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塗料の1液型と2液型の違って何?両者のメリットとデメリット
公開日:2019年02月02日 カテゴリー:三島市芙蓉台


塗料の1液型と2液型の違って何?両者のメリットとデメリット


1液 2液 塗料


 屋根や外壁に使われている塗料を分けて考える場合、グレードで分ける方法以外にも、「1液型」と「2液型」といった2種類に大きく分けて考える方法もあります。

 1液型と2液型という分け方は、塗料のグレードには全く無関係で、どのグレードにも存在しています。

 塗料をわざわざ1液型と2液型に分ける必要はあるのでしょうか?

 今回は、塗料の1液型と2液型について、それぞれのメリットやデメリットについて簡単にご説明していきますので、見積書を比較検討する際の参考知識にしてください。



塗料の分類方法はグレードだけではない!


 塗料の分類方法に関しては、グレードで考える分類方法以外にも、塗料の薄め方を元にしたうえで、1液型と2液型の2種類に分ける方法があります。

 塗料のグレードにはあまり関係なくなってしまいますが、塗料は原液で使うのではなく、指定された水やシンナーなどの希釈剤を使用して薄めて使っています。

 薄める希釈剤の種類にも3種類あって、水性、弱溶剤、溶剤などが塗料に応じて指定されているので、指定の希釈剤を使用して薄めています。

 安全な水を使った薄め方はあまり耐久性がない塗料に採用されており、弱溶剤や溶剤を使って希釈する塗料ほど耐久性や耐候性が高い製品が多くなっています。

 それほど強力な力を持つ溶剤になりますので、シンナー臭が強く、人や環境に悪影響を及ぼしてしまいます。

 そのため、人やペットの健康や環境をよく考えたうえで、水性塗料が推奨されています。

 塗料の1液型や2液型の2種類の分類に関しては、水性、弱溶剤、溶剤の下位レベルになる最も細かい分類方法になっています。

 1液型は、塗料缶が一つしかありません。塗装直前に水やシンナーで薄めて使用する塗料のため、施工時の取り扱いが簡単です。

 2液型は、2つの塗料缶をセットで販売しており、主材と硬化剤に分けられています。

 2液型は、塗装前に主材と硬化剤をよく混ぜて塗料にする必要があり、さらに、水やシンナーで薄めてから塗装面に塗布するようになっています。

 解説だけを読んでいると、2液型は大変手間のかかる塗料だと思われますが、最初の頃は2液型の塗料しかなく、後から1液型が登場してきたという歴史があります。

 2液型は、主材と硬化剤を一度混ぜると、少しずつ固まっていきますので、その日のうちに使い切ってしまう必要があり、原則として作り置きができません。

 主材と硬化剤を一度でも混ぜた塗料は保管できないので、使用する量だけを購入して使い切ってしまう必要があるでしょう。

 2液型は、混ぜ合わせの混合比率も決められていますので、1液型に比べると塗装作業に余分な手間がかかってしまいます。

 後になって2液型のデメリットを補うような形で、硬化剤が混ぜ合わされた1液型の塗料が開発され、販売されるようになりました。

 しかしながら、1液型と2液型には、それぞれにメリットやデメリットがあって、塗装の現場の環境にも影響されますので、どちらがいいのか悪いのかが判断しにくくなっています。

 多くの面を比較すると、耐久性や塗料の性能面では2液型のほうが良いとされています。



塗料の1液型のメリット・デメリット


メリット

 1液型は、塗料の価格が2液型と比較すると低価格の製品が多く、混合や撹拌の手間がかからないため、初心者やDIY向きです。

 いったん開封して一回の塗装で使用する量が余ったとしても、一時的に保管することができ、次の日に使うことができるので、無駄が少なくなります。

デメリット

 2液型に比べると耐久性や耐候性が低い点です。耐用年数は、2液型のほうが長く、1液型よりも3年ほど長く持ちます。耐久性を重視する場合は、1液型は選択肢には入らないでしょう。

 鉄部などには塗装できず、塗装できる素材や塗る箇所が少なく限定されてしまいます。

 塗料缶は一つにまとめられていますが、中に含まれている硬化剤が時間と共に固まっていきますので、半年から1年ほどで消費期限を迎えるので長期保管には向いていません。さらに、塗料の保管方法が難しいというデメリットもあります。



塗料の2液型のメリット・デメリット


メリット

 2液型は、1液型に比べると耐久性や耐候性が高い製品が多く、主材と硬化剤の混合前の状態なら、保管期限は1液型よりも長くなるというメリットがあり、長期保管に向いています。

 2液型は、1液型に比べると塗装できる素材が増えますので、多方面で使いやすい塗料です。(スレートや鉄部、アルミなどの金属部に塗装できる)

デメリット

 2液型は、1液型に比べると1割ほど値段が高い製品が多くなっています。

 塗料を使用する直前には主材と硬化剤を混ぜ撹拌しますが、少しずつ固まっていきますので、メーカーが指定する時間内での迅速な塗装作業が重要となります。

 混合や撹拌などで余分な手間がかかることや混合の割合を間違うと塗料の性能が悪くなってしまうことがあるため、取り扱いが難しく初心者やDIYには向いていません。

 塗装のプロは、耐久性や耐候性が高く塗装品質が良いとされる2液型の塗料を好んで使用しています。

 

 

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PROFILE
プロフィール写真
市川 明彦
AKIHIKO ICHIKAWA
塗装技能士・建築士|複数の職場で建築物の塗装・メンテナンスの経験を積み、先代である父の塗装店を2005年に引き継ぐ。塗装技能士・建築士に加えて、雨漏り診断士・戸建住宅劣化診断士・窯業サイディングメンテナンス診断士も保有。 情報を公開し、活動において開かれた姿勢を持つことで、信頼と誠実さを築くという理念を掲げて活動している。
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