コーキング(シーリング)補修で行われる作業とは?
外壁やお風呂などでよく実施されているコーキング補修やシーリング補修は、サイディングボードの目地などにも使われています。今回は、コーキング補修の基本的な作業内容の解説です。初心者にもわかりやすいように、細かい作業については省略し、より簡単にして解説したいと思います。
コーキングやシーリングの違いとは?
コーキングやシーリングとは、外壁材と外壁材の間にある柔らかいゴム状のパッキンのことです。外壁では見逃しやすい場合でも、身近なところではお風呂の浴槽と壁の間にもコーキングやシーリングが使われているので確認してみましょう。
ゴム状のパッキンのことをコーキングやシーリングと呼んだりしていますが、2つの語句にはそれほど大きな違いはなく、専門家に伝える場合はどちらの語句を使っても構わないでしょう。
それよりも呼び方はあまり気にする必要はなく、その重要な役割を正しく知っていたほうが何かと役立ちます。
例えば、コーキングがあると、揺れや振動で外壁同士がぶつかり合う際の衝撃を吸収し、保護します。外壁の隙間をしっかりとコーキング材が埋めていますので、水が浸入しにくく、防水性を高めています。
基本的なコーキング補修の方法
基本的なコーキングの補修方法は、2種類あります。
その2つとは、「打ち替え」と「増し打ち」です。
コーキングの「打ち替え」工事とは、既存のコーキングをきれいに除去した後に、新しいコーキング材を充填する補修方法のことです。コーキングの撤去作業の後には、マスキングテープでの養生や下塗り材の塗布、へらでならす作業などが行われています。
そして、コーキングの「増し打ち」工事とは、既存のコーキング材の上から、そのまま新しいコーキング材を補充していくような補修方法です。古いコーキング材が残っていますが、その上から新しいコーキング材を充填しても問題がなく、増し打ちと呼ばれている補修方法になります。
コーキングがあまり劣化していない場合は、補修方法も増し打ちで十分です。増し打ちのメリットとしては、既存のコーキング材の除去作業がないので、工期も短くなり、補修費用総額も安くなる点です。
費用面ではそれほどの差がないので、古いコーキング材の耐用年数が過ぎているようなら、打ち替え工事のほうがおすすめです。
コーキング補修はいつ行う?そのタイミングとは?
コーキング補修はいつ行うべきでしょうか?そのタイミングを知るには、古いコーキングをよく観察し、少しの変化も見逃さないことです。よく見れば、コーキング材の劣化状態は、素人でもわかることがあります。
外壁のコーキング部分は、屋外にあり熱の影響を受け、紫外線にも当たりやすくなっています。そのため、他の部材よりも劣化の進行も早くなる、と考えてください。劣化が進行するとコーキング材の弾力性がなくなっていき、表面にひび割れが発生するようになります。
ひび割れが大きくなってくると、次は「破断」状態になり、コーキングの裂け目が目立つようになっていきます。こうした目立つ劣化症状が見つかったら、迷わずコーキング補修するタイミングになっています。
他にも経年劣化により厚みがなくなる「肉痩せ」状態も補修するタイミングだといえるでしょう。また、これまで10年間以上放置しており、コーキング部分の点検や補修をしたことがない場合も、メンテナンス時期が来ている可能性が高いです。
まずは、外壁やコーキング補修の専門業者に外壁点検を依頼してみましょう。
特に専門家による点検は重要で、定期点検などでコーキング表面のひび割れ、剥離などの現象が増えていて指摘されることがある場合は、すぐにコーキング補修を含めた外壁全体のメンテナンス工事を検討してください。
コーキング補修だけなら、あくまでも建物の一部分の補修に過ぎませんが、他にも補修箇所が見つかった場合は同時に修理を行うことができます。
大規模なメンテナンスとなる外壁塗装工事と一緒に実施すれば、総工事費用を抑えることができます。多くの外壁塗装工事では、コーキング部分の補修も忘れずに実施されています。
AKIHIKO ICHIKAWA