シリコン塗料がスタンダードな塗料としてよく使用されていますが、その次に価格やグレードが低い塗料が、ウレタン塗料です。アクリル塗料よりは価格や耐久性が高くなります。柔らかな塗膜に特徴があります。ウレタン塗料のことやおすすめの使用例について解説していきます。
ウレタン塗料の特徴を知ろう
ウレタン塗料の主成分は、ウレタン系樹脂です。正式名はポリウレタンになり、合成ゴムや断熱材によく使われています。シリコン塗料が登場する前は、価格や耐久性・機能性のバランスに優れた塗料として、外壁塗装にはよく使用されてきたのが、ウレタン塗料です。
ウレタン塗料の使用機会は確かに減っていますが、予算が取れないときは、ウレタン塗料を使用しても全く問題ありません。また、ウレタン塗料は、木製の外壁材、雨樋、フローリング、木製建具などによく使用されています。
ウレタン塗料のメリットやデメリット、グレードと価格は?
メリットは、塗装後は光沢のある仕上がりで、高級感のある塗膜になることです。柔らかい塗料は、弾性があると言われますが、硬化した後も塗膜が柔らかくひび割れに強い塗料です。ウレタン塗料は、密着性も高く、耐薬品性にも富んでいます。
種類が豊富なだけではなく、硬化剤の種類を変えることで、様々な作用を発揮します。塗料を塗布する場所や用途に合わせた使い分けが可能で、様々な箇所に使用できます。
ウレタン塗料は、シリコン塗料よりも若干平米あたりの単価が低く、2000~3000円程度です。グレードは、アクリルとシリコンの中間の位置づけです。 耐用年数は、通常使用で7~10年程度であると言われています。
デメリットは、耐用年数が短く10年以上使えない点です。費用対効果では、シリコン塗料のほうが上回ってしまいます。そして、紫外線に弱く、耐候性に欠け、防汚性に劣ります。
最も注意すべき点は、毒性のあるイソシアネートが配合されており、塗料には不向きで作業時には特に注意しなければなりません。ウレタン塗料を使用後、余った場合は、容器を密閉しなければ、変質してしまう恐れがあります。
ウレタン塗料がおすすめできる使用例
ウレタン塗料よりも優れ、性能と価格のバランスの取れたシリコン塗料が登場し、ウレタン塗料の使用例が減ってきています。それでもウレタン塗料を使用する事例はまだあります。
塗装メンテナンスの回数が増えますが、予算の都合により低価格で塗装しなければならない場合は、ウレタン塗料が選ばれます。耐用年数が短くても塗料の価格が安いので、外壁の塗り替えでいろいろな塗装色を楽しみたい方は、ウレタン塗料を選んだほうがいいでしょう。
ウレタン塗料を木製の塗装箇所に塗ると、高級感のある光沢が楽しめます。密着性が高いので、木部や雨樋などの細かい箇所の塗装に最適です。
ウレタン塗料は、屋根や外壁の塗装では、これまでの主流だった塗料です。 そのため、バリエーションや付加機能が豊富で、塗装箇所に応じて塗り分けることも簡単です。
AKIHIKO ICHIKAWA