンスが必ず必要となります。継ぎ目のコーキング補修、塗装メンテナンスの他、耐用年数が過ぎる頃には、張り替え・重ね張りなどのリフォームが行われます。
外壁材選びのポイントとは?
外壁材選びは、何を重視するかにより、選ぶポイントが異なります。外観にこだわる方には、いろいろなデザインの窯業系サイディングの中から自分好みのデザインや色を選択したほうがいいでしょう。コスパに優れています。
コストを抑えたい場合は、安価な樹脂系のサイディングが用意されています。耐久性や強度を求めるならALCです。すっきりしたモダンなデザインの外観なら、金属系サイディングです。木の温もりを求める方には、木質系のサイディングです。高級素材なら、タイルです。メンテナンスの機会を減らしたい場合は、高額でも漆喰、レンガ、タイルなどがよく選ばれています。
AKIHIKO ICHIKAWA