耐久性の高さを求めるなら「フッ素塗料」
フッ素塗料は、高額なため、一般住宅で使用されるケースは少なくなりますが、抜群の高い耐久性により、六本木ヒルズや東京スカイツリーなどの有名な高層建築物にも使用されています。そのため、建築業者や塗装業者でもその性能の高さは実証済みです。
外壁塗装におけるフッ素塗料とは?
フッ素塗料は、合成樹脂に蛍石を原料としたフッ素樹脂を使用しています。耐久性に優れており、耐久年数は、15年~20年もあります。汚れに対しては、非粘着性により付着しそうになってもしっかりとはじきます。非摩擦性に優れ、汚れがついても滑り落ちやすくなっています。
こうした高い機能を持つフッ素塗料は、一般住宅の外壁塗装の塗り替え工事の施工実績でも見られるようになってきています。また、屋根への塗装においても、フッ素塗料なら高い耐久性が発揮されます。
その他にも耐薬品性、耐候性などにも優れていますので、屋根を長期間しっかりと保護します。酸性雨が多い地域や紫外線を大量に浴びるような地域などの過酷な環境でも、屋根や外壁を長期間保護する機能はなかなか衰えることはないでしょう。
こうした理由により、フッ素塗料は、橋や大型の高層建築物にもよく使用されています。東京スカイツリーや六本木ヒルズの他、橋でいえば、レインボーブリッジなどもフッ素塗料で塗装されていることは有名です。
デメリットは価格面のみ?
場所によっては、耐用年数が20年以上も持つフッ素塗料ですが、気温の変化や太陽光による高熱、風雨などにも強く、環境の変化にも対応でき、劣化症状が出ることが少なくなっています。
光沢も長持ちしますので、美観を重視する高級タワーマンションやランドマークとなるような高層建築物などにもよく使用されています。フッ素塗料のデメリットといえば、価格の高さです。フッ素塗料は、1平米あたり4000円を超えるような高価な価格帯の製品が多くなっています。一般的なサイズの住宅で、30平米の広さの塗装を行う場合、フッ素塗料なら110~120万円程度の費用がかかります。
フッ素塗料を選択する際の注意点
フッ素塗料は、光触媒塗料などと同様に性能の高い塗料です。塗料のグレードの中でも最も高い部類に入ります。フッ素塗料は、耐久年数は20年以上ありますが、それでもその効果の維持や塗り替えなどの近い将来のことについても常に頭に入れておく必要があるでしょう。
耐久年数が長くても、5年、10年ごとの定期点検を必ず行い、補修箇所は全て補修を済ませておくことが大切です。フッ素塗料は、塗装面全体を塗るケースだけではなく、予算的な問題から部分的に塗装する場合もありますが、他の塗料を使用するとたいていは耐久年数が短いものが多いでしょう。
そのため、塗膜の美観や性能の差が生まれてしまうので、経年劣化と共にその差がはっきりと出てきてしまいます。他の塗料とフッ素塗料を同時に使用する場合は、耐久年数に大きな差が出ますので、塗り替えの時期なども含めて将来のことをよく検討したうえで塗装工事を行いましょう。
その他、一般家屋での施工実績が少ないことや塗膜が硬いのでひび割れ・クラックが生じやすいことも頭に入れておきましょう。
AKIHIKO ICHIKAWA