ラジカル塗料は最新技術がすごい?シリコンとの違い
ラジカル塗料は、2015年頃から本格的に登場した新しい塗料です。ラジカル塗料は、シリコン塗料と価格はほぼ同じなのに高性能です。今後はラジカル塗料が外壁塗装のメインになっていくのかもしれません。
なぜラジカル塗料がいいのか?
ラジカル塗料は、2015年より登場した新しい種類の塗料です。シリコンとフッ素の中間のグレードでありながら、価格がシリコンと変わらないのでお得です。ラジカル塗料は、ラジカル制御形塗料のことで、ラジカル合成樹脂が含まれているわけではありません。
「ラジカル」とは、酸素や紫外線、水などが顔料にふれると発生する劣化因子のことで、ラジカルをできる限り抑えることで、塗膜の劣化を防ぎ、長寿命を維持することができます。
ラジカルを抑制するために、これまでの塗料をベースに高耐候酸化チタン、光安定剤という成分が含まれています。高耐候酸化チタンは、ラジカルを発生する酸化チタンを制御し、光安定剤は、ラジカルの発散を抑えます。つまり、ラジカル塗料は、劣化を抑え、塗膜の耐候性を高める働きを持っています。
シリコン塗料よりも優れているか?
シリコン塗料よりも少し単価が高くなりますが、ラジカル塗料の寿命は、1.5倍程度になり、塗り替えなどのメンテナンス費用を大幅に減らすことができます。安価なアクリルベースのラジカル塗料でも、シリコン塗料よりも性能が優れている場合があります。発売されてまだ新しい塗料ではありますが、ラジカル塗料の耐久年数は、15年以上あるとみていいでしょう。
知名度や塗装実績がまだ少ないラジカル塗料
ラジカル塗料の唯一のデメリットといえば、登場してからまだ数年しかたっていないので、塗装実績が少ないことです。高寿命を証明するには、あと10年以上の年月が必要です。
一般に普及するには、塗装実績が増え、本当に耐久性能があるのかどうかを実際に証明するしかないでしょう。知名度の低さから敬遠されるのも当然です。塗装業者も知らない場合がありますし、塗装実績のない塗料はリスクが高くて使えないし、優良客には積極的におすすめできないのも無理はありません。ラジカル塗装の実績や確かな知識の豊富な塗装職人のいる塗装業者を探すのも大変です。
大手塗料メーカーのラジカル塗料
2016年には、大手の三大塗料メーカーのラジカル塗料が出そろいました。
・パーフェクトトップ(日本ペイント)
大手で最初に登場したラジカル塗料です。シェアもトップ。無機系のラジカル塗料も後になって販売開始されています。
ツヤも自由に選べますが、ツヤなしも選べるようになっています。シーラーやプライマーなどの下塗り材との相性もよく、使いやすいラジカル塗料です。
・エスケープレミアムシリコン(エスケー化研)
パーフェクトトップに次いで販売されたのが、エスケー化研の「エスケープレミアムシリコン」です。ツヤ無しがなく、ツヤ有、5分ツヤ、3分ツヤから選ぶことができます。
・アレスダイナミックTOP(関西ペイント)
大手では、最後に登場した関西ペイントの「アレスダイナミックTOP」。ツヤ無しはありませんが、7分ツヤがあるのが他の大手のラジカル塗料にはない特徴です。ダイナミック強化剤を配合すると、雨の日でも塗装作業が可能となり、工期が延びることが少なくなります。
AKIHIKO ICHIKAWA