勘違いしやすい「雨漏り」と「漏水」の違いについて
出典:http://www.soujiyasan.jp/blog/2014/07/post-119.php
よく似た表現をする言葉はたくさんありますが、お住まいのトラブルにも同じような言葉があり、間違えて伝えてしまうと、きちんとした応急処置ができないことがあります。
また、言葉の意味を知らないと、同じような意味に捉えてしまい、対処方法を間違えて失敗します。
「雨漏り」と「漏水」は、よく似た言葉であり、同じようなお住まいのトラブルの代表例です。
この2つのトラブルには大きな違いがあります。
今回は対処法を間違えないようにするために、「雨漏り」と「漏水」の意味の違いや原因の違い、それぞれの対処法などについて解説しています。
雨漏りとは?
雨漏りは、基本的に雨が降った時に発生する住宅のトラブルで、屋根や外壁から雨水が浸透する水の被害の一種です。
雨が降っていない時は全く問題がないことが多いので、漏水とは区別することができます。建物は、経年劣化すると、隙間箇所も増え、少しずつ正常な防水機能が失われていきます。防水機能が失われると、水が建物内部に浸入しやすくなるのは当然です。
また、地震や台風などの突発的な災害や事故が問題となり、屋根や外壁の一部箇所が破損すれば、破損した箇所や穴などから雨水が流れ込んでしまうこともあります。
多くの雨漏り被害は、突然起こるものではなく、わずかな隙間からでも雨水が浸入することがあり、室内に浸入してから時間が経過すると、天井のシミやカビ、外壁の腐食などの二次被害を引き起こします。
二次被害に発展してから雨漏り被害に気づくことも多く、かなりの時間が経過していると、建物内部にまで深刻な悪い影響を与えてしまっています。
雨漏りの原因の特定は難しいことが多く、専門業者が散水調査などの現地調査を時間をかけて行い、雨漏りが再発しないような修理が行われます。
漏水とは?
お住まいの水回りのトラブルで多い「漏水」は、水漏れと同じ意味だと考えてください。
漏水の発生箇所が、自然環境による雨などの建物内への浸入ではなく、水回り設備の不具合により発生する水漏れ被害がほとんどです。
例えば、給水管、排水管などが何らかの原因により破損すると、水漏れが発生しますので、このトラブルのことを漏水と呼ぶことになります。
一般家屋の戸建て住宅やマンション室内のトイレやお風呂、洗面台などの水回り設備の他、洗濯機や浄水器などの水を使う機器などからも漏水することがあり、水の被害に発展します。
水回り設備の破損ではない場合でも、マンションやアパートの上の階でお風呂の水を出しっぱなしにすると、浴槽から水があふれて、下階の部屋にまで水の被害が及んでしまうことがあります。
広い意味で捉えると、このような水の被害であっても漏水と同じような水の被害と考えることができます。
「雨漏り」と「漏水」の違いをはっきりと区別しよう!
雨漏りと漏水は、全く別物だということを知っておきましょう。雨が降った時の雨水による水の被害であれば、雨漏りだと考えてください。それ以外の水の被害なら多くは漏水や水漏れという水の被害です。
例えば、洗面所やキッチンの排水管が壊れて水が漏れている場合は、漏水ということになります。
自然環境による水の被害か、設備機器の故障による水の被害なのか、などによっても分けることができるでしょう。
水の被害に遭った時の保険の適用について
自然災害や故障・事故が原因の水による損害を被った場合は、加入している損害保険で被害額をカバーし、修理することができます。
しかし、雨漏りと漏水のこの2つは、異なる被害として認識されていますので、お住まいに合わせた補償内容の保険を選び、どちらの被害であってもカバーできるようにしておきましょう。
雨漏りも漏水も、日常生活を営んでいる中では、被害の発生確率がとても高いトラブルになっているからです。
雨漏りの場合は、火災保険の風災や水災補償が適用されていますが、発生原因によってどちらになるのかは、保険会社や第三者の認定機関が判断しています。
火災保険の場合、経年劣化は補償対象外ですが、事故や災害による外的要因が引き起こした破損なら、雨漏り修理も保険金でカバーできることがあります。
次に、漏水の場合ですが、水濡れ補償がついている保険の場合はカバーできることがあります。
具体的な事例として、給水管や水道管の破裂による水浸しや水濡れ被害、上階の住人の漏水トラブルの被害などを挙げることができます。
しかし、火災保険では、ご自身が原因の漏水トラブルの場合、自分のお住まいの被害に対する補償が適用されません。
漏水の原因が自分にあり、下階の住人に被害を与えたときは、火災保険ではなく、個人賠償責任補償の保険金でカバーすることになるでしょう。
保険金の差はわずかな違いにはなりますが、どのような補償をつけるのか、外したほうがいい補償などもありますので、契約時に保険会社ともよく相談してください。
定期的な損害保険の見直しなども必要になってくるでしょう。
AKIHIKO ICHIKAWA