ウレタン塗料とシリコン塗料の違いと選び方
外壁塗装では、ウレタン系とシリコン系の塗料で迷う方が多くなります。性能が同等で同じような価格帯の塗料があった場合にどちらを選べばいいかで迷うのは当然です。そこで、ウレタン塗料とシリコン塗料の違いを知り、どう選べばよい選択となるのかについて解説していきます。
耐久性や機能はシリコン塗料のほうがいい
シリコン塗料は、コスパに優れており、今現在主流の屋根・外壁用の塗料です。ウレタン塗料も同じように優れた塗料ですが、耐久性や機能性を比較すると、全体的にシリコン塗料のほうが優れています。とはいえ、ウレタンとシリコンには異なる特徴があります。
ウレタン塗料は、塗膜に肉もち感や光沢感があります。高級感などの質感を重視するならウレタン塗料でもいいでしょう。耐候性や付着性もしっかりとしています。しかし、経年劣化により紫外線による変色が見られます。
シリコン塗料は、ウレタン塗料よりも耐熱性、耐候性、防汚性などに優れています。しかし、付着性が弱く、価格がウレタン塗料よりも高くなります。高級感を求める方の中には、シリコン塗料よりもウレタン塗料を選ぶ人がいます。
耐久年数は、ウレタン約6年、シリコン10~13年です。耐久性からすると、シリコン塗料がよく、光沢の持ちなどは結果としてシリコンのほうが長持ちします。色を全く変えるなどの塗り替えを頻繁に行うようなら、少し費用が安くなるウレタン塗料を選んだほうがいいかもしれません。
ウレタン塗料とシリコン塗料の比較
・ウレタン塗料
塗装相場総額で約70~80万円、耐用年数は、6~10年です。光沢があり密着性が高いので、いろいろな場所に塗ることができ、塗装場所を選びません。湿度が高いと塗装できない場合があります。黄変したり、色あせしたりしやすい塗料です。
・シリコン塗料
塗装相場総額で約90~100万円、耐用年数は、10~15年です。耐候性や耐久性が高く、汚れがつきにくく、色あせもしにくい塗料です。ウレタン塗料と比べると密着力が弱く、ひび割れします。木部は塗装できないなど、塗装場所が少し限定されてしまいます。シリコン塗料は、ウレタン塗料に比べると、耐用年数が長く、塗装相場価格も若干高めです。
ウレタン塗料とシリコン塗料を選ぶときの注意点
最初からシリコン塗料をおすすめする塗装業者も多いですが、いつもシリコン塗料がいいとは限りません。屋根と外壁を塗装する場合は、屋根に使用する塗料のほうが同じ塗料であっても耐用年数が短くなっています。
そのため、屋根と外壁とでは、グレードの違う塗料を選択し、耐用年数を一緒にして塗り替え時期を合わせる場合があります。屋根に使用する塗料のグレードを上げることが大きなポイントです。
ウレタン塗料よりもシリコン塗料のほうが性能がいいと思いがちですが、シリコン塗料はひび割れしやすい塗料です。柔らかく柔軟性のあるウレタン塗料なら、塗膜のひび割れが予防できるので、木部などの微妙に動くような箇所に使用すると、ひび割れ予防の高い効果が得られるからです。
AKIHIKO ICHIKAWA