寿命は20年以上もある耐候性の高い無機塗料
外壁の塗り替えで、多少費用が高くなっても、耐久性が高く、メンテナンスもそれほど必要がない塗料をお探しなら、無機塗料がおすすめです。無機塗料は、塗料の中でも上級グレードに位置し、カビや苔の発生を抑え、汚れにくい性質の塗膜を作る塗料としても抜群の機能性を誇ります。
丈夫で長持ちする無機塗料とは？
無機物を主に使用した無機塗料は、有機物が作り出した化学物質である有機塗料に比べると、劣化しにくいという基本的な特徴があります。無機物の例としては、鉱物などが挙げられます。セラミックなどの陶器も無機物の一例です。
無機物だけを使った無機塗料というものはなく、必ず有機化合物と共に使用されており、耐久年数などは樹脂などの有機化合物に左右されます。
無機塗料のメリットとは？
無機塗料の最大のメリットは高い耐候性です。耐久性は、使用している樹脂のグレードによりますので、無機塗料の場合は、耐候性の高さがメリットとして強調されます。塗料において耐候性が高いと、外壁表面を長期間保護し、光沢を維持し、色あせしにくいといったメリットが出ます。
無機塗料は、防汚性にも優れています。さらに汚れがつきにくいという「低汚染性」といった特徴も併せ持っています。汚れが溜まりにくいのは、高い親水性のおかげです。水になじみやすい性質により、表面の汚れは、降雨時に、汚れと外壁の間に入った水が洗い流すようになっています。無機塗料の塗膜は、静電気が発生しにくいので、小さなゴミやチリなどを外壁に寄せ付けることもありません。
そして、無機物は、鉱物に代表されるように、それ自体が燃えにくいという性質を持っています。燃えにくい性質のことを難燃性や不燃性といった言葉で表します。
無機塗料を使用するときの注意点
フッ素やシリコンなどの樹脂を含む有機塗料を配合した無機塗料ですので、塗料の価格が最も高くなります。フッ素塗料に比べると、1平米あたり1000円以上単価が上がります。また、柔軟性に劣るのも無機塗料のデメリットです。
無機塗料の場合は、塗膜表面のひび割れの発生は避けられません。塗り替えでこれまで使用してきた外壁材でひび割れがよく発生していた場合は、弾性の高い無機塗料を使用するようにしてください。
残念ながら、サイディングボードやガルバリウム鋼板の外壁材には塗ることができません。無機塗料は、屋根にも塗装できませんし、ツヤ消しの無機塗料もまだ登場していません。
色の種類が少ないので、外壁材や色選びでデザインや色に関してこだわりのある方は要注意です。施工できる職人の技術力にも左右されます。高価な塗料ですので、必ず無機塗料の施工実績が豊富な職人のいる塗装業者に工事を依頼してください。
AKIHIKO ICHIKAWA