出典:https://www.mizumura-design.com/build/a
モルタルは、建築やリフォームなどのいろいろなケースで使用されることの多い建築材料です。建設現場で灰色の粘土を練っているを見ると、それはコンクリートではなく、たいていはモルタルです。セメントやコンクリートとよく似ているので見間違えることがありますが、DIYでも使用することの多いモルタルは、いろいろな活用法がある優れた建築材料です。
コンクリートに似たモルタルとは?その正体
粘土のようなモルタルは、セメントに砂や水を混ぜた建築材料です。セメントが入っていますので、水や砂と一緒に練ると粘土のようになります。よく練った後、コテを使って塗り込んで使用します。材料の混合割合は、セメント1に対して、砂が2~3です。それに水を混ぜて練ります。
モルタルの活用法も時代により異なります。昔は外壁材として使われていましたが、今ではデザイン性を求める方が増え、外壁の表面仕上げ材として、モルタルの独特な風合いを活かした外壁・内壁を表現するために使用されています。
他にもコンクリート壁の隙間埋めや浴室、台所の仕上げ、レンガ、ブロックの目地材、タイルの下地などに活用されています。コンクリートとの違いは、粗骨材がない点です。砂以外に石・砂利などが入っていません。そのため、モルタルはコンクリートに比べると耐久性の面で劣ります。
モルタルを使うとよいこととは?
強度に優れたコンクリートは、壁やブロック塀の基礎、駐車場の舗装などに使用されています。 モルタルには強度はありませんが、デザイン性の高さが評価されており、混ぜる材料を少し変えるだけで、さまざまな模様や色などを表現することができます。
モルタルでしか出せないオリジナルの風合いや味わいは、世の中に一つとしてないような壁や床、土間なども表現できます。職人さんの腕次第では、オンリーワンの仕上がりが期待できます。
最近主流となったサイディングの外壁のように継ぎ目もありません。耐火性や耐久性にも優れており、その他多くのメリットがあることを知っておきましょう。
モルタル使用例や使い方いろいろ
外壁材として使用するモルタルにはいくつかの種類があります。吹付けタイルは、タイル材を吹き付けて施工します。凹凸模様が入り、まるで陶磁器のようです。ひび割れも発生しくいという特徴があります。
リシンは、砂壁のような模様です。表面がザラザラしています。ひび割れが出やすく、汚れがつきやすいというデメリットがあり、最近のモルタル壁には使われなくなっています。
スタッコ材を使ったスタッコのモルタル壁は、石材のような模様が特徴で、高級感や重量感を表現できます。
リシン外壁も表面の凹凸が多いので、汚れやすいというデメリットがあります。大量の塗料を使用し、施工の手間もかかります。
モルタルはDIYでもよく使用されますので、ホームセンターやネット通販でも気軽に入手できます。 外壁材だけではなく、内壁材にも使われていますし、ブロックやレンガの目地、タイルを貼り付ける接着剤、ひび割れ時の補修材などにも使用でき、使用用途の広い建築材料です。
AKIHIKO ICHIKAWA