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建築当初は、きれいな外観の外壁も、数年でクラック・ひび割れが発生し、その症状が日に日にひどくなり、目立つようになっていきます。外壁クラックを発見したら、すぐに補修したほうがいい場合があります。その他、予防対策などについても解説していきます。
外壁クラックが気になる前に
外壁クラックが問題となる外壁は、主にモルタル外壁です。モルタルは、ひび割れ・クラック、剥がれなどの劣化症状が必ず見られるようになります。そのまま放置していると、ひび割れ箇所から雨水が浸入し、雨漏りが発生します。
こうしたクラック・ひび割れが気になる前に、劣化した箇所の補修工事を行い、その後、塗膜により外壁表面を保護するための外壁塗装工事が行われています。モルタル外壁は、防水性能が低いので、表面塗装の塗膜により防水性能を保持しています。
サイディングのような外壁材とは異なり、モルタル外壁は、職人の手で仕上げているために、劣化するとクラックやひび割れ、剥がれの症状が出やすくなっています。
外壁クラック補修と外壁塗装はセットで
モルタル外壁のデザインは、意匠性が高く、仕上がりが数パターンあります。リシン仕上げ、スタッコ仕上げ、吹付けタイル仕上げ、左官仕上げなどです。 モルタル外壁のメンテナンスでは、劣化症状に合わせた補修工事が行われ、その後塗装工事が実施されます。
クラックにも、症状が軽度の「ヘアークラック」、重度の症状の「構造クラック」などのいくつかの種類があります。 いずれも程度に合わせた補修工事が必要です。
軽い症状のヘアークラックは、下塗りとして可塑性の改修材料を塗布して覆うだけで補修工事が済む場合がありますが、構造クラックの場合は、一度クラック部分を専用機材でカットしたうえで、コーキングの充填、防水モルタルの塗布、塗装を行います。他の外壁色との色の差が目立つ場合は、全面的な外壁塗装工事が必要となります。
予防対策を施すとひび割れしにくい
あらかじめ外壁クラックを予防できる対策法があります。外壁クラックは、建物の動きにより、建物の外壁に与えられた力を発散させるためにできてしまいます。
外壁に「誘発目地」を作ることで、外壁に無理な力が加わると、その力が発散されるようになります。誘発目地に力を逃すようにすることで、ひび割れを防ぐことができます。
わざと誘発目地を作ることで、クラックができにくい外壁になります。 クラックの役割を果たすのが誘発目地です。誘発目地により、その他の外壁箇所にはクラックやひび割れができなくなります。
AKIHIKO ICHIKAWA